こたえなんていらないさ

ミュージカル『刀剣乱舞』を実家とする舞台オタクのブログです。推しとご贔屓がいます。

宝塚花組「アウグストゥスー尊厳ある者ー/Cool Beast!!」を見た(4月24日宝塚大劇場)

4月の終わりに、人生初の宝塚大劇場での観劇を体験してきました。
本当に色々な巡り合わせで、わたしがマチソワのチケットを持っていた4月24日は、なんだか特殊な一日になってしまいました。
「大劇場での有観客公演は、翌日の25日まで」と決まった劇団からのお知らせを、その日のソワレ開演前の客席で知りました。
ものすごく楽しかったことの直後にこのつらい現実が待ち受けていて、そこから感想を自分の言葉で外に出すエネルギーを失い、その後なんとか書いてはみたものの結局長いこと寝かしてしまい(そしてそのままロミジュリに突入)。
旬を過ぎまくりもはやお漬物のような状態の文章ですが、せっかく書いたので、整えて公開しております。
5月10日の千秋楽配信の感想はふくまず、お芝居・ショーについて、以下長文を書いています!(ドン引きですが1.3万字あります。。)そして柚香さん・華さんトップコンビお二人にとても偏っています申し訳ないです!




◆「アウグストゥスー尊厳ある者ー」の概要(※トップコンビ視点)

今回花組が演じるのは、帝政ローマの祖となった初代皇帝アウグストゥスの若き日の物語です。
トップスターの柚香さんは、”アウグストゥス”という称号を得る前の青年オクタヴィウスを、トップ娘役の華優希さんは、オクタヴィウスの家系から見ると政敵に当たるポンペイウスの娘、ポンペイアを演じています。

ポンペイアは、愛する父を死に追いやった政敵であるカエサルを激しく憎んでおり、ローマ史上初の終身独裁官となったカエサル凱旋式の夜、カエサルの命を奪おうと、剣を手に彼の屋敷へ乗り込んできます。
その場に居合わせたオクタヴィウスにすんでのところで取り押さえられるポンペイア。
オクタヴィウスは、元老院で思惑の異なる派閥が確かに和解しあったことの証にと、彼女を捕らえずにそのまま帰してやるよう大叔父であるカエサルに訴え出て、その意見は無事に聞き入れられます。
辛くも命拾いをする形となったポンペイアですが、下心など特になく彼女を助けただけのオクタヴィウスに対し「いつか後悔するといいわ。今夜私を助けたことを!」と復讐の悲しみを宿す強い眼差しで言い捨て、その場を立ち去るのでした。


舞台上では、このオクタヴィウスとポンペイア二人の関係性を軸に、「憎しみ」という感情を巡った物語が展開されてゆきます。
帝政ローマが始まる直前、長く続いた内乱の最後の時代。人心は荒れており、民衆は自分たちを導く英雄を熱狂的に追い求めていますが、なにか大いなる力にただ縋ろうとする一方にも見えるその様子は、どこか無責任さも感じさせるもの。
その混乱期の中、名家ユリウス家に生まれたオクタヴィウスは、敬愛する大叔父カエサルがブルートゥスによって暗殺されたことにより、若くして政局の中心へと否応なしに押し出されてゆきます。
当初はわかりあえない立場として出会ったはずのオクタヴィウスとポンペイア。
しかし、彼らの魂の交流は、「憎しみ」に囚われそうになってゆくオクタヴィウスの精神を救い、最終的に彼を「アウグストゥスー尊厳ある者ー」の称号へ、つまりローマを平和へと、導いていくことになるのでした。
ものすごくざっくりとまとめると、トップコンビに注目した形でのストーリーはこんな感じ…と理解しています。

◆トップコンビが演じた「魂で響き合う」という特殊な関係性

上記のとおり、今回の花組トップコンビは恋人同士を演じていません。手を繋いだり、抱きしめあうようなシーンは一切なく、表現におけるいわゆる「甘さ」は、潔すぎるほどにゼロです。
公演が始まる前、ふたりの関係性について「魂でわかりあうような関係性、精神的な結びつき」といったような語彙の説明が事前に公式からいろんな形で出ており、
「えーとそれは一体どういう…?見てみるまではわからないな…」とは思っていたのですが、実際観劇したところ、そこには本当に「魂の理解者同士」と表現したくなるような、そんな世界がありました。

しかも、トップコンビお二人でのシーンは、音楽さえもほぼない、静寂の中でのセリフのやり取りのみがほとんどになっているんです。(いちどだけデュエットで歌う場面もありますが、ほぼ無音+台詞の構成。)
最初見たときはかなりびっくりしました。
舞台上に派手さが一切なく、もはやちょっと酷なのでは?と思うくらいに、二人のシーンだけ、徹底的に無音演出!

