こたえなんていらないさ

舞台オタクの観劇感想その他もろもろブログです。

るひま「ながされ・る君へ ~足利尊氏太変記~」る太 一部ミュージカルパート・全キャスト感想

どうしても感想を沢山書きたくなる、言語化したくなる作品に出会えた幸せを噛み締めています!!!
サムネがないのも寂しいので、明治座特製・座長御膳with推しのミニのぼり写真を添えておきます。

おいしかったです

二部の感想も書きたいなと思ったのですが、やっぱりその前に全キャストに感想を書くことにしました!だって本当に好きなんだもの!る太!
★以下、記載順はパンフレットのクレジット順に従っております。




相葉裕樹さん/足利尊氏

堂々たる座長!本当に心底、かっこよかった!!!
物語の真ん中に圧倒的な存在感でどん!と居てくださることの安心感がすごかったです。
尊氏は戦の場ではとても強いけれど元から勇猛果敢なタイプではなく、どちらかというとおっとりとしていて穏やかに暮らしたい、だいぶのほほんとした人格。
けっこう描かれ方として難しい人物造形だったと思うんですが、相葉さんが演じることによりその人物像にとても説得力が生まれているなぁと感じました。
頼りたくなるし、どうしたって憎めない。不思議なくらい彼についていきたいと思わされてしまう、なんともいえない求心力に満ちた尊氏だったなぁと思います。天性の人たらしだと思う!!!
あとはとにかく、その存在すべてが美しくて眩しいのです。あの白いマントの神々しさよ。なんとお似合いであることか!?
刀を使ったポージングの一挙手一投足が、本当にすべて絵になる。
刀を構えマントを翻し、鋭い眼光できっと正面を睨みすえて静止したその瞬間、思わずこちらの呼吸も止まりましたよ。。
歌に関しても、大変にハリのある美しい高音を存分に堪能させていただけて幸せでした~!大希くんとのきょうだいデュエットはどの曲も至福のひとときでした。
歌唱シーンはかなり多かったはずですが、8公演目まで難なく歌いきっていて平伏しきりです。さすがすぎる。
とにかく全てにおいて、主人公力が素晴らしかったです。
\よっ日本一!/とか、そういう掛け声をかけたくなるほどの座長っぷりというか……(なんだそれは)
恐れ多くて最終的には「あいばさま」って呼んでたもんな公演期間。あいばさま、本当にかっこよかった。りょうがくんとの共演、嬉しいです。。!

内藤大希さん/足利直義

いくらなんでも、歌がうますぎます!!!!!!その一言に尽きる!!!
うまいとは聞いてはいたが、こんなにうまかったんか……となった。わたしレミゼは2019年に1回しか観たことなくて、そのときのマリウスは三浦くんだったもので、本当にほぼはじめましてで。(一記事目にも書いたけど、のだめミュで初めて歌を聞いたのですが歌唱パートがそこまで多い作品ではなかったため!)
まじでびびったのは公演中盤からさらに歌の迫力が増していったこと。
いったいどういう喉なんだいと目を白黒させておりました。
一幕の中盤、北条高時の御前で尊氏が犬追物を命じられたシーン。
弟を守るために奮起して新田義貞と刃を交える尊氏を見守り、直義が歌うワンフレーズ「仲間の為に戦う時、恐ろしく強くなる!それが足利家嫡男、足利尊氏だ!」のあまりの力強さに、公演終盤はとにかく圧倒されていました。
歌の力が強すぎて、その衝撃に思わず涙が滲むくらいだった。。
間違いなくその歌声が、表現において類まれなる武器になっている役者さんだと思います。
でも同時に芝居も、めちゃくちゃいいよね~~!!!?
自らをどこまでも追い込むような闇落ちの色合いも、後半になるにつれどんどんと濃くなっていって。。本当にすごかった……
既に書いたけど、やっぱり「敵になる存在は根絶やしにしなくては」の凄まじさが忘れられないなぁ。。
その後に続く「そういうことをさらっと言わんでください」の哀しさ。。え~~ん。。。
まじでパラレルワールドで幸せになってほしいよ、足利兄弟。

