こたえなんていらないさ

ミュージカル『刀剣乱舞』を実家とする舞台オタクのブログです。推しとご贔屓がいます。

舞台「呪術廻戦」じゅじゅステ 東京公演を見た感想(※激・肯定派の意見)

開幕をものすごく楽しみにしてました!じゅじゅステ。
チケットがなかなか取れなくて、追加発売とキャンセル待ちでなんとか見たい回数をかき集めたんですが、
も~~ほんと大好き!!!わかってたけど!!!

※以下、舞台内容の具体的ネタバレを含みます。
※これを書いている私は原作はコミックスで追っている勢ですが、今回の舞台化で触れられていない先のストーリーに関しては一切ネタバレしませんので、その点はご安心ください。
※タイトルに入れたとおり「じゅじゅステ、激・肯定派」の感想なので、観劇した上で合わなかったな~と感じる方は以下自己責任でお願いします。楽しかった人は是非読んでね。まだ見てないけど評判が気になる人は、こういう人もいるんだよのひとつの例として気が向いたら読んでみてください。



じゅじゅステ、感想書こうとすると「楽しくて好き!」しか出てこなくてですね。いや~好き。楽しい。
私は今日このあとのソワレで見納めなんだけど、もう既に寂しい!!!
演出:小林顕作 × 脚本:喜安浩平 × 主演:佐藤流司は、私はそりゃあ好きに決まっているやつなのですよ(理由は後述します)。
なので「絶対に面白いはず!」という感覚で期待100%の気持ちで見に行ったんですけど、
私個人としてはいわゆる見たいものが見られた状態で、もうほんと楽しくて!
原作でいうとちょうど4巻ぶんが舞台化された形でした。


色々な意見があるらしいのはわかってるんですが、それでも私はまず第一に言いたい。
じゅじゅステ、何よりもちゃんと原作の芯を食った舞台化だと思う。それが見ていて一番感じたことでした。

もともと舞台化が決まる前からコミックス既刊はすべて読んでいたんですけど、
「呪い」という存在が、それぞれの登場人物の人生や人格形成にどのような影響を与えているかが、エッセンスとして明確に抽出され、描き出されているように感じました。

主人公:虎杖悠仁にとっては、やはり祖父からの遺言「大勢に囲まれて死ね」が生きる上での指針となった一方で、
裏返せばそれはやはり「呪い」になっている側面もある。
作品の冒頭を、祖父の声+死を前にした悠仁の独白で描き出すことにより、彼が運命に巻き込まれていく上での在り方や、その中枢にある「呪い」が何であるのかを、明確に打ち出すことに成功しているなと思いました。

恵ちゃんには恵ちゃんの、野薔薇ちゃんには野薔薇ちゃんの、そして五条先生には五条先生の、それぞれが背負う呪いがやっぱりあって(※もちろん4巻までの内容で描けないこともたくさんあるんだけど)、
それを踏まえて彼らがなぜそこにいるのか、何を目指して戦っていくのか、その本質的な部分を掬い上げている脚本だなぁと感じました。
喜安さんの台詞とか場面の取捨選択、本当に冴え渡っていると思う。


あとは、原作序盤の展開で個人的にすごく好きな、大人と子供の明確な対比がちゃんと舞台上にも展開されていた点が好きでした。
力を持つものが結局はすべてを制するその厳しい現実の中であっても、それでも高専の生徒たちは本来はまだ庇護されるべき子供。
作品の中における”大人”たちがその点において自分の矜持をしっかりと示すところ、すごくグッとくるポイントなんですよね。。
ナナミンや伊地知さんは、悠仁を正面から心配して、はっきりと「行ってはいけない」と諭す。
それでも、二人に謝りながらその制止を振り切って、自分の足で駆け出さずにはいられない悠仁
そしてその先に待ち受けている、あまりにも辛い現実。
眼前で起きた出来事のままならなさ、どうしようもなさを、悠仁は正面から受け止めて、その先に進もうと決意する。


