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2024年一番頭空っぽで楽しめた演目。8月に観た「マッシュル -MASHLE- THE STAGE 2.5」の感想


今回のお題は「2024年一番頭空っぽで楽しめた演目」です。

これはねーもう即答できる!
マッシュル -MASHLE- THE STAGE 2.5 です!
mashle-stage.com

漫画「マッシュル -MASHLE-」を原作としたマシュステ・シリーズの2作目。
2023年夏の1作目は、本当に大好きで通い倒した演目でした。
今年はランスくんのキャスト変更はあったけどやっぱり作品として好きなので絶対観に行きたいな~!と発表時から思い、実際に東京で2回観劇しています。

マシュステってエンタメとしてすっごく「楽しい」に振り切られてるんですよね。
観てるとワクワクしてしまうしギャグでは全力で笑わせにくるし、同時に演劇としての見応えにものすごく貪欲でもあり。2.5なら私はこういう作品が観たいなって思わせてくれる大好きな作劇!

頭空っぽにできた理由、役者としての推しが出ているわけじゃないので気楽に観られるというのはもちろんあるんですが、要素をいくつかあげてみます。

目次

冒頭の映像演出がのっけからドルビーシネマ&IMAXパロディ

そもそも本編開始前?といったらいいのかな、オープニング的な映像演出で全力のパロディを始めやがったため、その時点で私はもうツボってしまい駄目でした。
あ~今年もこれはとんでもなく面白いやつが始まったな……と確信しましたがその通りだったなー。

何のパロディかというとドルビーシネマとIMAXです。
劇場で観たとき「これIMAX?」って最初に思ったけど、語り口調というか手法はドルビーシネマのほうだった。
でも映像の青さ的には明確にIMAXが意識されていたような?……つまりどっちもか!?w

ドルビーシネマはこれで、

IMAXはこれね。

”マンドラゴラの絶叫”や”シュークリームが潰れる微かな音”じゃあないのよ、「ほら、ここからも」じゃあないのよ!丁寧に左右のスピーカー毎に音を出す演出を、すな!やかましいわ!!w
「ここでしか味わえない究極の演劇体験をお届けします!」的惹句があったと記憶してますが、それは間違いじゃなかったなぁと思います。

ド正面からのテニミュのパロディ

こちらは公演当時もSNSで散々話題にはなっていましたが、
あの森の中での主人公マッシュ・バーンデット(赤澤遼太郎くん)と、マーガレット・マカロン(spiさん)とのバトルシーン。
あれはほんと、なにがどうしてそうなった?ってなるんですけど、突然始まったテニミュのパロディに不意打ちを食らい、初見のとき客席でわらいじぬかと思いました。

私が1回目に観たのが全体でも2公演目の土曜マチネ。初見の人がかなり多かった回なんですが、本当に狂ったように笑いの発作に襲われるお客が散見された。
そりゃそうだよね、テニス通ってきた人、多いよね。笑

いくらなんでも!歌詞が同じ三ツ矢雄二先生だからって!同じネルケ演目だからって!やりたい放題がすぎるだろう!!!笑
当たり前に二人して光のボールを打ち合うな!!!
「あーあーあー♪油断せーずにー行くわー♪」のマーガレットの歌詞もあかんになったけど、
レイン・エイムズのヒデ様に「…勝ったモン勝ちだ」を言わせるのはもっとあかんと思うw
初見時は笑撃すぎて笑い疲れて覚えてない…みたいになっちゃってましたけど、本当に面白かった。。
これ映像で見てももちろん面白いんですが、あの客席の「嘘でしょwwwww」っていう動揺混じりの爆笑の空気感含めて、ほんとうに体験として面白くて……
これもやたらにパロディをやっときゃ面白いだろう!という意味合いの演出ではなくて、
マッシュルがそもそも某・魔法学校のパロディものであるという文脈を踏まえたものかなと思いました。私はものすごく楽しかったです。

全体的に中堅~ベテランクラスのキャストが多いゆえの安定感

2作目、明確に飛び抜けて若手だったのは新ランスくんの中山清太郎くんくらいだったような……?
その他はわりと中堅~ベテランに該当しそうなキャスト陣だったので、安定感がとてつもなかったです。板の上の充実度がすごく高い。
なんたってベテランに至っては岡幸二郎さんがいらっしゃいますからね。笑

