こたえなんていらないさ

舞台オタクの観劇感想その他もろもろブログです。

「死んでもいい」と思える時間を。The Brow Beat Live Tour 2023 "The Five Senses" 2023/6/4(日)LINE CUBE SHIBUYA

ブロビライブ、3年ぶりに参加してきたよ。
thebrowbeat.jp

もうほんと、訳わかんないくらいに楽しかった!!!
オーラス1公演だけ入っていてセトリも何も!という感じなので、今回ライブに参加した自分の純然たる感想を書きます。ライブ感想って未だに書き慣れないから読みづらいものになると思うすいません!




3年ぶりでもあっという間に「ただいま!」の気持ちを味わえた

気合を入れた全身真っ黒のコーデ*1にマスクもグレーで用意して超張り切って出向いたら、開演前に(連番ではなく)待ち合わせた友人から「いつもと違ってわからなかったww」ていわれました。へへっ。笑
演目としてのレギュレーションは明快で、不織布マスク必須、そのかわり声出しは全力でどうぞ!という内容。わかりやすくて良いですね!
過去のツアーグッズを身に着けているお客さんも沢山いて、5周年という時間の流れをあらためて噛み締めます。


始まりは5分以上長めにちょい押しての開演でした。
SEに合わせて沸き起こる手拍子、青、赤、緑…様々に明滅する照明の鮮やかさにどうしようもない興奮が体の内に込み上げてくる。
何やるのかな!?って期待値マックスにぶつけられた1曲目は、「日本」でした。
もうほんと、これだけでありがとーーー!!?になっちゃう!なんせもう、すべての始まり!これぞ原点!!!(學蘭歌劇のオタクだからね!)
すすめいちおくひのたまっだっ!って全力で叫べることの幸せよ!?
ボルテージいきなり最高潮でなだれ込んだ2曲目は「ジセイノク」だったはず、
どうやって乗るんだっけ?みたいなちょっとした不安も一瞬で吹き飛ぶ、”Ryuji”としての生き様ぶつけてやるぜ!な立ち姿に、もう夢中になって手を突き上げました。
3曲目は「メビウス」だったと思う、あやふやなんだけど!
自分が3年ぶりの参加であることへの不安ももうこのあたりで完全に氷解して、空間に身を浸す喜びに集中してました。
その後わりとすぐ、まだ序盤だったと思うのだけど、「灯籠流し」は命を削るような振り絞るような歌い方で、
歌詞の中にある「目の前の灯籠が消える前に 気づいてほしかった」の歌詞がもう刺さって刺さって……。
ここにいる、生きているその事実を激しく刻み込むように、ほぼ崩折れるような姿勢で歌い終えたりゅうじくん。見てて心配になるほどの熱唱でした。


そしてHAKUEIさんが合流してからのツインボーカルの豪華絢爛!!!な華やかさ。
記憶違いだったらごめんなさいなんですが、二人で最初に歌ったのが「CLOWN」でしたか…?
日比谷野音の初年度に合わせてリリースされたシングル、やるとは思ってなかったので聞けてすごくびっくりしたけどめっっちゃ嬉しかった!ブロビの中でも特にこの曲大好きなんです。。
ビッグバンド風の構成で、どーーしても裏拍でノリたくなってしまうし最早踊ってしまう曲。
ロックのノリ方って基本的に縦のY軸だけ使いますよね…?そうとわかってはいるものの、つい”Z軸”を足してひねりをいれて踊りたくなってしまい、なんか違うよな…!?って申し訳なくなるんだけど、楽しいから許して。笑

「Hide and Seek」はサビ前に「もしかしてこれ、跳んでOKだったりする…?」って思った通りに客席がびょんびょん全力で飛び跳ねてて最高に楽しかったし、
「Snow White」はイントロの時点でのりゅうじくんの「Hi-ho!!!!!」てもうテンションぶち上がりでした。
ライブで初めて体験する「BLACK SHEEP」も、めちゃくちゃ楽しかったな……。