石川凌雅さん/護良親王

りょうがくんに関しては、1つめの記事後半で大騒ぎしたので主だった感想はそちらに譲ります!!!
anagmaram.hatenablog.com
彼が今まで演じた役でまじで一番好きかもしれん。。(どれももちろん大好きだけど、ここまでのマイベストはマシュステのランスくんでした)
どこがどう好きか、っていうのは上記リンク先で既にたくさん叫んだので具体的な話は省略するのですけど、
まごうことなき「芝居の力」でこちらをとことん打ちのめしてくれたのが、もう本当~~~に、嬉しかったです。。りょうがくんの表現が本当に、だいすきだ!!!

松田岳さん/北条高時吉田定房

岳くん、めちゃくちゃに喉強いんですね!?というのがとにかく印象にのこった。
二部含めかなり喉に負担のありそうな発声をする場面が多かったけれど、全く問題なさそうだったのがすごかった。
高時で一番好きだったのは「聞こえなんだか!……抜け。」の素晴らしい緩急です!
神経質にわめくように張り上げた大声のあとに、静かに低いところで響かせる艶のある「抜け。」は、ズルい!
執権としてやりたい放題で評判もあまりよろしくないのであろう、少々疎まれるような自分勝手な存在としての高時が、よく伝わってくる場面でした。
後醍醐帝の側近・三房のひとりである吉田定房では、また全く違うどこか抜けたお公家さまらしい柔らかい雰囲気をまとっていて、演じ分けがお見事。
冒頭に登場する場面で「そのようにお心を歌われては~!」のところ、大楽で「最近思ったこと」をまさかの啓さんに振ってやらせちゃうのには笑った!!すごいよ!!w
さすが常連!っていう気持ちになりました。初心者からは「るひまってすげえんだな!」になる1シーンでした。笑

前川優希さん/新田義貞

ある意味では物語の中における”噛ませ犬”的役割というか、足利尊氏の強さを描き出すために配置されているキャラクターでもあると思うのですが、
彼自身は己のことをそんなふうに全く思っていないからこそ、その存在感が引き立っていたなと思います。
とにかく、場面場面での居方が美しい。歌詞がそう想起させるのもあると思うのですけど、なんだか後ろに花を背負っているような華やかさがありました。
自分の中に清和源氏の正当な後継者であるという確固たる誇りが存在していて、その名を負う自分だからこそ、やらねばならないことがあるのだと考えている。
その自負心のもとに歌い上げられる「真打ち登場 新田義貞」、しっかりとした見せ場になっていてとてもかっこよかった!
額に矢を受けた最期の「向こうで……待ってるぜ」の去り方は、公演終盤でニュアンスがだいぶ変わったように感じました。
より無念さが滲むというか、それでも最後まで自分の美意識は決して捨てないという誇り高さがあったように思えて印象深かったです。

井澤巧麻さん/北条時行

プリンス☆トキユキって感じの、あの真っ白な王子ビジュがめっちゃお似合いだった~!!!
くどいくらいのマントさばきが徹頭徹尾とてもお上手だった!綺麗!
きっとそういうシャララな感じの動きを丹念にやるように演出指導があったのだろうな~と思いました。
二幕のソロ「いきなりトキユキ」は、もはやアイドルのコンサートだった、たいへんに可愛かったです。
あそこは前列のお客さんにしっかり目を合わせにいくところなんかもマジでアイドルだった。笑
かと思えば、下手側でひとりでコントみたいなことも始めちゃうし、なんていうか……さては彼、なんでもできますね!?
出番のラスト、「北条の意地、ちょっとは見せられたかな!」で、両手に持った刀をカキン!と勢いよく上下に振り払う仕草がとても好きでした。
作中にも思いっきりその呼び名が登場しますが”逃げ上手な若君”としての軽やかさが身上である本作の時行、
とにかく身のこなしにいい意味での重たさがなく、これならたしかに逃げおおせちゃうかもなぁ~と思わせる説得力がありました。

