こたえなんていらないさ

舞台オタクの観劇感想その他もろもろブログです。

マシュステのランス・クラウンくん(キャスト:石川凌雅くん)が徹頭徹尾優勝していた話

前回の記事を読んだマシュステ友達から「ランスくん要素が少ない!?」ってびっくりされたんですけど、安心してください。
1記事まるまるランスくんにあてないと字数が大変なことになるからね!わけといたよ!

マシュステのランスくんが好きすぎる。

という話を今からだいたい6000字くらいかけてします。
以下、演じている役者さんにフォーカスしたお話が大半です!念のため。

★ビジュアルが優勝

そもそものビジュアル解禁時点で大優勝していましたね。もうこの件については説明終わりで良い気がしているよ。だってかっこいいもん。
いやかっこよすぎん!?かっこいいですね!!!かっこよかったです!!!(完)
mashle-stage.com
なにがすごいて本当にこのまんまで板の上にいらっしゃいましたからね。糸川さんのチームが作るウィッグはやっぱり完成度がダンチ!


今回の役どころ、肥前くんに続いての「クール系・笑わないキャラクター」でした!
中の人的には表情のベースが笑顔なんじゃないかな?と思うくらい常日頃ニッコニコしてらっしゃるタイプ。つまるところ、あきらかな陽キャのかた。*1
それなのに、本編では本当に徹底して「スン」を貫けているのがまじですごい。。どういうこと?って未だに新鮮にびっくりする。俳優さんってすごいなぁ~になる(シンプルすぎる感想はやめな)。
たまに事故りかけて必死で笑いを堪える瞬間などもあり、それはそれで(本人的にはアクシデントなので不本意だと思うんだけども)大変に可愛かったです。


最大の事故はやっぱり東京千穐楽、魔法薬学のマンドラゴラのシーンでフライパンにおたまを盛大にぶち当ててしまったところ。
もともとあのシーンは校長+レアン寮の歌がメインであり、アドラ寮がエプロン姿で実習をしている様子はあくまでも”背景”のはずなんですけど、
そこで盛大に「カーーン!!!!!!」とコントみたいに美しいタイミングでフライパンVSおたま音が響き渡ってしまい、
それをまた間髪入れずにドットくん(山田ジェームス武くん)が\スパン/とはたいたツッコミを入れたもんだからまぁ大変。
ランスくん、目をぎゅーーっとつむる勢いでプルプル小刻みに震えながら吹き出すのをこらえて顔面を守りきり、なんとか最終的にいつものドヤな感じで薬を完成させてました。すまん、客席で死ぬほど笑った。笑

みさっちゃん(レモンちゃん)となみおさん(ラブちゃん)のインライで後日聞いたところによると、
実は公演途中から「フライパンとおたまをぶつけても音がならないように加工が追加されていた」らしいです。
「最初は音を立てないように細心の注意を払いながらやってて、でも一回すっごい音させちゃったことがあって…笑いが起きて大変だった」とのお話で、…あの回かぁ!笑 てなってました。


ビジュアルからアクシデントが可愛い話にそれてしまったけど笑、今回、本当に最高ビジュすぎました。。
いやだってかっこよくない???結論出てるからここからそんなに広がることがないのですけど……(そうですか)
あとイーストン魔法学校の制服、ほんっとに似合いすぎてた~!憧れの魔法使い~*2!!!
シャツ+細身のパンツ+ネクタイにローブ!フルセットを着こなしているその全身のバランスが美しい!スタイルの良さ、優勝!!!
走ったり踊ったりするとローブがふわっと広がってスレンダーな全身のラインが見えたり見えなかったりするのがまた、よかった~。
ちなみにローブ、おそらくゴムバンドで背負うような構造になってたみたいですね(両腕を通す輪っか状のバンド+背中を横に走るバンドの3点で支えている構造だと思う)。
めちゃくちゃ激しく動いてもまず脱げることはない機構で、すごく工夫がされているんだろうなぁと見てて思いました。

★歌が優勝

今回、歌唱力の伸びにめちゃくちゃびっくりしましたー!「こんなふうにも歌えたんだー!?」ってなった。
いやもともとうまいほうだなと思っているしそもそも歌声大好きなんだけど、なんかちょっとこれまでとは違う段階にあるような歌唱に聞こえました*3
とにかく驚くほどに、声量がしっかりとある。ユニゾンの中でもはっきり聞こえるし、ソロパートになった瞬間、本当にすこん!と抜ける感じで歌声が勢いよく耳に届くので、聞いていてとても気持ちよかったです。