でも驚くべきは、その究極に引き算をされまくった演出でも、難なく(と言いたくなるほどに)その場面に説得力を持たせられてしまっている、お二人のお芝居の力強さでした。
セリフだけのやり取りで、人として人を思う、その真摯なありようが、ここまで胸に迫るものとして表現できてしまうんだ…と。
このお二人だから、演出の田淵先生はああいう演出であり物語を当てたのかなぁと想像しました。なにせそれで勝負ができ、見応えが生まれてしまう。
シリアスなストーリー、二人での場面にここまでのストイックな設定と演出を重ねて来られても、その場に生きる感情の交流ができるトップコンビなんだなぁと思うと、やっぱり私はこのお二人のお芝居にどうしようもなく心惹かれたのだな…と実感しました。


書いてしまうと野暮なので伏せておきたい、ポンペイアに関するとある設定があるのですが、その内容を踏まえたポンペイアの表情の、あのえも言われぬ美しさ…。慈愛に満ちて、まさに女神のようでした。
華さんのお芝居には、本当に自然と泣かされました。彼女が発する言葉のひとつひとつに、勝手に心が揺さぶられるのです。心の真ん中をギュッと握られるような感覚。
あんなふうなお芝居をする娘役さんって、あんまりいないのではないか…?と見ていて思わず感じてしまうくらい。客席にドン!と届く芝居の圧がすごく強くて。真っ直ぐこちらのど真ん中めがけて、純度の高い感情のかたまりが飛んでくる。


対する柚香さんのオクタヴィウスは、わかりやすく物語を引っ張って動かす訳ではないのに、それでも逆説的に際立ってしまう「真ん中にいる」存在感が見事でした。
オクタヴィウスは勇ましく運命を切り拓くようなわかりやすいヒーローではありません。家柄は良いが、本人はごく素朴である心の優しい青年が、徐々に運命に巻き込まれていく…といった趣のストーリーなので、ちょっと違うんですけれど、ナイスワークのときに抱いた感想を思い出しました。ジミーは周りの騒動に巻き込まれるだけで、ビリーへ恋した以外は実はとくに何もしてない!ってやつです。
今回もそれと同じで、明確に周りを引っ張っていくようなストーリーテラーではないんですよね。
でもそうやって、周囲で起こる出来事を自分がひたすら「受ける」ことによって、確かに物語そのものを前へと進めることができるんだなと。
そういう作りの物語の中心にいる柚香さん、うまく言えないんですが、物語のほうが柚香さんに吸い寄せられていくみたいに感じられて好きです。
演出家がそういう作品を当てたくなるのも、彼女のトップとしての魅力のひとつなのではないか?と勝手ながら思ってみたりもしました。

◆「黒目の大きさが…」

Twitterで周囲の人と盛り上がっていたのが「柚香さんは黒目の大きさが変えられる」という話でした。ええと、どういうことかというと…。笑
物語の終盤、エジプトとローマの海戦のシーン。
アントニウスとの一騎討ちの途中、剣を取り落してしまうオクタヴィウス。
しかし彼はアントニウスの挑発に満ちた言葉をきっかけに、己の身の内に潜んでいた憎しみに、瞬間的に魅入られてしまいます。
突如なにかが乗り移ったように猛然と剣をふるいだす、その憎しみスイッチが入った瞬間。
オクタヴィウスの目がまるで昔の少女漫画みたいな、それはそれは恐ろしい三白眼になるんです。
「え?いや白目の面積、さっきまでと違くない!?」ってなって、見ていて本気でビビります。
あれ、まじでどうなってるん…???柚香さん、それどうやってるん…?
その後、背後に幻のように現れて風向きを変えるポンペイアの導きにより、オクタヴィウスは正気を取り戻します。(ここの華さんの美しさがまた!言葉にならない!お衣装も本ッ当に心底、美!)
オクタヴィウスが「ポン…ペイア…?」と呟きながら、すっと全身から毒気が抜けていくようになるところでは、柚香さんの黒目の大きさが、また元に戻ってるのよ…。
そうか…柚香さんは黒目の大きさを操れるんだ!と今回覚えました。ほんとだもん!嘘じゃないもん!!!