広井雄士さん/風清

嫁入りした登子につきしたがって足利家にやってきたが、実は北条方に通じている忍びである、という設定の風清。
セリフがとても多いわけじゃないのですが、その限られた場面の中で、風清としての感情を滲ませるのがものすごくうまかったなと……!
広井くんはマシュステではじめましてだったんですが、彼のお芝居はとにかく丁寧でその時から大好きなのです!
終盤、登子に対して「私は、その命(めい)はとうに捨てております」と答える場面が、ラスト1日で大きく変化していたのが印象的でした。
「尊氏が戦場にいかねばならなくなるよう、あらゆる手を尽くして災難が降りかかるようにせよ」というかつて命じた内容をお前はまだ実行しているのか、と風清に問いかける登子。
風清は当初、その言葉をひざまずいて聞いているのですが、この場面、前楽から思わず立ち上がるようになるのです。
その様子は、自分の内側に抑え込んできた様々な感情が溢れ出し思わず……といった雰囲気で、
ほんの短いやりとりの間に、どうしようもなく切迫した思いに突き動かされた様子が現れていて、本当に見事だなぁと思った。
「真打ち登場 新田義貞」の歌もすごく安定しているだけでなく、語りかけるような歌い方をされているのがとても好きだった。
めちゃくちゃ若いのに……本当にすごいわ!二部の暴れと違うベクトルで、本当にすごい!(二部は二部で、まじでやばい。その話は追って!笑)

井深克彦さん/ふゆ

楠木正成に命じられ、護良親王を守ることを役割とする伊賀の忍び、ふゆ。
いくらなんでもそんなおっちょこちょいなことある?っていうくらいの抜けっぷりで、漫画チックなドジ100%の役どころがとてもキュートでした。
護良親王が作中で自然な笑顔を見せるのはふゆといる場面だけだったので、わたしにとっては今回二人の並びがとてつもなく癒やしでした……
「こちらにお目通しを。……間違えた。」とか、ある意味とても淡々としたセリフ回しでくすっと笑わせないといけないのって、
何度も繰り返してやっていると難しくなっていきそうな気がするのですが、かっちのふゆは千秋楽までずっとフレッシュだったのがすごいなぁと思います。
なんていうか、何度繰り返しても擦れることがないというか。
今度はお前自身を守ってやれ、と正成に言われて、後ろ髪を引かれるようにほんの一瞬振り返りかけ、でもそのまま駆け去っていくところでは、
ふゆも、もしかしたらどこか居場所を探している存在だったのかな、そのさみしさが護良親王に呼応していたのかな……と感じたりしていました。
護良親王にふゆが寄り添っていてくれてよかった。非業の死に「許さない!」と憤ってくれる存在がいてくれて、本当によかったです。。ありがとう、ふゆ。

丘山晴己さん/上杉重能

すぐそばで尊氏を支える従兄弟、上杉重能。
M1からその美声をたっぷりと聞かせてもらえて嬉しかった~!ミュージカルらしいミュージカルではるちゃんの歌を聞く機会、個人的にありそうでなかなかなかったので!
しょうがないなぁと思いながらも献身的に足利兄弟を支える優しさに溢れていて、身にまとう空気の柔らかさがとても素敵でした。
「いきなりトキユキ」では中盤以降ではるちゃんらしさが存分に発揮されており、センターで踊り狂いながら髪を美しくぶん回す様子には思わず笑った。
上口さん演じる高師直とのニコイチ感がとても好きだったのですが、まさか大楽でチューするとは思わないのよw
「はるちゃん、二部だけじゃなく一部でもやりおったな!?」になって爆笑した。あそこ、前楽から雰囲気だいぶ怪しかったのだけど。笑
かと思えば、最後は悲劇的な命の落とし方をするし……!
直義から「重能が苦しんでいたので」っていうとんでもねぇ理由で殺されてるんだけど、はるちゃんの重能はなんだかそれすらを受け止めていそうだった。
二幕ではそれくらい、直義に対する包容力に溢れる存在だったなぁと思います。

