こたえなんていらないさ

舞台オタクの観劇感想その他もろもろブログです。

大好きとありがとうは、いつだって祈りのように

ジャンルがなんであれ、表舞台に立つ人のことを、わたしは本当に尊敬している。


その身に宿す様々な才で、見る側を魅了し、心が浮き立つような瞬間を数え切れないほど届けてくれる。
存在を思い浮かべるだけで自然と笑顔になってしまえたり、つらい時苦しい時、ふと前を向こうと思えるエネルギーをくれる。

主戦場がどこなのか、舞台なのかテレビなのかライブシーンなのか、彼らが活躍する場には本当に様々なバリエーションがあるけれど、
どんな場においてもその人たちが届けてくれるあらゆるパフォーマンスは、いつだってまぶしく光り輝いていて、
観客であるこちらを心の底から励まし、楽しませ、幸せな気持ちにさせてくれる。
本当に大好きだ。
素晴らしいものをいっぱい届けてくれて、表に立つという役割を選び続けてくれて、ありがとうと思う。感謝の気持ちが自然とあふれる。


そんな彼らに対して、わたしたちができることは驚くほど少ない。
その「仕事」の姿に惹きつけられ、好きになり、応援をするわたしたちには、「仕事」のごく一部の側面しか見えない。

彼らのプライベートになにかものすごく辛いこと、困難なことがあったとしても、それを直に分かち合う役割を、わたしたちが担うことは決してない。
人生の道筋を、共有している存在ではないからだ。
背負った苦しみを減らすことを手伝ったり、身近な支えとなるような場面は、絶対に訪れない。

その役割は、彼らの人生の中で、実際に側にいる人たちだけのもの。
友人、後輩や先輩、恋人、家族、それぞれに特別な立場の人が担うべきもの。
だから、わたしたちにできることは、本当に少ない。何もできない瞬間が、ほとんどだ。
それがファンの宿命である。


しかし、彼らが選んだその「仕事」に、もしも迷いが生じたとき。
「こんなことをやっていて意味があるのか、自分は一体なんのためにこの仕事を続けているのか」
そんな思いがもしも頭をもたげることがあったなら、
わたしたちはその疑問に対して、力強く真正面から「意味がある」と答えることができる。それならば、間違いなくできる。


あなたの選んでいるその仕事は、誰かを力づけたり笑顔にすることができます。
生きている誰かの心持ちを、明るい方向へと変えることができます。
あなたの姿に触れることで、生きる上で必要なエネルギーを静かに得ている人がいます。
比喩ではなく、明日からの日々を改めて生き抜く活力をもらっている人がいます。
あなたの仕事は、誰かの人生にそんな機会を信じられないほどたくさん提供できる、とてつもなく素晴らしいものです。ものすごく尊いものです。


そうやってその仕事に意味を持たせることが、時には逆説的に相手を追い詰める原因になりうることも、理解している。とても苦しい。
だけど、こうして両手にたくさん受け取ってきたポジティブな感情の塊を、否定するのもやっぱり変だと思う。
だから、本人がそう望む限りは、どうか心おきなくその魅力を世界に放ち続けていてほしいと願う。


エンターテイメントにしかできないこと、救えない心は、この世に確実に存在します。
いつもたくさん、光を生み出してくれてありがとう。
全身で味わいたくなる美しい歌声や、見ているこちらの心まで踊るような見事なダンスを届けてくれてありがとう。
感情を揺さぶるお芝居や、見た瞬間に心を惹きつけられてやまない、天からの贈り物のような笑顔を見せてくれてありがとう。


たとえどんなに馬鹿みたいでも、
わたしは彼らにただそれだけを伝え続けていたいし、誰にも聞かれなくても勝手に表明し続けていたい。
こちらからはミリほども、その人生に対しては本当に一切何もできないのだとしても、むしろだからこそ、その「仕事」の側面がもたらす光の大きさを言葉にしたい。


あなたがたが生み出してくれる表現は、いつだってこの世界を明るく照らすのだという事実を、
その様子に元気をもらっている自分の姿で、これからも証明し続けていたい。


自分が知っていること、受け取ったものだけを、わたしはこれからも自分の中でどこまでも大切にする。
許さないと思ったことは永遠に許さないし、知りたくないことを知るつもりもない。

大好きな人たちが、そのかけがえのない内面世界を、外の何者にも侵されず損なわれず、どうか大切に守り続けていられますように。

だいすきです。