上記の他にも、柚香さんの表情の豊かさはもう、言うまでもなく…という感じなのですが、本当に常に色鮮やかで。
今回のようなシリアスなお芝居でも、そのバリエーションは決して曇ることがなく。
物語冒頭の、まだ憂いのない、ただ健やかに朗らかな青年期の、若々しい笑顔。幼馴染のアグリッパと交わすいたずらっぽい眼差し。
カエサルの遺言状で自分が後継者に指名されたことを知った瞬間の、どこか泣き出しそうな、爆発しそうな感情を深く抑えこむような、複雑な表情。
そしてラストに真っ白で荘厳な衣装を身にまとい、これからローマを背負って立つ存在として歩き出す、あの威風堂々たる姿。

18歳だった青年が、愛する人との別離の悲しみや、世の中だけでなく己の身にも宿る憎しみの感情を知り、それが存在するのもまたひとつの事実として受け入れることで、より強い存在となっていく。
そして自らの思いと力によって未来を切り拓いていく、頼もしい”尊厳者”となっていく様子が、約1時間45分ほどの物語の中で、鮮やかに伝わってきました。


本作では、皇帝アウグストゥスとなった後の時間は描かれず、オクタヴィウスがまさにその”一歩目”を踏み出そうとする場面で物語は幕切れを迎えます。
決して平易ではなく、苦難も多いものであるはずのトップスターとしての道のりを、この先柚香さんが真っ直ぐに歩んでいけるように。そしてその未来がこの眼の前の光景のように、明るく眩しいものであるように。
花組トップスター柚香さんへの初めての書き下ろし新作であり、また華さんの退団公演でもある作品には、そんな願いが込められているように、見ていて勝手ながら受け取りました。
トップに対してあてがきの作品が作れるシステムって、本当にすごいですよね…。そのときのトップさんのための新作が見られるって、潔いまでのスターシステムを敷いている宝塚ならではの醍醐味なんだなぁと改めて感じました。

◆「憎しみ」とは何だったのか

今回は珍しく、事前に古代ローマについて2冊ほど本を読んで*1予習してから臨んだのですが、その甲斐あってなのか、物語の理解にはとくに困難は感じなかったです。(もともと世界史選択だったので最低限のうっすらとした記憶がある…といえばあるけれど、本当に記憶の残り香レベルだったので。。)
もちろん、ストーリーは史実とは異なる部分もけっこうあるとは思うんですが、どちらかというと世界観を把握するために情報を入れた感覚だったので、一種の歴史ファンタジーのようにして楽しめました。

予習しておいて役に立ったかなと感じたのは、「多神教である古代ローマの人々は国家における宗教的な斎祀を非常に重要視し、神々を崇める姿勢を強く持っていた」というような意味の情報かなぁ。
本作には「神々ーその正体は”憎しみ”の化身ー」という、わりと謎めいた説明の役があります。
彼らは真っ黒な衣装を纏い、顔にはそれはそれは恐ろしげなメイクを施して、人々の心に憎しみが巻き起こるシーンで度々舞台上に現れる役割なのですが、
仮にその存在が、おなじ概念を示すにせよ、単に「憎しみ」とだけ名付けられていたら、見ていてもなんだか締まらない感じがするかなと思ったんです。
ローマの人々の行動規範を心の奥底で規定している存在に、神を崇める信仰心があり、彼らは強く神を畏れている。
その畏怖の心と同一の階層に、人々が気づかぬうちに抱いている「憎しみ」が存在する…といった捉え方ができるような気がしました。全くもって的外れかもしれないですが。


「憎しみはなくならない。この世に人が生きている限り」ポンペイアが言う台詞はまぎれもなく真実であり、またその残酷さをも伝えるものだなと感じます。
憎しみそのものの存在を、我々は否定することはできない。
でもそれを知った上でなお、己がどうあるかは、自分の意志で選択することができる。
その意志が人の心に宿る強さであり、それこそが希望なのだと、オクタヴィウスにひたむきに語りかけるポンペイアから、そしてラストに眩い威光の中に佇む”アウグストゥス”となったオクタヴィウスから、伝わってくるように思いました。