井澤勇貴さん/佐々木道誉

のっけのソロ「DOUYO」めちゃかっこよかった~!!!
わたし井澤さんのことをちゃんと見るの多分初めて(だと思う、、自信ないけど)だったんですが、”バサラ大名”道誉のキャラクターがものすごくお似合いだなと感じました。
周りがどうだとか関係ねえ!俺は俺の思い定めた正道を行くぜ!という堂々とした姿に、とにかく説得力があった。
かぶき者っていうと時代が合わないし違うんだけど、なんかそういう描写をしたくなっちゃう。
とにかく派手で一般的な常識が通用しないけど、本人の中には一本筋が通っている、ということがそのめちゃくちゃな行動の中でしっかりと伝わってくるんですよね。
何目線だよという感じなんですが、歌もうまいし芝居もうまくてなんと実力のある役者さんなのか!?みたいな気持ちになりました。はじめましてが今ですみません……
とにかくちょっとした佇まいというか体の使い方というか、細かなところにまで自然に意識が行き届いている感じで、板の上の在り方が単純に目を惹きました。
足利のピンチに現れて、「ほら来いよ!」って新田義貞を煽る仕草とかめちゃかっこよかったもん。その直後に裏切るけど。笑
また別な作品で出会える機会が楽しみな役者さんでした。

伊藤裕一さん/赤橋守時万里小路宣房

前提としてるひまにはいろんな狂人が出てらっしゃると思うんですが(※だから言い方よ)、ナンバーワン狂い人(くるいんちゅ)は勝手ながら明らかに伊藤さんだと思います!
なんかもう、すごい。伊藤さん。身の内に秘めた静かな狂気が、とにかく面白くて目が離せませんでした。私は昔からこういう人に弱い。見てると簡単に笑う!!!
万里小路の「だってお上全然謝ってないんだもの!」のところは、毎回日替わりで”謝ってなさ”のアレコレを仕込んでいらっしゃいましたが、
世代的にどこに通じるんだよみたいなニッチすぎるやつがあったりして。いや伝わらんだろ!になってた。アンディフグの回あったよね??笑
あのパートは絶対にりょうがくんを笑わせたかったんだろうなぁと思いながら、毎回ニコリともしないで耐えきる護良親王を応援してました。笑(実際一度も笑わなかったりょうがくん、すごいなってなった)
「官軍になろう」の合いの手も、シンプルなんだけどなんであんなに面白いんだろうなぁ!?
「乗っちまおうぜ!」\だ~れにっ?/もだけど、\アひき肉ですッ/言ってるのに初めて気づいた回、客席に沈みました。笑うて。ずるいて。
\つまりはなんなのォ!/だけで、どうしてあんなに面白いんだろうなぁ。。???
千秋楽では護良親王薙刀エアギターに一緒に乗ってくださってとても嬉しかったです!!!笑

加藤啓さん/長崎円喜北畠親房

啓さんも啓さんで、ほんとなんなの!?怖すぎるよ!!!笑
"恩賞を賜りに”やってくる尊氏代理の高師直楠木正成を酔っ払いながら迎えるところ、本番中の舞台であそこまで大人が無軌道に好きに暴れてる場面、本当~~~に久々観た。
まじで、帝一の國毘沙門天さまをやってるときの大堀こういちさん以来だと思う。このたとえが伝わる人がもしいたら、是非エア握手しましょう。つまりは相当だよ。笑
れっきとした実力のある大人が本気で暴れると、マジで手がつけられないことになっておっかないよね!!!っていうのを、本当に久々に思い出しました。あんなんこえ~よ!!!笑
こちとら「あっどーよだ」「どーよだ」「どーよ最近どーよ!」だけで笑えるゲラなので、啓さんはとても恐ろしかったです!
冒頭の「だってあなた今回ソロないんでしょ?」の岳くんへのけしかけは、果たして台本にあったのかどうなのか……!というのがとても気になってます!
あったとしてもなかったとしても、ラストに逆襲されてるの、良すぎたなぁ。

