こたえなんていらないさ

舞台オタクの観劇感想その他もろもろブログです。

刀ミュ 阿津賀志山異聞2018巴里 今更ながら振り返りの感想(一部パート)

「なんで今!?」すぎるんですが、今書かないともう一生書けない!と思って…(なぜなら、明日かららぶフェスが始まってしまうから)。
阿津賀志山異聞2018巴里の一部の話を…ちゃんとしたい!
初回~4回目までを見たあとに8月に書いた↓の感想と、結局重なることは沢山ありそうなのですが、
anagmaram.hatenablog.com
それでもいちど総括しておきたさがどうしても…。
そう思って昨日阿津賀志巴里の配信をひととおり見直したんですけど、も~好きなことがありすぎて全然考えがまとまらない。とりあえず見切り発車で書き始めて、

  • 作品全体について
  • 好きな刀剣男士について
  • とくに好きだった演出について

書いてたら、もうそれだけで1万字になってしまった。とくに面白くはないので、お読みくださるかたは、ほんとに暇つぶし程度に…!らぶフェス会場への移動時間にでも読んでください。笑




◆作品全体について

先日発売された「CUT」の刀ミュ特集を読んだんですけれど(※この特集は本当に本当~~~にやばいやつだったので刀ミュが好きな人はまだ買ってないなら今すぐ本屋に行ってほしい、刀ミュが取りあげられた記事の中でも最高峰に素晴らしかった)、その中で御笠ノさんが「今回阿津賀志山の脚本を書き直す中で、実は一度は全く違う話になってしまったが、松田さんから『どうせなら決定版になるものにしたいよね』と言われたことで今回の内容に落ち着いた」という趣旨のことを答えてらして。
今回の阿津賀志山異聞2018巴里は、本当にその「決定版」という一言がしっくり来る作品になっていたなぁと思います。
初めて「ミュージカル刀剣乱舞」という作品に出会う人にとって、その世界の中に無理なくいざなってくれる作品。刀剣男士とはどんな存在なのか、彼らは何と戦っているのか、世界観がわかりやすく伝わってくる、しかし一方でちゃんと見応えもある…という、とてもバランスの取れた作品に仕上がっているんじゃないかな、という印象を持ちました。
とくに見ごたえの面では、2016年の阿津賀志山異聞と比べると、本当にいろんな面での進化が見て取れるんですよね。
例えば、セットや衣装の大幅なブラッシュアップ。純粋に、作品を取り巻く環境が変わり、資金的におそらく余裕が出たのだろう背景もありそう。
衣装が重要な役割を果たす真剣必殺のパートについては、CUTのインタビューでもそれこそ「今だからできること」という表現が茅野さんによってされていました。あのシーン、まずは衣装さんの途方もない技術が必要なことは見ていてわかりますし、さらにそうして施された仕掛けを、演者たちがお互い呼吸を合わせた状態でリリースしないと成立しないものですよね(わからないけど、多分マジックテープとかスナップとかを自分で外してるんだと思われる)。
トライアルの時点ではゲームのサービス開始からまだ1年も経っておらず、そりゃ作り手側も手探りだったのは無理からぬことだなと思います。舞台の世界といよりは、ゲームの方に寄せなければと茅野さんが考えていたというのもすごくわかる気がする。
でも今は作品シリーズとして積み重ねて来たものがあって、さらにそこにキャスト陣の成長も相まって、もっと演劇的な手法で描けることが増えた。同じ題材を扱っているとは思えないほどに、作品に奥行きの深さが生まれていることに、見ていて本当に感動しました。

そして今回「決定版」が生まれたことで、今後刀ミュというコンテンツが長く続いていったその先に、全員違うキャストでの再演がされるようなことも、いつかきっとあるんだろうな…とも思いました。
勿論、それはまだまだ先の話であってほしいけれど。だけど間違いなく数年先に、その日は訪れるんじゃないかなって思うんだよね。なんていうのかな…作品シリーズがこの先も長く続いていく上でのひとつの礎が、今年の夏に確かに生まれたんだな、っていうふうに感じる。
阿津賀志山異聞2018巴里は、「これがミュージカル刀剣乱舞です」って、外の世界に向けて自己紹介ができるような、そんな役割も担える特別な作品になったんじゃないかな、って思っています。