テンポの早い展開、それこそギャグとシリアス行ったり来たり……みたいな振り幅の大きな表現も、浮いてしまうことなくしっかりと表現されきっていて、安心して観ていられました。
笑わせるところ・ほろりとさせるところの緩急がちゃんとついていて、作品世界に身を委ねていればOK!という感覚。なのでそれこそ、頭空っぽにして楽しめた。

たとえばドミナ・ブローライブの田村升吾くんやセル・ウォーのYUKIくんは役柄的にシリアスを担う立場だと思うんだけど、他キャラクターとのやり取りでギャグ要素が入ってくるところはきっちりと自分の役割の中での面白い空気を作り出していて、そのあたりもすごくよかった。
一方ではるちゃんこと丘山晴己さんがイノセント・ゼロ=”最恐の魔法使い”という役柄を壊す動きを絶対にしていなかったのも、さすがプロだなぁと思いました(普段からは考えられないくらい”はみ出さない”はるちゃんだったの。)
作品の中で各役者が自分の果たすべき役割を十二分に発揮している、そんな座組だなぁと思います。

観客を仲間として捉えてくれる眼差し

ラストの客席降りを交えた演出で、通路のあちこちからキャストたちが「頑張れマッシュ!」の歌+リズムに合わせて手拍子を打つところ。
全体の2公演目では、お客さんたちもまだ「これってもしや、私達も参加を促されてる……?」と自信がなく、手拍子してもいいのかな?と恐る恐るな雰囲気でしたが、翌週にはそれがガラリと変わっていた。
客席からも自然に「がーんばーれマッシュ!がんばれマッシュ!!」の声があがり、\パンパン!/の手拍子をやるようになっていて、お客さんをその場にいる仲間として巻き込む空気づくりもうまいなぁって感じました。
そもそもあそこ、マッシュのお芝居がガンガンに客席通路で行われることにびっくりしてた。*1
たまたま1公演目がたしか通路2席目?くらいでの観劇だったため、真横でマッシュな赤澤くんがものすごい表情で鎖を引っ張る渾身のお芝居をしていて、まじで圧倒された思い出。

去年のカテコ後にあった”みんなで一緒に振り付け踊って盛り上がろう!”的コーナーこそ今年はなかったけれど(おそらくは上演時間の関係)、
「観に来てくれるお客さん」のことをすごく大事にしてくれているんだな、ってことがこちらに伝わってくる作品なんですよね。
観客のことを、一緒に作品を作ってくれる人たち、と捉えてくれているんだなと自然に思えるのでした。あとなんといってもキャスト達もものすごく楽しそう!
それは間違いなく、いまじんさんの演出の成せる技なのだろうなと思います。

アフタートークの「レグロの部屋」はキャストが登壇するトークショーだったんですが、
キャストとしてではなくあくまでもキャラクターとして登場するのが新鮮でめちゃくちゃおもしろかった。無理があるとも言う。笑
私が観た翌日のキャラクターラインナップが以下だったんですが、

△8/11(日)12:00公演:イノセント・ゼロ セル・ウォー ウォールバーグ・バイガン

翌日の予告をしながら「……何しに来るんじゃ~!!!」って叫んでたじいちゃんに爆笑した。いやほんとそれ、どういうメンツで何しに来る!?
見れていませんが凄まじい爆笑回になっていたであろうことは想像に難くない。笑


おそらく舞台は年1ペースで今後も続いていく気がしているので、来年以降も観に行くんじゃないかなと思います!マシュステ大好きー!!!
最近書いてきた文章の流れで「こいつパロディ好きすぎないか?」と思われてるかもしれませんが、別にのべつまくなしにやればいいとは全然思ってないからね!
ちゃんと演出としての意図や必然性をもって、クオリティ高くやりきってくれてないと楽しめないですもちろん!笑

せっかくなので1作目を2023年に観たときの感想も貼っておきます。
anagmaram.hatenablog.com



以上、あなぐまアドベントカレンダー2024の11記事目「2024年一番頭空っぽで楽しめた演目」についてでした。
明日更新予定のお題はちょっと趣向が変わりまして、生活寄りの話題。「最近のスキンケア」です。お楽しみに!

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*1:その分前方席&2階以上からだとかなりお顔が見えない、という難点があるといえばある、のは難しいところですね!