こたえなんていらないさ

舞台オタクの観劇感想その他もろもろブログです。

愛のレキシアター「ざ・びぎにんぐ・おぶ・らぶ」東京公演の感想(ネタバレあり)前編

ブログに書きたいことばかりたまっていて困っているあなぐまです。3月はコンテンツが大渋滞していて本当に大変だった!今すぐ分身してえ!と思ったんですけどできなかったので回してやりくりしました(予定ではなく自分の身を)。
こんなに見たい舞台だけが重なる月もそうそうないんですが、3月まじで忙しかった。でもやばいくらい楽しかった!

そのうちの1本である、レキシアターについてまずは書きます~!
www.rekitheater.jp
タイトルどおりにネタバレしまくるのでこれから大阪で見る人はご注意くださいね!そして長くなりすぎたので、珍しくエントリーを前後編に分割してアップします。



レキシの歌をベースにしたミュージカル…と言っても、いったいどんな作品なのか、さっぱり検討もつかずだったんですが、観たらもう、ひっくり返るほど面白くて。というか、大好きなタイプの舞台でした…!
もともと1回だけの観劇予定だったのが、既に限界に近かったスケジュールに無理やりねじ込んで計3回観てしまったほど。それくらい好きだった。

私はもともと、レキシの歌は詳しいわけではまったくなくて、数曲知ってるかな?レベルでして。レキシアターを見る前の時点で一番好きな曲は「きらきら武士」でした!
あふれる音楽の才能が全部「歴史」に収束して爆発している、あまりにも独特なあの世界を、いったいどうやってミュージカルにするの!?と思ってたんですが、蓋を開けてみると、ほんと「才能と才能の奇跡のコラボレーション!」って感じ。。ゴージャスなびっくり箱みたい。エンタメとして最上級に面白いものを見せてもらえることの、観客としての喜びをひしひしと感じた舞台でした。

◆あらすじ的なもの

筋金入りの引きこもりニート、織田こきん(山本耕史)は、母・織田胡蝶(高田聖子)との二人暮らし。こきんの父(山本亨)はこきんが幼いころに蒸発し、胡蝶は女手ひとつで苦労しながらこきんを育ててきた。
家から一歩も出らずに日がなパソコンを眺めてゴロゴロしているこきんを見かね、胡蝶は引きこもり支援団体の職員である明智藤井隆)を頼り、なんとかこきんの生活を立て直そうと試みるが、こきんは全く聞く耳を持たない。胡蝶が部屋に入ろうとすれば「勝手に入ってくんなよババア!」と怒鳴り、かと思えば「ババアの作ったカレーが食べたい」とわがままをメールで伝えてくる始末。
そんなこきんの最近の楽しみは、歴史オタク、いわゆる歴女であるブロガー、カオリコ(松岡茉優)が更新する動画「ひとり偉人ごっこ」を見ることだった。
ある日こきんは、カオリコのサイトにコメントする中で、つい自分を良く見せようとするあまり、「俺はそんじょそこらの男とは訳が違いますよ」と言ってしまう。それを聞いたカオリコに「そなたはどのような殿方なのじゃ?ここはひとつ、歴史上の偉人にたとえてたもう!」と言われたこきんは、売り言葉に買い言葉のような調子で「ハンドルネーム:ヨシツネ」として23歳のイケメンの虚像(佐藤流司)を作り出してしまう。
そんなこきんは、突然現れたウォルト・レキシー(八嶋智人)なる人物により、「愛の始まりを探す旅」へと無理やりと連れ出される。たどり着いた先は「レキシーランド」。歴史をモチーフにした体験型アトラクションが揃っているという、謎のテーマパークだった。
レキシーランドの入り口でまさかのカオリコ本人と一緒になり、どうしようもないほどに動揺するこきん。
そして、こきんと一緒にレキシーランドへと連れてこられた胡蝶と明智にも、実は単なる「疲れた母親と支援団体職員」ではなく、実は過去に深い縁があって…!?


…と、こういったトーンで本編が始まります。がんばって本編部分をあらすじっぽく書いてみたんですが、作品の冒頭にはメタっぽくさらに導入の映像がありまして。
レキシの池田さんが亡くなったという体でスタートするというまさかの内容なんですが、

  • 弔問におとずれたいとうせいこうさん(遺影の前にいる明らかに欧米人の男女がきょうだいと名乗り、動揺するせいこうさん)
  • 彼の音楽を後世に残すことはできないのか?と嘆く面々の前に「彼の曲をモチーフにしたミュージカルを上演するという手があります」と言いながら颯爽と登場する作演出の河原さん
  • 「でも池ちゃんのソウルを表現できる役者がいないことには…」
  • 「歴史にゆかりのある俳優に、心当たりが一人だけいます!」という前振りから、
  • 「すみません遅くなりました」と駆け足で登場する八嶋さん(BGM:SHIKIBU)
  • そんな八嶋さんの中に、おやおや!?どうやら池田さんのソウルが入ったみたいだよ!よーしじゃあ!はーじめーるよー!

…っていう感じで、舞台がスタートしていきます。説明がんばったけどカオスすぎてあの雰囲気を伝えられてる自信はみじんもない!でもなんかこういう舞台なんですほんとに!笑

あらすじをやっつけですが書けたので、次は魅力のつまった主要キャスト陣の皆さんの感想~!

