全く脈絡無いのですが、いつもだいたい1万字くらいのあほみたいなボリュームの記事ばかりあげているので、たまには趣味周辺の全然違うことも書いてみようかな、と思いました。
タイトルどおりの内容です。
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時間が経つと、自分の好みや嗜好性が変質していくことは往々にしてあると思う。
わたしはわりと、一度好きになると長い間同じものをしつこく好きで居続ける傾向が強いといえば強いのですが、そうはいっても時間が経つ中で、自分でも気づかないうちに、徐々に感じ方が変わっていくことはあります。
もうまじでだいぶ時間が経ち、ニュートラルな気持ちになったな、と思うのでちょっと書いてみようと思ったのですが、
わたしは過去に、応援していた俳優さんからのいわゆる「降り」を経験したことがあります。
…っていうとなんだかめちゃくちゃ仰々しいけど、いやいや、単に自分がファンでいるのをやめたというだけの話です。
そう、文章で表すとたったそれだけのことなんだけど、自分の中でそれにまつわる様々な気持ちを処理して、自然と落ち着くところまでもっていくのに、なんと1年半ちかくかかったんですよ!文章にできそうかな、という状況になるまではそこからさらに半年。
わたしの元の性格が割とまじめなことが災いしたのだろうと思いつつ、ここまで引きずるとは思ってなかったので、自分でもかなりびっくりしました。
いや、それ以上に、自分が彼のファンでいることをやめた事実に、降りた当時何より一番びっくりしました。いやそんな他人事みたいに。他でもない、自分のことなのに!
なんというかある意味青天の霹靂すぎて、自分のことが信じられなくなり、まじでしばらくの間、呪いのように元気が出ませんでした。それは2016年の秋の出来事だった。
…2016年といえば、わたしはその頃、幕末天狼傳に命をかけて通っていたわけで。新しく出会った「好き」に魂撃ち抜かれ、心血注ぐ勢いで刀ミュに向き合っていたのですが、それと同時にふとした瞬間「私、なんで気づいたら彼のファンじゃなくなってるんだろ?」という謎の自問自答に揺さぶられるという、それはそれはしんどい秋を過ごしたものでした。
それからちょうど2年たった今、いい具合に時間が解決してくれたことも多くって、文章にしようと試みている次第です。
彼のファンでいる頃の私は当たり前のように、観劇の理由の最優先に「その俳優さんが出ている演目である」ことを置いていて、むしろ観劇するにあたってそれ以外の動機を探すほうが難しいくらいでした。作品を観に行きたいからではなく、彼を見るためにチケットを取っていた。
そう、今でこそ2.5次元の人気演目には、作品に対してのファンがたくさんついているけど、2013年~2014年頃はまだまだ「好きなキャストが出ている演目が、たまたま2.5次元だから観に行っている」っていう観客の方が、圧倒的に多かったと体感として思います。
いや勿論、私自身今だってキャスト目当てで作品を観に行くことは当たり前にあるし、そういうお客さんは当然変わらずに沢山いることも理解してるんだけど、「劇場に来ているお客さん全体に占める俳優ファンの比率が、今と数年前とじゃけっこう違う気がする」といったらいいでしょうか。
現場にいて、明らかに若手俳優のおたくが観客の大半だなぁと感じることが、今よりも多かったんですよね。そもそも舞台を観に来る人の絶対数が全然少なかったはずだと思われます。
今は当時に比べると、「俳優さんのことはわからないけど、舞台はあまり見ないけど、この作品が観たいから来た」というお客さんの数が、めちゃくちゃ増えてると感じます。まじで。
個人的に、刀ミュとハイステが始まった2015年の秋~冬あたりが、2.5次元がひとつのジャンルとして認知度を高め、一気に新規層を獲得した潮目だったと思っています。
それ以前は、今でいう刀ミュ・刀ステ・あんステのような、界隈を席巻するほどの熱い盛り上がりを見せる演目って、そこまで見当たらなかったのではないかなぁ。
盛り上がりという意味ではそれこそドルステがすごかったよね、とかそういう話になってくる。
…若干話がそれましたが。私が元々好きだった俳優さんを推していたのは、そういう時期、テニミュでいうと2ndシーズンの終盤+終わってしばらくくらいの期間。いろんなことが「前夜」という感じだった期間でした。
具体的な長さとしては、2013年の春から、2016年の夏にかけての3年半弱。
その当時、けっこうな熱量を持ってファンをやっていたような気がします。
基本的に、彼を応援すること、特に彼を通して出会った舞台作品を見ることが、純粋にすごく楽しかったです。
私がファンになったのは彼がテニミュを卒業した後だったのですが、その時期の彼は若手俳優の中では珍しく、むしろ2.5演目に出ることの方が少なくて、かなり渋めの演目に出ていました。そしてそれがまたことごとく、贔屓目なしに作品として面白かったんですよね。今でも好きだな、観たいな、と思えるものばかりです。
その点に関しては、なかなか自分からは足を踏み入れない世界で新しく良質な刺激に出会えたという点で、本当に恵まれていたし、良い観劇経験をさせてもらったなぁと思っています。
若手俳優を語る上では避けて通れない、いわゆる接触の機会については、正直あまりイベント事の運営が得意な事務所ではなかったので、「回数はそこそこあるけど、なんだかなぁ、うん…」みたいに思うことが基本だった印象ですが、事務所のあれやこれやについてはぽろぽろ文句を言いつつも、バスツアーとかファンイベントとかに参加して、普通に楽しんでました。
写真集が出たりもしたなぁ。リリイベいったなぁ。最近もっぱら独壇場かというレベルにHMV渋谷での開催が多いけど、あの頃は新宿サブナードの福家書店が一番多かったような気がするなぁ。
で、ここからが本題ですが。
私はこの調子で文章を書くのが種類を問わず大好きなので、その俳優さんに、いわゆるファンレターをマメに書いてたんですよね。
書き始めたきっかけは「応援していてがんばってほしい、楽しい時間をくれてありがとう!という気持ちを伝えるのに、他にできることがない…」と感じたからでした。
初めて観に行った舞台のたぶん2回目の観劇で、すでに手紙を書いたような記憶があります。一度書くともうそこからは習慣のようになって、ほんとよう書いたな。という量を3年半弱で出したと思う。
彼のファンになったばかりの時期、つまりはわたしが舞台おたく・若手俳優おたくとしてデビューしたてだった頃に、友人から「手紙は自己満、プレゼントはお供え物と思え!」っていうありがたい教えを授けられ(←言った本人は忘れてそうだけど笑)、じゃあ自己満なんだとしてもせめて、なるべく元気が出て仕事がんばろうと思えそうなことを書くようにしよう!と張り切っていました。その数年、私が手紙を書く上でのキーワードは「滅私奉公」で笑、自分の都合は置いといて彼のためになる手紙を書きたいなとマジで思っていました。
そしてね、その数々のファンレターの中で私、たぶん
「ずっと応援してます!」って、何度となく書いてたはずなんですよね。
…なんだけどな~!