劇中で担当しているソロはいずれもロック調だったんですが、それがまたランスくんのキャラにもりょうがくんの声質にもものすごくぴったりだと思いました!
なんというかすごく、おりゃー!!!という気合が必要な場面というか、俺には貫きたい信念がある!っていうのを高らかに宣言するようなシチュエーションでのソロなので、
堂々とぶち抜いていく歌唱が必要になると思うんですけどそれが完璧だった。場面にしっかりと合っている歌唱。
後日いまじんさんにも「凌雅、気合の入るときの歌、良いんだよね~!」って褒められていたの、わかる&嬉しい~!!!ってなりました。
ソロのときは盛り上がりのタイミングで全開になる照明もものすごくかっこよかったので、いつも頃合いを見計らってオペラ外して、肉眼でその全景を楽しんでました。

今回はとにかく「お腹から声が出ていること」がとてもよくわかったので、そっかつまり、これは歌がまだまだ伸びるということだ……!となり、ポテンシャルにすごくニヤニヤしています。将来有望すぎる。楽しみだー!!!
「立ち止まるわけにはいかない!」の吠えるようなビブラート、めっちゃ好きだった……あとワース戦の「人間の価値とは関係ない!」のロングトーン
めっちゃアクションしながらの歌で激しく動いているのに、声量が途切れないしそもそも声がブレないことにもすごくびっくりしたんですよね。
絶対になにか新しい扉開いたんだろうなって観ていて思いました。


あと、これはすごく個人的に感じたことなので話半分に聞いておいてほしいんですが、
ソロの歌いだし「アンナ 俺の妹」のメロディラインがやや鬼門寄りというか、本人にとって声のコントロールが一番難しい音域なんじゃないかなってちょっと思ったんですよね。
地声と裏声の切り替えなのか、どの出し方が一番安定するのかが絶妙に難しい音域なのではないか?という印象。(ちょうど喉が閉まりやすい高さなのか?とか色々考えたんですが、声楽は専門じゃないのでもちろん全然わからない)
それまでの全員歌唱の楽曲ではめちゃ調子良く歌えていただけに、歌唱としてのレベルがそこだけ急に低くなってしまう惜しさが初日段階にはあったんですけど、
ここのパートの歌い方も、東京折り返すあたりですでに明らかに上達していました。掌握した感じがあった。
妹を想う感情を込めないといけない部分でもあり、色々考慮する要素も多かったと思うんですけど、明らかに「もっと良くする!」っていう意識で臨んでいたのが伝わるような気がして胸熱でした。
いやーーほんとにランスくんの歌、よかった。これからもっといろんな歌を聞いていきたいな~って思った!相変わらず期待しかない!!!

★ダンスが優勝

ダンス!!!ダンスですよ!!!ダンスが!!!!!!
これが見たかったオブザイヤー!!!と叫びたくなる最高のやつでした。本当にありがとうございました。
良すぎたあまり、振り返ったときの満足度がすごくて……「あれ、2023年下半期、もう余生でいいのでは?」って一瞬本気で思ったくらい(流石にそれは嘘)。


歌って踊るりょうがくんの撮れ高(?)としてはたぶん過去一!間違いなくナンバーワン演目だったと思うんですけど、
梅棒のあの!情報量の多い振り付けを踊るりょうがくん、ただただ最高でしかなかった。。!!!
とにかく振り付けの方向性と御本人の素質、両者の相性が抜群に良かったと感じています。

彼のダンスはとにかく音・メロディを可視化する力がものすごく強いなと常々思っており。
音と一体となる力がすごく強いというか、その場に流れる音楽を本当に全身を使って余すところなく表現できてしまうんですよね。
さらに音ハメの精度が常にエグくて、リズム感も抜群……といった特徴が、とてつもなく生きる振り付けでした今回。ヒィ。もうほんと、好きすぎてつらい。
もう見れないことがつらい!!!!!!ってなってくる、ウワーーー!!!!!