◆見応えしかない役者陣

八嶋さんが舞台に登場したしょっぱなから、とにかくキレッキレで。これまでテレビでしか観たことがなかったんですけど、常にあのクオリティで面白い方なんだな、、ということを学んだ。
衣装替えもめちゃくちゃ多いし、担当する歌の数もかなりのものです。いわば狂言回し的な役割を担っているので、舞台上でこなすことが本当に大量にある印象なんですけど、アドリブも交えながら圧巻の立ち回りでした。そんなに動く!?って思うくらい、動きなさる!
あとはなによりTakeda'が印象深すぎました。あれを動じずに舞台上にでやってのけるのがすごい。笑
織田は強いなー、って思わず言いたくなるし、白マッチョ強いなー、で地味に内容を変えながら耕史さんをいじってるのが面白すぎました。

そして主演の山本耕史さん…!ジャージ姿の冴えないニート役をあそこまでしっくり来る感じで演じられるなんて…え、ほんとに山本耕史なの!?って思いました。なんべんも。ほんっとうにびっくりする。
…なんだけどさぁ!決めるシーンでの「決め」っぷりがもう、それはそれは憎らしいほどで!そりゃあ自然と拍手も起きるわな!?っていう、唸ってしまうほどの格好良さ。ま、まちがいない…この輝きは本物のスター様や…!って圧倒されてました。
そしてなにより、ビビるくらい歌がうまくていらっしゃる!!!お前、プロを捕まえて何をいうか!って感じなんですが、わたし山本耕史さんの歌聞いたことなかったので!
「え、ええ~~!!?」って客席でのけぞりたくなるほどに美声でいらして…いや意味がわからんすごすぎる格好良すぎる~!!?って思いました。あと顔が圧倒的に美しい。なんだあの鼻筋は。すごい。。ご覧のとおり、語彙が足りなくなりました。
あと「待たせたな。…土方歳三だ」は、反則すぎる!わらったけど!わらったけど反則!八嶋さんからの「お前その役だけは大事にしたほうがいいぞ!」含めて最高でした!!!(組!思い出深いですよね~…)

  • 高田聖子さん

高田聖子さんは河原さん作演出の「THE ALUCARD SHOW」以来に観たんですが、やっぱりすんごくかっこいい女優さんだなと実感!なんであんなに全身でギャグをやりにいくのに最終的にはかっこいいんだろう…。しびれてしまう。存在感っていうか説得力っていうか…!なんでもできすぎる。
そして聖子さんもビビるほどに歌声が素晴らしくて。。涙
聖子さんがソロで歌う「最後の将軍」は、話の展開も相まってあまりの良さにもはや泣いてました。いい歌ですよね…!

藤井さんに関してはとにかく「一方その頃、明智は!」にめちゃくちゃに笑わされた…!
あれなんであんなに面白いんだろう!?自分で自分を一方その頃!って言っちゃうシチュエーションと、あのセリフの言い方かな…!?毎回間違いなく爆笑が起きていたので、やっぱ笑わざるを得ないですよね!?ってなってました。芸人さんってすげえや…という気持ちに。
それでいて歌がまたよくって~!?といいつつ、墾田永年私財法の「心をこめて歌います!聞いてください!…墾田永年私財法。」の歌ふりもやっぱり有無を言わせない面白さだったし、結論感想が「面白い」に終始してしまった。…面白かったです!笑

ヒロイン役の松岡茉優ちゃん!生で観たのは初めてだったんだけど、やっぱり可愛い…!
ちょっとこじらせ系でもある複雑なメンタリティを持つカオリコの、言ってみれば「めんどくささ」みたいなところがすごくキュートに表現されてて。
完成されすぎてるだろ!?と思う山本耕史さんの歌声に対して、どこかふわっとしてる茉優ちゃんの声のクセのある甘さが、いい対比にもなっていたな~って思いました。
カオリコはベースに育ちの良さがあると思うんだけど、その真っ直ぐさとエキセントリックなところの振れ幅が、茉優ちゃんにすごく似合ってるなって感じた!可愛かった…!

そしてさゆにゃん!乃木坂46井上小百合ちゃん!さゆにゃ~~~ん!!!
さゆにゃんは學蘭歌劇「帝一の國」を愛する者からすると、もはやどこか「うちの子」みたいな感覚さえあって(図々しいぞコラ)、久しぶりに舞台で見られてもうそれだけで超嬉しかったです!!!
「ニンニン!」が可愛すぎて爆ぜる。さゆにゃん可愛いよさゆにゃん。黒いブーツにネオンピンクとネオングリーンのシューレースが可愛いよさゆにゃん。あのTakeda'で全く動じずにマラカス振り続けられるのも可愛いし一休ズの悩み相談でこきんにガチダメ出しされてるのも可愛いよさゆにゃん。
「腰元さん!?」の声の出し方とか、帝一で鍛え上げたコメディエンヌの素質炸裂だねさゆにゃん!は~、本当に相変わらずのかわいさだった、見られてうれしい!もう!大好き~!!!


え?流司くんの話はどうしたかって?…そりゃ~もう、次の記事でめっちゃ喋ります!笑
というわけで後編に続きますー!