◆好きな刀剣男士について言いたいことを好きなだけ言うよ!のコーナー

えーとここでおさらいですが、あなぐまが好きなのは言うまでもなく加州清光です。そしてつはもの以来、そこに三日月宗近が加わりました。しかしさらにここで新事実をバラすと、阿津賀志巴里、わたし客席では完璧に青い女で過ごしました!…えっそうなの!?ええ、そうなんです!(聞かれてないけど自分で答えていくスタイル)
なのでせっかく目があった清光にもふっと視線をそらされ、直後に私のすぐ前の列にいた清光担にファンサをしている姿を目撃する出来事、などがありました。あれは例の「天下は譲れぬ漢道」での出来事でした。…だーよーねー!なった。そりゃ、真っ青な女にわざわざファンサしね~わ~!!!!笑
…というわけで(どういうわけだよ)、この二振りについて書きたいことを好きなだけ書くよ!

阿津賀志山異聞2018巴里の清光を見ていて感じたこと、それは、とにかく「わ、若い!」ってことでした。
若さに関しては、刀の時代においてはだいぶ後半に打たれたという意味での「若さ」と、刀剣男士として顕現してからの経験がまだ浅いという意味での「若さ」が、どっちもあるなと思っていて。
その中でも、とても象徴的だなと思ったシーンがあります。
それは、第一部隊の六振りが、時間遡行軍によって歴史の流れが変えられ始めた阿津賀志山に出陣した直後の場面。今剣が無邪気に「れきしをかえては、なぜいけないの?」と問いかけるシーンです。
その今剣の問いかけに対し、岩融は「悲しいことがあっても、その次に我らがいるからだ」とはっきりと答えるんですけれど、その時隣にいる清光は、そんな二人になんと声をかけたらいいのかが、わからないでいる様子なんですよね。
今剣と岩融の二人に近寄って行こうとするけど、言葉を発することはなくて。話しかけようと手を伸ばすんだけれど、迷ったようにそれも途中でやめてしまう。
そんな清光の様子を見ていると、「歴史を守る」という使命についてや、その守らなければならないとされる「歴史」とは一体なんなのか、ということについて、清光自身がまだ明確には掴みきれていないんだろうな、という風に思えました。
主に命じられたから、自分は刀剣男士だから、歴史を守るのが使命だと思ってはいる。だけど、では何故歴史を守らなければならないのか?ということは、まだ彼自身がちゃんと立ち止まって考えたことがないんじゃないかな、と。
そんな清光とは対照的に、三条の刀たちはとくに心を乱すこともない様子で、今剣と岩融のやりとりを静かに見守っているんですよね。
この対比に、清光の刀としての若さが表れているな…!って見ていて感じました。
長い長い歴史の流れの中に身をおいてきた三条の刀たちは、やはり清光とは世界の捉え方が違うんだろうな…と!
そんな清光は最後、出陣を終えて戻った本丸で、元の主という存在について、「でもいつかは、俺も向き合わなきゃいけないときがくるんだろうなって」と静かな声で言うのですが…清光は、この阿津賀志山の出陣を経て、自分にとっての元の主がどんな存在であるのかを、意識的にとらえなおすきっかけを得たんだろうな、と思いました。
そこからきっと「歴史を守る」という使命についての理解も、清光の中で深まっていくんだろうな、って。これ、今回の阿津賀志巴里で足されたセリフだったから…最初見たとき、清光が自らかつての主という存在について口にしたことに、めちゃくちゃ動揺した。だけどそんなふうな覚悟をし始めていた清光だから、きっと幕末天狼傳のくるしい出陣を、乗り越えることができるんだろうな、って…頭の中で世界観がつながり、また泣けてしまうのでした。