本作から伝わってくる「どういった状況に置かれても、心の在り様を選ぶのは自分自身である」というメッセージは、とても心に響き、大切にしたいものに感じました。
誰かを・何かを強く憎むことは、自分自身を失うことに繋がりかねない。
その危うい橋を渡ることなく、たとえ現実がどれほど過酷なものであっても、オクタヴィウスは諦めずに、内なる祈りを信じて歩んでいく。
かつて大叔父が語った「ひとときの夢を見せる」存在として、人々に望まれる、唯一無二の英雄になっていくために。
…やっぱりこう書くと、本当に今の柚香さんにあてて作られた物語だな、ということに深い納得がいく物語でした。


◆Cool Beast!!について①幕開けからの衝撃~裸足でデュエダン

さて、ショーの感想に参りますが…ここから徐々に筆者の人格が変わってゆきます!簡単にいうと頭が悪くなります!
わたくし、花組のショーを生で見るのが今回初めてでして、もうそれはそれは楽しみにしておりました。
「Exciter!2017」の映像を見たとき、一瞬で虜になってしまったんですよね。。こ、これがショー!と思って。えーきさいたー♪って好きすぎてApple Musicで即アルバムDLしたもんね。
有識者のかたに「花組と大介先生のショーの相性は間違いがないから期待してていいよ!」と言われ、その後Santé!!を見て「なるほどそういう意味ねわかった」と納得し…
だって、パッショネイトラテンショー、ですよ?その真ん中に柚香光、ですよ。そんなの、最高なやつに決まってるじゃないですか!!!

…というワクワクを隠しきれずに臨んだんですが、いや~~~も~~~とんでもなかった~~~~~~~。
まじで秒。楽しすぎて体感が秒。そしてなんか泣けてくる。宝塚のショーってすごい!!!(※どんどんと順調に下がっていく語彙力およびIQ)
全部の場面について書きたいけどそんなことしたらやばいことになるのでダッシュでかいつまみます…!


全員そろってバーーン!幕開けいきます!のところ、ベスティア様が本当に野獣で。。(なんじゃそりゃ?な説明書いてしまいましたが、「S3 フェロクス・ノクテ」ですね、パンフレットって便利…。)
公式ページにある「野性的な色気を持った柚香光は、まさにCool Beast!!」…とは?って思ってたんですけど、見て「なるほど~~~(完)」ってなった。いやまじで柚香さん、Cool Beastだわ……
顔のサイドのラインに落ちかかる、ウェーブしてる長めの赤い前髪がめちゃくちゃ野性味溢れててセクシー!
ひっくい体勢になってぐっと上半身を落として銀橋に向かって駆け出す姿勢とか、その前傾姿勢っぷりにそもそも野獣の説得力がありすぎる。そして爪ェ!皆さん仰ってますけど、「ギュン!」って感じに指先に肉食獣の爪があって!(※見えるという意味)
あ~こりゃ大変だ、大変なものがはじまったわ!って思いました。のっけから助からなさがすごい。
全員で踊りながら銀橋をどんどこ渡っていくところ、もう「た~~のし~~~!!!」ってなって、拍手&手拍子をしながら顔中が全力笑顔でした。
っていうかびっくりするんですけど、銀橋の幅あんな狭いのに、ソロを歌っている人の後ろを踊りながら移動できるジェンヌさんがた、すっげ~って気持ちになる…
歌詞がそもそも楽しい。「ギャオ!ギャオ!ギャオ!」ってゆってる。わたしも言いたい~!!!てゆうか、これほんとだったらギャオギャオしてる花組の皆さんが客席に来てくれたんだろうな~くそぉ~!!?悔