コミカルなところは(アニメでもそうですが)思いっきりコミカルに振り切って、めちゃくちゃ笑わせたかと思いきや一気にシリアスに展開していく。
今回は久々に劇場に旦那さんを連れて行きましたが(※原作は旦那さんの勧めで読みました。ちなみに彼は連載本誌追ってる勢)、夫婦ともどもめちゃくちゃ楽しみました。
4巻までって序盤も序盤なので、どんどんキャラクターを出していかないといけないですよね。
そもそも原作も流石現代の覇権タイトルやな!って感じのハイテンポでガシガシと進んでいくので、
「舞台にまとめるのかなり難しかったのでは?」と感じるのですが、
説明すべきところは説明しきって、キャラクターごとに削れない背景はワンシーンでもしっかり織り込んで……正直、よくまとめたな!?って思いました。
推しが本作に出ている友人、せっせと銀劇に通ってるのですが、たしか1話だけしか読んだこと無い状態で見ていてそれでも「楽しかった!」って言ってるので、
原作知ってる勢・知らない勢のどちらにもちゃんと訴求できる脚本になっているんじゃないかなと感じます。

キャスティングについて

キャスティングに関しては、ほんと全員正解!!!って叫びたくなります。良すぎ!!!
まず虎杖悠仁を演じるりゅうじくんの真ん中主人公力を堪能できるのが、もうめちゃくちゃ楽しいです。
普通の(※全然普通じゃないけど)高校生として、そのへんにぽんっと気負わずに存在してる感じ、肩の力の抜けた可愛さがもうそもそもたまらん。
からの、虎杖悠仁の半端ない運動神経を体現してしまえる、あの素晴らしい身体能力ったらないよね!
回し蹴りとかハイキックとか悠仁の動きは体術の宝庫なんですけど、見ていて惚れ惚れしてしまう。
りゅうじくんはいつ見てもとにかくその存在感が「本物」で、ただただすごい。。
悠仁がよく言う「知らん。」の台詞の言い方もすげ~好きなんだよな。
あと入学の学長面接の歌でセンターで踊ってるところは、かっこよすぎてかっこいいです!!!「好!!!」の感情に支配されてしまう。


そしてりょんくんの五条先生ーーー!!!!ずるい!美!!!立ち姿、二次元!!!
線の細さがまず五条悟だな!!!ってなりました。脚の細さと長さ。アクスタの写真なんて、もうそのまんま二次元じゃん……?
何より「無量空処」の、あの目隠しを外すところね……あそこがビシッと文句なく決まる、りょんくんの顔面のとてつもない美しさよ。。
徹底して軽薄なところと、その奥にある「最強」のとてつもない重み。似合ってるとしか言えないです!
原作だと一番好きなキャラクターは五条先生ですが、何の文句もありません!かっこいい!!!最強!!!
エンディングの髪を下ろしたグラサン姿がとくにパーフェクト造形でほんと心を鷲掴みにされました。拝みたくなった。ありがとうりょんくん。


あとは、なんといっても二幕をかっさらう真人ですよね。。
もっくんはもう、徹頭徹尾「役者」でらっしゃるので……もう流石の実力というかなんといいますか、演じてて楽しいんだろうなー!って思いたくなる素晴らしさでした。
純なる邪悪さ……絶対悪でありながらどこまでも透き通っているというか。ナナミンの言葉どおり「まだ子供」の呪霊なわけでね……
真人の持つ相反する部分を、自分の身のうちにしっかりと飲み込んだうえで、あとはもうあるがままに板の上で体現している様子に痺れます。
あまりにも似合いすぎてる。そりゃ~太田基裕に演じてほしい役だね!ってなりました。
旦那さんは「ノーマークだったけど一番良かった!」って、観劇後にめちゃくちゃもっくん真人を褒めちぎっていました。わかるよ!笑