アンコール前のラストに「ネモフィラ」聞けたのもすっごく嬉しかった!
私以前からブロビのメロディアスな曲にめっぽう弱いんですが、周回遅れで去年のアルバム404を聞いてたら「なんぞこれ!?めっちゃ好き!!?」ってなった曲だったので。これも聞けるとは思わなかった!
切なげ明るめチューンでなおかつ歌詞見てると実は別れの曲だったりもするしさぁ、ねぇ本当にさぁー!?ってなっちゃう。
サビラストの”扉開いて”を歌わないで客席を見つめてたりゅうじくん、思わずみんながふわっと歌った声はその耳に届いていたかな。


アンコールは2回ありました。
タイミングあやふやなんだけど1回目のアンコール直後かな?今回の新譜収録の「紡ぐ」は圧巻の歌唱でした。
かどしゅんさんの華麗なスティックさばきが、暗闇の中に佇むりゅうじくんのシルエットの背後に映えて思わず息を呑んだし、
バンドメンバーがひとりずつステージに戻ってくる演出もあいまって本当にドラマティックだった。
1回目アンコールラストが「アイリス」であってる……?
昨日歌ったって聞いてたから諦めてたんだけどやっぱり1stデビューアルバムの1曲目、初めて聞いたブロビの大好きな曲なのでこれも嬉しかった。。
たしか2回目のアンコール初っ端が「ラブレター」だった気がしてきた!
アンコールのどこかで「Black&Black」歌ってくれたのにはほんとテンション上がりすぎてどうかなりそうだった……!
(※曲順はもう「多分!」を連呼せざるを得ない感じなので、全然違う可能性が大です!ごめんな!)

貴方の語るメメント・モリが好きですと、今回も思った

冒頭わりとすぐのタイミング、たぶん3曲目のあとではないか?に挟まれたMCで、のっけからりゅうじくんらしさを痛いほど感じて、もう心臓貫かれました。
「今日死んでもいいなって。……そう思える時間を過ごしたい。」って、いきなりそう言い始めて。
歳を取って自分も丸くなって、前より傷つくことも増えて、腹の立つことも増えて。でも今日ここで死んでもいいなって思えるくらいの最高の時間にしたいなって思うので、というような内容を訥々と語るりゅうじくん。
初っ端からこれをぶつけられるのか!?と、この時点でうっすら涙が出てしまった。

やっぱりどうしようもなく、刹那を愛する人なんだなぁ、と思ったんですよね。
「今、この瞬間」を全力で愛おしみ、命丸ごとで眼の前の時間にぶつかっていく。
その在り方にどうしたってこちらは心を揺さぶられるし、浮かんでくるのはやっぱり「信頼」の二文字なのでした。
表現者としての貴方のことを、この先もたぶん一生信頼しているな、と思った。


とても個人的な話ですが、時間が経つことによりいろんなことが当たり前に”変化していく”事実を、どうしても辛く感じてしまう場面が、去年から続いていました。
もちろんそうはいっても仕方ないことだし、もう受け入れるしかないのだ……と後ろ髪を引かれるような気持ちで、実のところうまく前に進めなかったりもしていたんだけど、
自分の中に生まれた変化を受け止めて、その上で「今」を真正面から生きているりゅうじくんを見ていたら、勝手に背筋が伸びるような気持ちになりました。
そうだよね、大事なのは今にしっかり根ざすこと。そこから目を背けないこと。時間が経つのも、悪いことじゃないんだ。
後半のMCでは「長く人生を過ごしていきましょう」的な、生きていきましょうってメッセージも言ってくれてた。
彼の持つ死生観に、なんていうか表現者を超えて人間としての信頼を置いているのかもしれないです。
限りがあるからこそのかけがえのなさ。生の一回生。そこから目を逸らさない人。