同じように若さを感じたのは、清光たちが阿津賀志山で最初の時間遡行軍との戦闘を終えた後に、死んだはずの義経たちが甦った姿に出会ってしまうシーンです。
六人の前には「貴様ら、何者だ」と弁慶が立ち塞がりますが、義経の姿を見たことで我を忘れてしまっている今剣は、弁慶のそばを無防備に走り抜けようとし、そのまま斬りつけられて負傷してしまいます。
弁慶の思わぬ強さにたじろぎつつ、負傷者も出てしまい、さてここはどう出るべきか、と冷静に探っている風の三日月や小狐丸なのですが、その一方で清光はというと、もうぎゃんぎゃんに戦闘モードになりきってしまっていて。周りが全く見えていない。
怪我をした今剣を支えながら「加州清光さん、ここは一時撤退を!」と叫んだ石切丸に対して、清光はそちらを見ることもなく「まだだ!」と怒鳴り返して、再び弁慶に向かって突っ込んで行きます。
そうして弁慶に斬りかかっていく直前の清光は、片足のつま先を地面につけた状態で、準備運動をするような感じで足首をぐるんぐるん回してるんだけど、その一連の動きがほんと…「やってやろーじゃん」って感じで、もしかしたらその瞬間、笑ってすらいそうで(客席には背中を向けているので顔はわからないんだけど)。もう、目の前の相手を斬ることしか考えていない、壬生の狼すぎるその様子、そりゃ「俺達は、殺して、壊して、それでなんぼの刀剣だろ!」って叫ぶよな、って思う…。そしてこれじゃあ、石切丸さんに塩対応をくらう羽目にもなるよな、と思う。笑
刀として存在した時間の短さは、顕現した時点での刀剣男士の初期値としての経験の浅さにも、多少つながっているのかなと思うんですよね。さらにその短い存在期間の最後を、清光は新選組という特殊な環境で過ごし、さらに戦いの場において折れてしまったという過去を持つ。
そんな清光が、戦うこととなると我を忘れてひたすらに牙を剥いてしまうのも、目の前の相手を倒すことしか考えられなくなるのも、すごくわかることのような気がします。

だけどその後清光は、部隊の仲間たちとの会話を経て、感情を持ったことにより生まれてしまう内面の揺らぎと向き合うことを、だんだんと掴み取っていきます。刀剣男士として明らかに成長していくその一連の様子が、清光ってやっぱりとても素直な刀でもあるんだよなぁ、と感じられて大好きでした。
一人で阿津賀志山に向かってしまった今剣を追い、義経の陣にどう攻撃をしかけるのか「作戦なんだけど、」と清光が話し始めるシーン。奇襲攻撃という清光の案はあえなく却下され、じゃあどうすれば…となった中で、「抜け道があるかもしれない」とその場を離れる岩融、つきあおう、とその後を追いかけていく三日月。
そんな二人のやり取りを見て「抜け道なんてないこと、三日月なら知ってると思うんだけどー!」と叫ぶ清光でしたが、岩融は今剣が気がかりでじっとしていられないのであり、三日月はそんな岩融を気遣ってあげているのだろう…と小狐丸に教えられ、はっと気づかされた表情になります。
そのあとの「っあ~~~~、駄目だな俺って、隊長失格…」と呟く姿には、自分の足りていない部分を隠そうとしない、清光の真っ直ぐな内面が見て取れるように感じました。
そのように、触れる出来事ひとつひとつからいろんなことを学んでいき、自らのうちに取り込んでいく吸収の早さにもまた、ひとつ「若さ」が表れているんじゃないかな、って。
若いからこそ、足りない部分、わからない部分もあるけど、ちゃんとそこに向き合って補っていく柔軟性もあって。三条といういにしえの刀たちを率いる立場として、清光が隊長を任せられた理由が、すごくよくわかるような気がします。
いやも~、この編成で初演やろうと思ったのが本当に天才だよね…御笠ノさんへのオーダーは「義経と弁慶で話を書ける?」だったそうだけど…清光を隊長に、っていうのはどこの誰から出てきたアイディアなのかな~!?作品への引きを強くするために、人気のあるキャラクターを据えようというのは絶対にあると思うから、編成は指定があったのかもしれない…けど、だとしても、清光についてこういう描き方をしてくれる刀ミュの脚本が、私はものすごく大好きなんですよね。。
そして、演じる流司くんによるこの「若さ」の表現が、2016年はもっと「可愛い」に寄っていたというか。愛されたい刀、大事にされたいと願うところが特に強く抽出された清光だったかなと思うんですが、阿津賀志巴里の清光は、その表現がひとつ深掘りされているような印象でした。表面的なわかりやすさには頼らないっていうか、より繊細な表情が増えたというか…!2年前とはまた違う魅力を見せてくれていたなって感じました!
流司くんのことだから、全く同じアプローチをすることはまずないだろうなと思ってたけど、予想以上に細かな部分が変わっていて、だけど世界一可愛いところは変わってなくて…ほんと、天才なんだと思う(という身も蓋もないまとめになってしまった)。