…とかやっている間に、あっという間に「水の戯れ(S5「テラ・インコニタ)」、またの名を柚香さんの夢こと「裸足でデュエダン」がやってきてしまい、めちゃくちゃ動揺しました…。
初回見たとき「えっもう!!?」ってなってマジ慌てた。心の準備ができてない、こんな序盤だったとは!?
細やかなラヴェルのピアノの旋律にあわせ、スッ…と3方向に幕が開いていく光景だけでもうすごく好きなんですが、なんていうかあの動き、ぐっと心のフォーカスが舞台中央に寄るような感覚になるからかも。
そこに現れる、シンプルな赤い衣装を身に着け、裸足で踊るベスティア柚香さん…。
もう言葉がでなぁぁい…。ただずっと見てたい…って思う。
柚香さんの踊る姿からは、詩情が迸っていると思います。ダンスが上手い、っていう説明じゃその魅力はとうてい説明ができない。体中から物語が溢れ落ちているようで。
川のほとりで水をすくって飲み、ふと振り返った先に見つけた一輪の美しい花、フローレスに恋をするベスティア…。
軽やかに舞台上を駆け回るお二人の動きを見ていて、ここはデュエダンを見ているというよりも、一遍の美しい物語を見ている感覚になりました。ほんっとうに息を呑むほどに素敵。。
恐る恐る傷つけぬようにフローレスに触れようとするベスティア、驚いて身を引いたかと思えば、今度は自分からぐっとベスティアを覗き込み、悪戯っぽく微笑むフローレス
そこに重なってくるのが美穂圭子さまの美声で、やっぱり情報量が多くて「うわぁ~~~(混乱)」ってなって気づいたら、いつの間にかおふたりがセリ下がっていくところだった…。「え?あれ!?もう一回お願いします!!!」になる!(なるな)
舞台上の動きは激しいけれど、受け取る印象はとても静謐なもので。ラヴェルピアノ曲に本当にぴったりと来ていて、大好きすぎる場面になりました。ああ、書いてたら今すぐ見たくなってきた。。

◆Cool Beast!!について②お肉バトル&中詰

この調子で書いてたらどうなる!?って感じなのでだいぶかいつまみながら行きます!
次に触れたいのはやっぱりお肉バトル~!!!(ナイトライフですね)
ここ、柚香さんが冒頭でかけてるティアドロップ型のサングラスがま~~~お似合いになること!いや顔、ちっさぁ~!!!知ってたけど!
「男なんてララララ~♪」の歌い方、ワルそうで最高ですぅ…信じないほうがいいんですねわかりました!なる。だってほんとそういうワルそうな見た目してるもの!あれは間違いなく悪い男!!!(でもおいしいお肉ごちそうしてくれそう。)
お隣で踊るなっちさんのダンスもかっこよくて!なっちさんのダンス好きなの…退団さみしい…!涙
大好きな「お肉」を持って歌い踊るトップスターさん、という図がそもそも良すぎて、どうしたって笑顔にならざるを得ません。柚香さんといえばお肉、お肉といえば柚香さん…くらいにしっくり来すぎてしまうのである。
マイティーさんとの遠慮のないバッチバチのダンスバトルは、お二人ともまじで「楽しそう」に尽きる。良すぎる。お二人だけでなく、男役も娘役もほんっとあの場にいる全員が心の底から楽しそうで…エネルギーのかたまり…
花組の舞台から感じる、なんとも言えない「圧」がすごく好きなんです。ひとかたまりの熱量が、こちらに遠慮なくグイグイと迫って来る感じ。オラついて治安が悪いの最高なので、今後も遠慮なくやっていただきたい!
4月24日に見たときは、ラスト銀橋に出てきて手をガッとあわせるところ、柚香さんがマイティーさんの手を掴むと見せかけてスカしたうえ、軽~く蹴りを入れたりしてました(治安~!)。
同期という概念はしっかりと学習しましたが、ここはその点でも胸がいっぱいになります。。
柚香さんとマイティーさんがお互いに向け合う「信頼!」って感じの屈託のない笑顔は、本当に見てて幸せな気持ちになれる…。


そして今回覚えた中詰という存在。
ショーの真ん中らへんで全員が舞台上に現れて歌って\わ~!/って盛り上がるパートのことを中詰と呼ぶのだと知りました!(※その理解でいいのか?)
中詰、あなた、中詰っていうのね!パンフレットに則り送り仮名は略しております!
ここも本当に、たのしいよ~!!!にぎやかだよ~!お祭りだよ~!!!ジャンゴ~!!!からのテーマソング、Cool Beast!!ふたたび。この流れ、どうして落ち着いてなどいられようか。絶対に見ながら体温がガンガンに上がっているに違いない。

ところでステージに出てきたドレッドヘアの柚香さん、なんであんなに危険そうなんでございましょうか。女豹さんがたに取り巻かれながら、とてつもなくセクシーな色気をダダ漏らしていらっしゃり、あれは大変よろしくありません(最高です)。
なんというか柚香さん、ところにより動きのエロティックさにもはやR指定がつけられそうな瞬間が…とくに腰つき。。鼻血出そうになる。。本当に見ていてドキドキする…。