力の限りにこちらが差し伸べた手のその先で、全身で煌めきを見せつける姿、最高にかっこよかった。
自分を”ファン”と称して良いものか迷うくらいの、少し離れた位置から数年間ずっと見続けているからどこか冷静な部分もあるんだと思うんだけど、
本当に生き様そのものがかっこよくて、やっぱり大好きな人だなぁ、とシンプルに思いました。

5年目を迎えて、バンドのフロントマンとしての貫禄の重たさには感服しきり。。
どんだけ忙しいんだっていうスケジュールの中で、音楽活動にも嘘がなく本気だからこそのこのクオリティ、やっぱり流石です。
プロ中のプロが集ったメンバーの豪華さも、もとからの楽曲の完成度の高さも、今改めて沁みてくる……。
久々に見たため余計にそう感じたのかもですが、バンドとしてのアクト全体の厚み・充実感も、やっぱり段違いに高まっている気がしました。持ち歌めちゃくちゃ増えたわけだし!
あとレーザーをふんだんに使った演出もものすっごいかっこよかったんですよ!
この曲!ってタイトルで言えないのが悔しいんだけど中盤に色とりどりのレーザーに刺し貫かれる時間帯があって。その空間を生で、自分の全身で体感できることの喜びを味わいました。


銀テのキラキラが贅沢に頭上に降り注ぐ「Browbeat」、その向こうまっしろな照明の中で客席の隅々に目を凝らす真摯な瞳。
つい先日自分のブログを読み返していて、2019年に日比谷野音で見た景色を思いだしたばかりだったから、余計に眩しさに目が見開かされ、胸が詰まりました。
anagmaram.hatenablog.com
アンコールで聞けるよねって楽しみにしてた「な訳ねぇだろ」は、ちょっとあまりにも、想像以上に楽しすぎて……!?
\全部クソーー!!!/って声を限りに笑顔で跳びはねて歌い叫んでいたら、淀んだものが全部どっかに吹き飛んだ気がしたよ!
この曲でのりゅうじくんの笑顔、ほんとにキラッキラで心底楽しそうで。
マスクで飛び跳ねて歌うとさすがに酸欠!?って感じでクラクラしたけど、その笑顔見てたらこちらも全力笑顔になってしまった。


そんな彼は、最後に爆弾を落して去っていきました。
ピックやらスティックやらを豪快に客席に投げ込むバンドメンバーを笑顔で見送り、一人ステージ上に残ったりゅうじくん。
どんなご挨拶で締めるのかな?って思っていたら、
「本当は言いたくないんだけど、いつも皆さんには感謝してるんですよ!」って言い放ち、優雅なお辞儀を残して袖に消えていきました。
いやちょっと、そんなんずるいわー!?ってまじで動揺しました。
どう考えても、たしかに御本人の言う通り有り様が丸くなったのは確かで。
その変化こそが示す時の流れを、最終的にとても愛おしく思いました。


入場のときに配られる小さなリーフレットは受け取ったまま見てなくて、
終演後に写真を撮りながら開いたんですが「ラブレター……!?」ってなって込み上げた巨大感情にまじでしにそうになった。
そこにあるのは間違いなく愛、なんだなぁと。



コロナ禍寸前の逃げ切りだった2020年2月のLINE CUBE SHIBUYA以来のライブ参加だったけど、本当に行ってよかったです。
数年足が遠のいていたけど、迎え入れてくれてありがとうございました!とどこへともなくお礼を言いたくなる。
絶対に行くべきだなって痛感したので、また絶対に遊びに行きます!
だって本当に、楽しかった!!!
「死んでもいい」と思える時間は、生きててよかったと噛み締めている、その証だから。
生き様まるごと届けてくれて、本当にありがとう。

*1:いつ行っても本当に客席のドレスコードが黒メインで見事なんですよね!!!笑 今回のツアーTは黒地にカラフルなプリントだったのと過去グッズ持ち込んでる人ほんと多くて「黒+いろんな色」で客席にぎやかだった!