三日月に関しては、も~~ね~~~~…とにかく「つはものを経た」あとの描かれ方であることが、本当にしびれるポイントでしたね…。
もちろん時間軸としては、阿津賀志山異聞がつはものよりは前におかれる物語であることは変わってないんだけど。だけど刀ミュという作品が、三日月宗近というキャラクターが、「つはものどもがゆめのあと」という作品を経験してしまっている以上、当然変わらざるを得ない部分があると思うわけです。その点がどうなるのか、阿津賀志巴里を見る前は本当に気になって仕方なかったのですが…結果としては、今回御笠ノさんが書き直してきたその方向性があまりにもツボすぎて、客席で泡を吹いて倒れそうでした。
もう8月に書いたのと同じ内容が大半になってしまいそうだけど、それでもまた書くけど(書くんかよ)、話の始め方からしてもう反則ですよね。
だって「華のうてな」だよ!!??びびるわ!!!また生で聞くことになるとは、しかもらぶフェスとかじゃなく、本公演の中で…ってなって、初回見たときに鳥肌が止まらなかったんだよ…。
「半座わかつ 華のうてな」のところの高音が、まじでまじで大好きだったので…。つはものを見ていて最も泣いたシーンかなという気がするので…はぁ、本当にびっくりした。。

今回、つはものを彷彿とさせる三日月の細かな視線や仕草に、とにかくやられまくっていたのですが、一番「や、やばい」と思ったのは、第一部隊の六振りが、義経たちに出会ってしまうところですね。
最初に男士たちの目の前に現れたのは頼朝。戦いに勝利した側であるはずの頼朝が、なぜか追われる立場になっていることを不思議に感じる男士たちでしたが、そこにまた別の何者かが近づいてきている気配を察知します。
あの「来るよ」「この気配上物、狩るに当たって不足なし!」のところ。石切丸は手刀をきっと顔の前にかざし、岩融は力強く薙刀を握り、それぞれが敵らしきものを迎え討とうと構えているその一方で、三日月はというと。
この気配上物、と岩融が言っているあたりで、一度抜刀しようとするんです。でも右手を柄にかけようとしたその瞬間に、何か違和感を覚えた様子で動きを止めて、刀を抜くことをやめ、どこかはっとしたような表情で振り返る。
振り返ったその視線の先には、義経・弁慶・泰衡の三人が現れているのですが…死んだはずの義経たちが生きていることに驚き、立ち尽くしている他の五振りとは異なり、その三人の姿を見た三日月は、ひとりだけ対照的な表情をするんです。…そう、笑ってるの。。
他の五振りは客席に背を向けて、ステージ上部にいる義経たちを見つめているんだけど、三日月だけは反対に客席のほうに向き直り、ひとり笑顔を浮かべるんです。
その笑顔は状況を訝しんでいるようでも、何かに納得して諦観しているようでもあり…公演によってもまた、微妙にその色が異なっていました。
そして最終的には、三日月はふっと表情を引き締め直し、腹当てに手をかけて気持ちを切り替えるような仕草をしたあと、何事もなかった風に、皆と同じように弁慶に向かって刀を構えるのだけど…!
この一連の流れ、絶対映像には残らないだろうなと思っていたので、毎公演目を皿のようにして見続けていました…案の定、映像では確認ができないシーンになっています!!!どのタイミングかというと、義経を追おうとする今剣が、岩融に「ならん!」と抑え込まれているあたり、上手端での出来事でした。
三日月、あのときなんで笑ってたのかなぁ…。心の中で別れを告げたはずの友が、あらぬ姿で甦ったことへの驚きや、もしかしたら悲しみが、そこには表れていたのかな…。
他の男士には見えないところで顔つきを変え、でも誰にも気づかれないうちにいつもの表情を取り戻していくその様子が、つはもので孤独にすぎる行動を貫いていた姿に重なってしまい、かなり「うう~~~;;」ってなるやつで…本当に好きなシーンでした。