ここは最後銀橋に残る5人のパート、楽しいけどどうしようもなく泣けました…。だってこの並びは本当に、今しか見れない花組だな~!って思うと、胸に来るものが…。
あと下手側にはけていきながら「アイアイアーイ!!!!!」って元気いっぱいに叫ぶ華ちゃんさんが、もんのすごく可愛いです。男役の「フォッ」と同じで、この娘役独特の甲高いかけ声の出し方、クセになる!
ちゃんとこの「アイアイアーイ!!!!!」に合わせて、ピンスポがパッ!ってその瞬間の華ちゃんさんを捉えてる様子に気づいたときは、も~めちゃくちゃ感動しました!

◆Cool Beast!!についてその③問題の、おみあし…。

さて、とても全部は触れられない!って感じなので一気に一番たいへんなパートに飛ぶのですが…。
あきらさんエストームと女装ベスティア柚香さんのデュエダンが、、今回わたしは一番やばいです。ほんとうにやばい。あれはだめ。あかん。…なに!!?
(※男役のスターさんが女性の姿で演じることを、もともとが女性なのに「女装」っていうことに最初「どういうこと!」なってましたが、もうすっかり慣れました。笑)


女装なので、柚香さんの美しすぎる完璧なプロポーションがこれでもかというほどに顕になる…ので…「いけません!そんな!だめです!!!」っていう気持ちで、ひたすらに遠慮なくガン見しています…。
いや本当、もはや見てはいけないものを見ている気持ちになる。だって普段は男役として見ているんだもの!?ドギマギするし、ドキドキもして、我ながらよくわからない状態になってしまう。。

またお衣装がほんっとうに良くて!?なんですかあれは…!?
右脚は長いパンツスタイルで左脚はレオタード+その上に透ける素材のアコーディオンプリーツのラップスカートみたいな…?え、何?天才なの???(※このお衣装に関しては、後日発売された「歌劇」に衝撃の背景がサラリと書かれていて泡を吹きました…天才の犯人は他でもない柚香光さんご本人でいらした…。)
この左脚のプリーツがいい仕事しすぎでして…そもそも透ける素材が選ばれてるのが心憎いし、それに覆われて見えたり見えなかったりする生脚…かと思えば、途中振り付けの中で「バッ!!!」と音の出そうな勢いで、手で勇ましく布を跳ね上げて、自らそのおみあしを見せつけてくださったりもしてしまう柚香さん。。さ、サービス精神!?
もう、とにかく妖艶なんです。。その全身から、さっきまでの通常版ベスティア(?)とは違う、艶っぽさによる色香がとんでもなく漂いまくっている。でも眼差しの本質は常に獣なんですよね…
どの瞬間も、あまりにも美しくて…。なんだかもう、性別を超越した存在というか、もはや「美」そのものの概念だな、という感じで受け取っている場面です。全身で表す情報量が恐ろしい。。
というか、こんなに極端にいろんなスタイルを行ったり来たりできる人いるか!?って思う。。振り幅のでかさよ。。
だってさっきまでベスティアだったじゃん!?だし、このシーンのあとも戻ってきたらやっぱりベスティアだし!一体どうなってるのよう!!!


4月24日にマチネを見た後、ショーのあとにのこった記憶の8割がこのパートに占められてしまい、しばらく「おみあし…」とうわ言のように呟く羽目になりました。おお、なんと罪深い場面なのか。
寝そべった状態で上に勇ましく突き上げた脚のラインとかが、脳内に蘇ってきてしまい…なんちゅうパーフェクトなラインなの…柚香さん、筋肉までもが美だった…。
この「ペラクトルム」の一部始終、あまりにも集中して見たい気持ちが強すぎて、自分の呼吸を本気で邪魔に感じました。だってオペラグラスが曇るんだもの!?
集中しすぎてると、無意識で息を止めちゃうんですよね…そんで息を止めると自然と次の呼吸が大きくならざるを得ないから、そのタイミングでめっちゃ曇る!困る!!!
明日相当久しぶりに観劇するのですが、やっぱり見終えた後の自分がまた「おみあしbot」になってしまいそうな残念な予感しかしません…。笑