でもほんと全員正解!だと思わずにはいられないの~~。
高月彩良さんの真希ちゃん、立ち姿の迫力と口調のおっかなさ、本人か!?なるし、藤田玲さんの物腰の恐ろしいまでの柔らかさがあまりにも夏油だし、
泰江和明くんの恵ちゃんの、呪術師としては明らかに実力者なんだけれど根底は高校生な感じとか、ほんと全員「好き」しかない!
和田雅成くんだとちょっと若いのでは!?と思ってたナナミンも、大人の枯れた感じがめちゃくちゃ出せてて流石だった。
あと、田中穂先さんの伊地知さん、伊地知さんすぎる!最高です!脇が実力のある俳優さんによってビシッと締まりきってるので、ものすごく安定感がある座組だなと感じました。

劇中の歌について

「はいこの中毒性、知ってる~~~!」ってなっています。ほんとあいかわらず、けんさくさんは作曲の癖が強いー!!!(好き)
特に好きな曲は……ちょっと選べん!!!笑
選べないんだけど、最初に見た時は野薔薇ちゃんの「スカウトされたらどうしよう♪」にめちゃくちゃ持っていかれました。
野薔薇ちゃん、可愛すぎんか!??!なにより声がめっちゃいい!!!
発声もクリアで聞き取りやすいし、それだけじゃなく声に滲む脱・田舎!の悲願達成の強さが好きでした。


作品の中において印象に残る、という意味だと、
やはりメインテーマになっている「この先どうなるかなんて~♪」の1曲目と、
少年院で特級を前にして死の可能性を突きつけられた悠仁の独白ソロ、あとはやっぱり真人のソロ。この3曲ですかね!


メインテーマに関しては、センターを張るりゅうじくんの主人公歌唱がそもそも最高なわけですが、
オープニングのラスト、悠仁が舞台上からはけて、恵ちゃんがセンターでめっちゃ歌って踊ってるところも大好き。
群舞+合唱の迫力によって、ここから何かとんでもなく新しいものが始まるんだ!っていう高揚感がすごくありました。
少年漫画感がすごく溢れているというか。バーン!と勢いよく世界観が打ち出されて、予感にワクワクさせられる効果があるなと感じます。


少年院でのソロに関しては、りゅうじくんの歌唱力、本当に爆伸びしたし安定したな!?というところへの感動があるのと、
何よりやはり感情を歌に乗せるのが、彼は本当にいつ聞いても抜群にうまいなと。
死に方を選べると思っていた、自分はもっと強いと思っていたという、あの悔恨や苦悩や恐怖や、色んな感情がないまぜになった独唱は圧巻。
その結果、実際に悠仁は一時的にとはいえ命を落とすことになるわけですし……
聞いていてすごくこちらまでヒリヒリとしてきて、表現者としてのりゅうじくんの実力に改めて脱帽!という気持ちになりました。
「呪い」の存在をまだどこか軽く考えていた悠仁はあの時二重の意味で死んでいて、その一つの終焉を描くに当たって効果的なソロだったなと思います。


真人のソロはなんかもう……完璧!て気持ち。もっくんさんよ、なんであんな歌がうまいか??笑
いい加減慣れろよと思うけど、あまりにもうまいので新鮮に驚いてしまう。
「なにーをーしーてもーいいー♪」って歌われるとなんかこう、ゾクゾクしますね!?
そ、そうなんだ……!?ってうっかり持っていかれそうになる。
なんというか、ある意味では順平をたぶらかしている存在なわけなので、
真人が順平を自分の手の内に取り込もうと惑わせ、酔わせている世界観とあのソロ、めちゃくちゃしっくりきているなと思いました。


あとはそれこそ、順平のソロも好きだったなぁ。うまく言語化できないんですが、あそこでそのメロディ持ってくるの、わかる!!みたいな。
何とも言えず、すっごいけんさくさんを感じました。メロディラインを作る巧なんですよねぇぇ。
退場のときには劇中曲のライブ音源じゃなくてあきらかスタジオ収録の音源がめっちゃ流れてるし、CD売ってくれないかな!?の気持ち。あるんでしょ!?売って!!?