あとは、クライマックス近辺、人間としての自我を失った義経と、弁慶が対峙するところ。
今剣は「弁慶どの!」と繰り返し叫び、無情に斬りつけられ続ける弁慶にすがりますが、弁慶に「来るな!」と突き飛ばされてしまいます。そうして自分の方へ転がりこんできた今剣を、体全体を使ってぐっと抱え込んで抑えつけている三日月が、めっっっっっっっちゃ、好きでした。ほんと、すげ~~~~~~~好きだった…(かみしめてる)
今剣との体格差がさぁ…力強い太刀らしさがまずそこにあるのは勿論のこと、仲間が傷つかないように、必死で守ろうとしている姿がもー、、たまらない。そこに、普段は泰然自若としている三日月とのギャップがものすごくあって。
その時の三日月の顔、本心を隠していない表情をしているのも好きでした。目の前に起こる予想外の出来事を必死で追っているようであったり、深く慕っていたはずの主を倒そうとしている弁慶の本気に胸打たれているようであったり、でもそんな弁慶の悲痛な覚悟すらあざ笑うかのような、義経を乗っ取った存在の無情さに言葉を失っているようであったり…。目を見開いて、時に苦しそうに眉をしかめたりするその様子、あまり感情を明確には表に出さないことが多い三日月なので、すごく貴重だなと思いながら見ていました。
これも当然、映像では確認できないやつでした…そりゃそうだ、あの場面のメインはあくまでも義経と弁慶だから、そこは敢えて映さないよね…!見たくてももう円盤が出てからの全景でしか見られないんだけど!しかし!表情まではさすがに…なのでやっぱり悔いなく見たいところに集中してガン見しておいてよかったです。それもまた、視点を自由に変えられる舞台ならでは…。
でも「今剣をおさえこんでいるときの三日月がしぬほどかっこいい」って言ったら、周りの友人数名には同意を得られたので、そうだよね!やっぱそうだよね!!!よかった!!!ってなっていた。きっとあの時の三日月がしぬほどかっこいい派閥の人はけっこうな人数がいるはずだと思っています。笑

あとはとにかく、歌も殺陣も全部、さらに進化していたので度肝を抜かれました。ほんとうに。
歌、どうした…ってくらいまた急角度で伸びたよねぇ…。
「返歌 名残月」がほんとうにびびる。はなのあはーれーよーーーからの声量の上がり方にびびる。
まりおくん、低い音程でもビブラートをかけられるようになったのかなって勝手に感じてるんですが。前は、高音はすごくよく伸びるけど、低音になるとどうしてもボリュームが落ちちゃうところがあったのが、今は低いパートに差し掛かってもビブラートで聞かせられるようになっている!?って印象を受けます。とにかく、歌が、うまい…。その一言に尽きる。歌がうまい!!!笑
殺陣に関しては本当にもう、「華やか」の一言でした。身のこなしの鮮やかさというか、なんだろうなぁ、動きのシルエットのひとつひとつがもう全て絵になってしまう。
刀ミュの三日月の殺陣、美しさと強さが同居しているなってすごく思う。ただ美しいだけではなく、強さを兼ね備えた「刀」としての本領も存分に発揮しているというか。足取りには確かな重たさがあるのに、同時に華やかでもあるっていう部分、シブヤノオトで殺陣師さんが言っていた「色気」がまさに溢れているなぁと感じます。
義経の陣を正面突破していこうとするところ、通路から登場した三日月の殺陣から戦闘シーンが始まりますが、あそこで初めて刀を手放して素手で戦ってたのも印象的でした。
「ひえーーー!!??刀手放した!!?パンチした!!?!?」ってなった。めっちゃ動揺した。そして友達がその後「天下五剣パンチ」って事あるごとに言ってくるから本当にやめてってなってた。そんなん言われたらどうしたって笑うやろ。でもたしかにあれは、天下五剣パンチ…うわ、好き……。
あの、斜め上に向かってひらりと拳をお見舞いする姿、なんだか舞を舞っているようでもあって。っは~~~、華やか!!!!ちょっと遊び心もあるような殺陣なんだけど、やっぱりとにかく美しいんですよね!!!!!すごく、刀ミュの三日月宗近っぽい!!!!って思う。
歌も殺陣も、つはもののときにある程度完成されたんだろうと思っていたんだけど、まだまだ伸びしろがあったことに本当に驚かされてしまった夏でした。
三日月って、きっと誰よりも説得力を持って演じることが求められる役だと思うんですが、そのプレッシャーも楽しんでそうなふしがあるし、自分にしかできないっていう自負心もあるように思えて、とにかく頼もしいなって思います。真ん中に立つ役の人が堂々と、いきいきと演じてくれているのはやっぱりすごく嬉しいですよね…作品と本人との間にいい成長の循環ができているんだろうなって感じる。