◆4月24日に、大劇場で見たもの

最後に、当日の話を少しだけ。

あのときは本当に直前まで、何がどうなるか、わかりませんでした。
わたしは確かに4月24日の公演チケットを持ってはいるけれど、本当に観に行けるのか、色んな意味で全く見通すことができず。
そして前日の4月23日に緊急事態宣言が出され、それを受けた劇団は「4月24日は予定どおり上演します。以降の公演については追ってお知らせします」という旨の告知を出しました。
当日、宝塚大劇場に向かっているあいだの新幹線の中で、なんとも言い難い感情に押しつぶされそうでした。

今このタイミングで大劇場に足を運んでおきたい、なぜなら大劇場に立つ華さんとあきらさんの姿を見られるのはこれが最後だから…そう思って、この状況下での遠征の”覚悟”を決めてチケットを取ったのは自分。
それでも反面、言い知れようのない不安も尽きずに湧いてきました。どんなに気をつけていても、感染リスクは絶対にゼロにはならないから。
本当はもっと違う感情で初めての大劇場観劇を迎えたかったけれど、でもこれが今の自分にとってのベストだと決めたから、気をつけられるだけ気をつけて、とにかく「今」に集中して楽しもう、ただそれだけを固く決意して客席に座りました。


そこで見せてもらえたものは、本当に「この世の憂さを忘れられる」としか表現のできない、素晴らしい景色の数々。
たくさん泣いてたくさん笑顔になって…そして、一番最後、フィナーレ前のデュエダンの終わりに、一生忘れられない光景を目にします。

華さんをセンターに招いてのこの時間は、大劇場での有観客ラストとなった4月25日まで続いたそうです。
その初回となった、4月24日のマチネ。
あのとき、客席も華さんも、本当にみんなで「…?」と一瞬不思議な空気に包まれて、でも柚香さんが意図するところを理解した瞬間、ブワッとなんとも言えない熱気が劇場じゅうに満ちて…。
センターに歩み出て、深々とうつくしいお辞儀をした華さんに送られた、”割れんばかりの”としか表現できない、大音量の拍手。


ただ拍手をすることでしか、今のわたしたちは気持ちを伝えることはできないけれど、あの瞬間の拍手には、本当に万感の思いが込められていたことを体感しました。
もしかしたら、もうお客さんの前で大劇場公演を続けることは叶わないかもしれない。
サヨナラ公演なのに、大切な本拠地でお客さんにサヨナラを伝えるそのチャンスが、消えてしまうのかもしれない。
そのことへの言い知れない苦しさや悔しさと、今この瞬間、目の前で素晴らしい輝きを見せてくれたことへの尽きぬ感謝。卒業していく華さんを精一杯祝福したい客席の気持ち。
そして、トップスターとしてこの時間を作り、華さんへ贈ろうと決めた柚香さんの思い。


あれは、その場にいるお客さんみんなの、言葉にできない様々な感情がぐわっと劇場中に増幅されたような、生き物のように熱を帯びた、ものすごい拍手でした。
眼前の光景の美しさと、爆発的なその音量に取り巻かれていたら、本当に涙が止まらなくなった…。
嘘のない瞬間を積み上げていくことだけに真摯な人たちの、心からのエンターテインメントが、どうかこれ以上失われることのないように。
いいように扱われて、踏みにじられることのないように。
何度そう祈って願っても、私達の気持ちはことごとく折られて来ている。
けれど、たとえそうだとしても、大切に思い、大好きだと感じる事実は消せないし奪えないと、瞳に炎を宿すような感覚で、深く心に誓うように拍手をしながら思いました。



本当は、もっとすぐに書ければよかったんですけれど。観劇後、公演中止の事実に、どうしても気力がやられてしまって…。
わたしは明日がようやく日比谷での初観劇なのですが、
残り少なくなってきた公演期間も、花組の皆さんが全力で舞台を楽しんでくださることを願っています!大千秋楽までの全制覇が、どうかこのまま無事に叶いますように。
わたしも明日は客席で目一杯楽しんできます!

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絶対にまた来るねと思いながら撮った宝塚大劇場

*1:「皇帝たちの都ローマ 都市に刻まれた権力者像」中公新書青柳正規著 「興亡の世界史 地中海世界ローマ帝国講談社学術文庫本村凌二著 の2冊です。このツイートを参考に2冊選んで見ました! https://twitter.com/worldofyuki/status/1363348883225550852