全然、ずっとじゃねぇじゃねえか!!!!!!
って今となっては思うので、その点については、やっぱり申し訳ない気持ちになったりするんですよね。最近はもう、さすがにそれも薄れましたが。
いや~、でもね、まじでね、「ずっと」ファンだと思ってたんだよ。その時は。
でも、なんと「ずっと」じゃなかったんだよ。驚くよね~。
私もそんな風に思う日が来るなんて、当時はこれっぽっちも思っちゃいなかったんだ。
嫌いになったわけじゃないんだけど、もう前のようには好きじゃない、っていうその事実の残酷さを思うけど、ゆうても本質的にはファンって勝手な生き物なんですよね。
だって、勝手に好きになって勝手に離れていくんだから。…というのは、飲みの場で出会ったとある人の言葉なんですが、これを聞いた時「いや、まじでそうやな」と思いました。
でも一方で、その時に掛け値なく「ずっと応援してる」って思ってたから、それはそれでいいんだろうな、とも思います。
その当時、ずっと応援してる、好きなんだ!と思ってたんなら、それが私にとっての事実だったのだと。本音をセーブする必要があるはずもないので。
私がそうして、せめてその時に応援してたなにがしかが、1ミリでも彼の役に立ってたらいいんだけどなぁ。と思うんだけれど、実際のところどうだったかがわかる日などは、永遠に来ないのでありました。
こういう経験があったので、私はこの先誰かに対して「ずっと応援してます」って言葉は、もう使わないかな、と思うようになりました。
「ずっと」は、いつか変わってくのだって、身をもって図らずも体感してしまったから。
誰かを応援する自分の気持ちすら当てにならないんだと、思い知ってしまいました。
本当に、絶対、なんてないんだよなぁ。
だけど長年同じ人のファンを実際に続けている人は沢山いるんだよね。まじですげーなぁと思っています。だって、私にはそれはできなかったから。
応援するって、自分がそうしたいと思うからすることであって、好きになったことに義務は生じない。
だから、誰かのファンをやっていくなら、
「ずっと、じゃないかもしれないけど、でも今この瞬間、すごく応援してるぜ!好きなんだぜ!!!」
…くらいの感覚が、一番ちょうどいいのかもしれないな。と最近では思っています。
未来の約束はできないし、保険をかけることもできない。
誰かのファンでいるならば、推すならば、できることはやっぱり「今、ここにいること」だけなんだなぁ、と感じる毎日なのでした。
トータルとして、結論、今は今しかないから、悔いのない観劇ライフ&推し活をしていきたいものですね!!!…という具合にどんどん、刹那的になってしまわざるを得ないのですが、でも心からそう思うし、先のことなんて色んな意味でわかんないんだから、他にできることなんてマジでないんだよね。
後から振り返ったときに「悔いがなかった」と思えるのがきっと一番ハッピーなんだろうな。
彼を応援していた期間については、今考えてもとくにこれといって悔いは残らなかったので、そういう意味では良かったのかもしれないな、と思います。
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このあたりの話、書いてみてちょっとスッキリしました。ちょっと振り返り欲が生まれたので、そのへんを消化したかった感じです。
なんというか、自分がどんどん古い存在になってってるのを最近すごく感じるんですよ。
日常的に目にする若手俳優の名前、知らない子がどんどん増えていっている。一方私はといえば、いつまでたってもテニミュ2ndシーズンをやっていたころからどこか頭が抜け出せないままでいる、だけどそんなテニミュも気づいたらもう3rdも終わりに近づいていて…ということに、愕然としたりもして。
いやこりゃほんと時間経っとるわ~と焦り、ちょっと自分の観劇ライフの前半を振り返って、今書けることを書いてみようかな、と思った末に生まれた文章でした。
なんかよくわからないものを読ませてしまってすみません。笑 おつきあいありがとうございました!
おしまい