大山真志さん/楠木正成

まさしくんを舞台で見るの個人的にちょ~~~~久しぶりだったのですが、やっぱり歌!めっちゃうまかった~~!!!
歌声の奥行きというか、響きの深さにびっくりです。聞いていて心地よかった!
まさしくん、その場にいてくれるとめちゃくちゃ安心感がある存在だなぁと感じました。どっしりと支えてくれそうな。いや、見た目の話ではなく!……ごめん、それもあるけど!笑
普通に考えれば取らないであろう選択をしてしまう正成の豪放磊落なさまが、とても似合っていました!
原田さんとのきょうだい、歌が上手いのとなんともいえずジャンルが似通っていて本当に最高にぴったりだったなぁ。
「だって俺たちは車借……、つまり、運送屋ですよ?」の後に出てくる青白ストライプの正成を観た初回、下手前方の席だったこともあって本当に爆笑しましたw
いやさ、場当たり見学会の時も「まさしくん、どうしてあんな佐◯急便みたいな衣装着てるんだろう?」と不思議に思ったんだよね。思ったんだよ。いやあってたんかい!爆笑
啓さんの親房からの笑いの波状攻撃をもはや泣きそうな顔をしてこらえる(そして最終的にはこらえられない)を見て、こちらも死ぬほど笑ってました。本当にあのシーンはお疲れ様すぎる!!笑

辻本祐樹さん/北畠顕家

顕家さま、かっこよかったですね~!!!
公家の狩衣をモチーフとしつつも、戦いの場に出る存在であることを示すようなハイブリッドな感じのお衣装が、めちゃお似合いだったしかっこよかった!
「政治はこれより京が担う!」の右手の差し出し方がすごく好きでした。なんつかこう、慇懃無礼というか違うな、居丈高って言ったらいいかな?どこまでも高圧的な態度がたまらん。あれは様をつけてお呼びしたくなる。
あそこのシーン、手のひらがね、下を向いてる回と上を向いてる回があったんだよッ!下に向けるほうが多かったかな!?指の形がとても綺麗だったんです!
あとはなんといっても、殺陣ですよねぇぇ!まぁじでかっこよかった。
空中に刀を投げてキャッチし、そのまま向きを変えて構え直すあの一連の仕草の迫力ったら!
わたし28マチネだけ観劇できてないんですけど、そのあとの7公演全部成功してたし、たぶん全部キャッチできてるんだよね!?すごすぎる。
舞台中央で尊氏と刃を交わして、二人同時に後ろに飛び退る動き、ドセンで観た回そのシンメの動きの美しさに息を呑みました。
吉野での散り果て方も体の使い方がとても見事で、斬られた一瞬にバッと身を開いてそのまま崩れていく様子に毎回注目してしまいました。かっこよかったよう。

原田優一さん/楠木正季

原田さんも拝見するのをすごく楽しみにしていて、期待にたがわずさいこ~だった!!
原田さんの好きなところはずばり、顔から伝わってくる情報量の多さです。笑
今回演出を担っていらっしゃることもあり、個人としての出番がとても多いわけではなかったと思うんですが、些細な場面であっても絶妙なインパクトを残すのが心憎い。
ちょっと目を動かすだけでなんであんなにいろんなことが伝えられるんだろう!?ってなる。そしてシンプルに、面白い。笑
あとはとにかく、セリフも歌も、異常なまでに聞き取りやすいです!!!
「兄貴!いいのか もののふがドン引き」以降のソロパート、一回目ですべてが聞き取れたもんなぁ。
まさしくんとのきょうだいデュエットが多かったですが、お二人の声が重なったときの重厚感は目を見張るものがありました、本当にとんでもなく贅沢ミュージカルだったなぁ。