好きなところいっぱいあるんですけどね!もう言いたいやつ全部書いとくわね!!!(※以降、読む人の大半を置き去りにするコーナーです)

  • M1の「パワーオブマジック」のサビ2回目、センター下手寄りで「パワーオブマジック 魔法の力は絶対 パワーオブマジック 魔法の力は最高」を踊ってるときの全身表現。
    • 公演期間、耐えられずに「もうその形が好き!」って言ってた。全身でダイナミックに動く!止まる!その形がSUKI!!!!!!!
    • ……形とは???ってなると思うんですけど、踊るその全身が「パワーオブマジック」の形に見えて。。見えるんだよ!!!もう!全身が、その歌詞+メロディの形になってるの!!!アー!!!
  • M4の「魔法よりも優れたものこの世にはない そんなものがあったなら見せてほしいね 魔法の力が頂点 世界一の魔法使いは誰だ パワーオブマジック その上にあるのは真っ青な空だけ」。
    • フレーズの抜き出し、長いて。笑
    • もうね、劇中でここが一番好きです。散々検討したけどNo.1は間違いなくキミだったよ。本当にここ好きすぎて泣けます。しんどい。
    • 一連の振り付けの中で、柔らかく宙にたゆたうような動きと、俊敏に空間を切り裂くような動きが交互にやってくるので、本当にメリハリがすごい。
    • いつだってりょうがくんのダンスは視線の使い方までが”ダンス”なのだ。踊りながら視線を指先に向けて大きく動かしている、その様子でももう「アーーーー」ってなる……のべた自分の指先がたどる世界を見つめているんだね……世界観!いや世界観の表現!その一瞬で!?ってなる。泣いちゃう。感受性が豊かすぎるよりょうがくん。
    • とにかくここも音ハメがえぐい。「まーほーうーのー!」の動きが全力全身であんなに大ぶりなのに、絶ッッッ対に拍に遅れない。
    • 最後の「パワーオブマジック」の”マジック”で振りに合わせて指した杖の先をギュン!って音がしそうな強い視線で射抜いていたのも忘れられない。その一瞬に意志をもって刻み込む、眼差しの強さ。
  • M4ラストの「行くぞ行くぞ前進!準備はOK!」から一番最後までの流れ。
    • あの、ジャンプ高すぎませんか!?だった。高くね!!?
    • 「感じてほしいこのパワー!」、ここは音ハメがもはや異常値だった。ジャンプ込みでそんなに大きく動いてるのに、ねぇなんでピタッと止まれるの!?合わせられるの!?
    • 「かん/じて/ほしい/この/パワー」でアウフタクトふくめて5拍なんですけど、その5拍が全部くっきり輪郭を伴って目に見えてました。
  • 一幕ラストの「信じられるのは己の力のみ」で、舞台後方から上手前方に進んでくるところ。
    • 脚をすべらすようにしてリズムを取る→がくっと体重落とした後にすっと滑らかに体重移動している、その一連を中心で支えている体幹の強さ!?になる。体の使い方が美しすぎる。
    • あとここは表情!表情が!やってやるぞな感じが!!!歌詞通り、己の目的のために孤独な戦いを積み重ねるつもりでいたランスくんが、”仲間を得た”あとのお顔をなさっているなぁと思いました。涙
  • 二幕ラスト、マッシュが「魔法界で輝く人間の肉体~♪」の劇中唯一のソロを歌っている後ろでアドラ寮1年が踊っている場面。
    • ……ここさ~~~!??歌詞でいうと”輝く”のあたりかな、額に手の甲を当ててちょっと上を見やる瞬間があるんですけど、そこでうっすら入れるウェーブが本ッ当に美しく、またその時に浮かべているやや微笑にも近い不敵な表情がたまらなく。。りょうがくんがするあのどこか眩しそうな表情いつみても本当にやられる。好きすぎてしんどい。
    • 東京も神戸も、楽近辺の公演はここのランスくん踊りながらうっすら口パクで歌ってたと思います……。アアー。。。
  • カーテンコール、一番ラストに再びの「行くぞ行くぞ前進!準備はOK!」するところ
    • 弾むように踊りながら、隣のマッシュに行くぜ!来いよ!って感じの煽る動きをしているんですがここの二人のやり取りが本当に好きでしたーーー!!!!いい顔してるーーー!!!


そう、肥前くんに完敗した私の弱点は、言うまでもなくダンスなのである。
表現手法がなんであれ全部好きなんだけど、それでもやっぱり踊っている姿が一番刺さるというか、抗えずに好きなのかな~と感じます。
踊ってるランスくんにまた会いたいよ~~!!!絶対続編やってくれぇぇぇ!!!