◆とくに好きだった演出

たくさんありすぎて列挙してたら大変なことになるので、ひとつだけあげるとしたら…最後の「キミの詩」が秀逸だったなぁと思っています。
照明のレベルがかなり明るいところまで引き上げられて、まっしろい光に照らされたステージに、イントロが始まるか始まらないかくらいのタイミングで、花びらの最初のひとひらが、ふわりと降ってくる。
その瞬間が、本当に美しくて、毎度息を飲んで見つめていた。
あの花びらのつくり、かなり計算されつくしているのだろうなと。だって大きさや形によって、降り始めから床にたどり着くまでの時間や軌跡が変わるだろうから…!
本当に、ものすごく綺麗な花吹雪だった…。花吹雪の演出って珍しくないけど、間違いなく今までみた舞台の中で一番綺麗な花吹雪だった。青年館の舞台、天井が高いのもまたいいですよね!滞空時間が長くって!
最初はひらりひらり、と控えめに降ってくる花びらが、最後の大サビに差し掛かると、もう土砂降りって感じでぶわ~っと舞い落ちてくるんだけど、その光景がまた贅沢で…!惜しみなくじゃんじゃん降ってきてた…。
薄紅色に染められる視界の中に立つみんなの充実した表情と、あの切ない歌詞と、散り落ちる無数の花びらが織りなす陰影の組み合わせが、言葉につくせないほど素晴らしかったです。
男士たちの頭や肩に花びらが降り積もることもよくあったんだけど、そうして頭にくっついていた花びらが、最後のお辞儀でふわりとその体から離れ、ふたたびそっと散っていく光景が…エモい。余白、みたいなものを感じた。足元に降り積もった花びらが、退場していくみんなの足取りにつられて少しだけ舞い上がるのも、同じ様な意味合いでとてもとても、よかった…。
あんな綺麗な幕引きある!?って思う、完璧だなと思ってしまう、大好きなエンディングでした。
そしてあれほど美しい光景の中で「いつもキミを捜してるよ」っていう言葉を残して去っていくなんて、どんだけ罪なの。。と思う。…みんなのことをいつもさがしてしまうのは、間違いなくこっちのセリフなんだよ~~!!!つれ~~~~な!!!!!!涙



当初とは異なる形での上演となった阿津賀志山異聞2018巴里だけど、そのこともあって振り返ることができずにいたんだけど、その辺りの色々は、この間のシブヤノオトの特別番組が全部すくいとってくれました。あれを見たことで、気持ちの中でこの夏にちゃんと区切りがつけられたような気がします。おかげでやっとブログ書けた。
そして昨日配信見始めたらもう、岩崎さんの小狐丸で涙腺が決壊した…。この夏、舞台の上に小狐丸を存在させてくださったこと、本当に本当に、ありがとうございました。改めて、感謝しかありません。
そして涼くんの小狐丸にまた会えることが、もう、どうしたらいいかわからないくらい嬉しい…!これはもう祭りだ!!!お祝いだ!!!!!!

…ということでいよいよ明日、真冬のお祭りであるところの、真剣乱舞祭2018の幕が開きます。怯えながらも行ってくるぞ、サンドーム福井ーーーーー!!!らぶフェスで初日参戦初めてだからちょ~たのしみ!!!
また25日にらぶフェスの感想を書きに来ます!長文おつきあいありがとうございました!!!