上口耕平さん/高師直

師直、かっこよかった……いや今作、かっこいい人が多すぎません!?
足利家の執事なので、白黒モノトーンのお衣装で胸元にはリボンタイがついてるのですが、
最終的にそのあしらいを酔っ払い親房から「あっこれはこれは、ブラックジャック先生!」って叫ばれてたのにはマジで爆笑しました。
はるちゃんが公演期間にXで言ってた「◯◯にしか見えない」っていうの、あれブラックジャックのことであってた?笑
師直さん、二幕の「不信感」がやはり最大の見せ場だったと思うのですが、
あそこの振り付けってもしやご自身でなさってる……?も~~まっじで最高だった!!!かっこよすぎる!!ずっと見ていたいタイプの体の使い方だった……
上口さんのダンスは前からちゃんと見てみたくて、今回やっとその機会に恵まれて嬉しかったのです。
天性のダンサータイプの人が心置きなく踊り倒してる場面って、本ッ当に観ていて目が喜ぶ。心が満たされる!!!
ラストの「高く!」のヒーカップ(であってるかしら)ぽい歌い方で締めるところもめちゃかっこよかった。
ミュージカルとはいえ、場面的に拍手できないのが惜しかったけど「不審感」はほんと拍手したかったです。
また別な舞台でお目にかかりたいなぁ。かっこよかったよう。

ROLLYさん/後醍醐天皇

今作の後醍醐天皇はものすごくクセの強い存在として登場していましたが、ゆえにギターを抱えているところもすごくしっくり来てしまうというか。
M1終わってタイトルドーン!出た後にいきなりエレキギターで出てくるインパクトったらなかったです。
あそこのフレーズは基本となるメロディを多分徐々にアレンジを増やしながら弾いてらして、公演終盤はけっこうアドリブがマシマシになっていた!毎回聞くのが楽しみでした!
聞きながら思わず「りょうがくん、演奏間近で聞けて嬉しかっただろうな~!」ってニコニコしてしまった。裏でROLLYさんとギターのお話できてたらいいなぁ。*1
後醍醐天皇、流石に歴史に疎いわたしでも授業を通じて覚えているくらいに印象深いというか、なんともいえず強烈な人物として意識に刻み込まれていたので、
KISSとまではいかないけどけっこうゴリッとしたメイクを施された、ある意味でのキワモノ感もある描かれ方には、なんだかとても納得感がありました。
その行動原理にどこか捉えどころのない部分が、ROLLYさんの歌唱や佇まいで自然と浮かび上がってくるというか。
作中でも、周囲に対して「よくわからない」と思わせる存在だと思うんですよ。
そもそもが”お上”なわけで、常人の理解をどこか超えた存在であるという点が見事に表現されているなぁと感じました。

水夏希さん/登子

パンフレットの座談会にもあるとおり、登子ってすごく難しい人物のように思うのですが、
水さん演じる登子は、自分の中にある激しい愛憎を持て余しながらも最終的にはその全てを引き受ける芯の強さがある、とても魅力的な人物でした。
夫を深く愛する心、同時に一族を攻め滅ぼされたことを強く恨む心。
おそらくは自分でもその相反する感情の行先をどうしようもなく、だからこそ彼女は「あらゆる手を尽くして、あの人に災難が降りかかるようにして」などと、とんでもないことを風清に申し付けたりする。
それを受けた風清は「えっ」と思わず絶句しますが、人の心って善悪で二等分できるようなものでも、理屈でどうにかなるようなものでもなく、どこかに矛盾を抱えるもので……
本作での登子は、その矛盾を否定することなく提示している点で、とても人間らしい存在として描き出されているように思います。
延元の乱を終えて鎌倉に戻ってきた尊氏を迎える頃の登子は、全てを達観したような、凪のような静けさを湛えていました。
その直前、風清の語りの背後にたなびくように流れる歌声はどこまでも物悲しくて……
自らが戦場に出ることはないぶん、当時の女性は運命の全てを主に婚姻関係に左右されることとなり、己の行く末をその手で決めることはまずできない。
望むと望まざるとに関わらず戦いに明け暮れる日々を送ることになる尊氏だけでなく、
妻としてその隣にいた登子も、翻弄される運命の中で、自らの立場で静かに戦い続けていたのだろうなと、水さんの登子を見ていてそんなことを考えました。


わーい気づけば久々1万字!笑
書きたいことを並べたら勝手に完成した!っていうタイプの記事なので、本当に書きたい気持ちが強かったんだな~としみじみする。
る太、まじで楽しかったです!!!らぶ!!!
二部の感想も、たぶんなにかしら書くと思います!

*1:ギタリスト歴13年、りょうがくんのギター演奏の腕前はなかなかにハイレベルなのです!絶対ギタートークしててほしいよ~!