★お芝居が優勝

15公演という短い公演期間でしたが、その中でも目に見えて、それはもうぐんぐんと音を立てるようにお芝居が深まっており、相変わらず頼もしいな~!?って思いました。

ランスくんって自分からグイグイ周りに関わっていくタイプではないし、初登場のときは主人公に対する敵みたいな状態だし、
自己開示をものすごくするかというと全くそういうわけでもない……という、どちらかというと「受け」のお芝居が主軸になるキャラクターだなと思います。
自分から仕掛けられないぶん、セリフがない場面をどう埋めるかとか、どう周囲に働きかけるか、みたいな難しさもあるように感じるのですが*4
そのあたりは本当に自然に「役としてそこに在る」ことが当たり前にできつつ、
まとっている空気がだんだんと変わっていったというか……

うまく言語化しきれないのですが、アドラ寮のみんなと仲間になるbefore/afterでまとうものが、公演後半になるとよりはっきり変わったように感じました。
公演後半のランスくんは、”一人なんだけど一人じゃない”というか、
あくまで前提としては自律心のある独立独歩の存在なのだけど、
その上で新しく「仲間」と認めたメンバーとどう一緒にいるか……という接続性がより明確に見えるような気がしました。(つたわるのだろうか、この説明で。。)


そうして関係性ができたあとのランスくん、マッシュを中心としたアドラ寮の同級生たちに対してどこか世話焼き係みたくなっているところもあって。
自らの優秀さ・魔力の強さを自覚しているランスくんだからこそ、ほっとけないというか無意識に引っ張っていってあげている感じが滲んでいて、いじらしくて優しい。
その中でツッコミを担当している課外授業の場面「違うそれじゃないコインのことだ!」「直に入れるな不衛生だ!」のパートは、
つっこむ相手であるマッシュもどんどん自由になっていってたし、その場に生まれる呼吸でお互いにやり取りをしているのがわかって、板の上での充実感が伝わってきてました。


神戸の大千穐楽でのマッシュとのバトルは、ロケットを引きちぎって持っていくマッシュの動きでまさかのロケットが壊れてしまうという大きめのアクシデントがありましたが、
それを受けての二人の会話がものすごく自然だったことに感動してました。
役としてそれまで生きてきた積み重ねがあるからこそ、ごく当たり前に口から出てきた言葉、という感じでアドリブの応酬からきちんと話が進んで行ってた。
アクシデントの回収として普通にめちゃくちゃ面白くて爆笑しちゃったというのもありつつ、何よりお芝居の完成度自体がものすごく高かったのが素晴らしかったなと思います!

愛する妹、アンナを想うシスコンお兄ちゃんの強烈な自己紹介だったり、
ドットくんのソロ中にまったく歌を聞かないでロケットを見つめ「アンナ…」って想いを馳せちゃってるところなどは、期待されるかっこよさとの落差みたいな部分がしっかり表現されていました。
いわゆる残念要素として捉える部分もしっかり目に持つイケメンの役割を明確に果たしてた!
一言でいうとはまり役だったのかな。いや違うな、はまり役にしたのは紛れもない本人の努力だ!
本当に素晴らしかったよ、りょうがくんのランスくん。


ダァ!あとあれだ!お芝居でいうと、潜入してきたイノセント・ゼロが化けている状態としてのランスくんの演技も、すんばらしかったですねー!!!
体の使い方も含めて全然ランスくんと違うんだもんな。目の色からして違う。
指の立て方とか背中の翻し方とかさ、、細かいところの意識の配り方があまりにも「良い」ので、あの、お芝居の才能ありすぎませんか!?って思います。
役者としての正式なデビューが2022年の1月ってほんと、どゆことォ~!!?(思わずラブちゃんになっちゃう)



だいたい6000字くらいを見込んで書き始めたんですが残念!8000字超えてた!笑
りょうがくんの演じた役だと、もしかして私ランスくんが一番好きなのでは?と今回思ったんですが、とにかく本ッ当によく似合っていたし、御本人の持ち味や良さが生きる役でした。
まじで続編、絶対に叶ってほしいです。頼む!!!全力でお待ちしています!!!
魔法と筋肉の世界で、絶対にまたランスくんに会いたい!!!

*1:私は(俳優の推しとしては)陽キャめちゃモテ委員長が好きです。

*2:りょうがくんはハリポタが大好き(でもシリーズ全部知ってるわけじゃないらしいのがおもしろい。笑)

*3:有料FC配信の内容なので明記は避けますが、こんな風に歌えるかものきっかけエピを聞いて胸熱でした。環境がそうさせたなら本当にまだまだ伸びるポテンシャルしかない!

*4:受けの芝居に関してはやっぱり最初に肥前くんで掴んだものがものすごく大きいというか糧になっているんだろうなって思います