真面目な話、本作への是非について。「是」側の意見として思うこと

さて、ここを遠ざけて書くことが今回はできなかったので、どうせ書くなら正面から真面目に書きます。

正直なところ、私は客層としてそれなりに偏ったところにいる自覚はあります。
なぜなら、本作と同じ脚本・演出コンビで2014年~2017年に上演された學蘭歌劇「帝一の國」を心から愛し、シリーズトータル30回超通っている女だからです。(りゅうじくんもライブを含めたシリーズ全4作のうち、3作に出演しています。けんさくさんとりゅうじくんが出会った最初の演目なわけですね。)

なので私、このクリエイターコンビが明確に好きなんですね。それゆえじゅじゅステの観客の中央値(?)では、まったくないと思います。
そのために今作が歌満載な部分にも、驚きは特にありませんでした。むしろ「でしょうね!」だった。
そもそも演出の名前を見た時点で予想していた範疇だし、キャストを見た時にも歌わないほうがおかしいと思っていたくらい。笑
ただまぁ、それはだいぶ外れ値としての感覚だな、ということは自覚してます。……してるんだけど!
超人気の覇権タイトルゆえ、仕方がない部分も理解しつつ、なんかそこまで、そーなっちゃうかな~!?という極端なリアクションの数々には、ちょっと面食らってるのが正直なところです。


そもそもなんだけど、「舞台」って書いてあったら歌っちゃいけんのか?みたいなの、私にはぶっちゃけるとよくわからんのだ。
「舞台って書いてあるのに歌い出した!ミュージカルだとは思ってなかったのに!」みたくハレーションを起こすのはまぁ、たしかに、となりつつも、、
ただ、そこは私がもともとミュージカル大好き人間なので、ちょっともう置いておきます!
苦手側の感覚がわからんのは申し訳ない、歌って踊るのが好きですまんよ!!!笑


でも、本件を巡るあれこれの本質は、たぶんそこではないですね。
これだけ人気のある、誰もがタイトルを知っているような現在進行系で連載中のジャンプ作品、
舞台化するならどうやったって、批判も合う合わないも出てくるに決まってるんですよ。
それはもう作り手側も重々承知の上だと思います。
その上で演出に他でもない小林顕作さんを当てている時点で、明らかに制作側の腹は決まっているっていうか、ある意味では勇気がありすぎるっていうか。笑
喜安浩平脚本と小林顕作演出の組み合わせ、そこに佐藤流司を主演、この方向性で作品を絶対おもしろいものにしてみせる!!!」って覚悟があったんだろうな~と感じずにはいられないし、実際その仕上がりになってたなと。
どう考えても作家性を踏まえてなければなされない指名なんだし、結果それにド正面から応えた作劇に仕上がっていたってだけの話で、もうそれで十分じゃないかな~と、のんきな私は思います。


舞台って、出来上がったものを見せられて終わりなのではなくて、
それを受け取る観客側の想像力が介在して初めて完成するエンタメなのだと思うんですよね。
パッケージされた完成品を、さぁどうぞと手渡されるものではない。
目の前で繰り広げられる生身の人間による1回きりの生きたパフォーマンスで、自分の心がどう動くのか、何を想像し何を感じたのか。
それを自分の感性で導き出して、初めて完成するエンタメ体験なわけです。

それを踏まえた上で、作り手側は舞台上で表現出来ることであれば、それこそ別に「なにをしてもいい」わけですよ。
表現手法のひとつとして、小林顕作という演出家が持っている作家性は「劇中に歌を組み込むこと」だっていう、そういう話なんだと思います。
だってミュージカルか?って言われるとコレ別にミュージカルじゃあないな?とも思いますもん。じゃあなんだ、って話なんだけど……歌のある舞台?笑
「この場面づくりをするに当たって、そうだ!こういう歌が欲しい!」っていう組み立てをするのが、けんさくさんだな~と私は思ってる。


なので単にその演出が、観る側各自に「合う・合わない」の話、ただそれだけではあるはずなんです。
そしてそれは別にこの作品に限ったことじゃない。
普段わざわざ言わないですが、私だって同じ作品が原作でも、自分に”合わないな”と判断した方の舞台化は明確に見てませんもの。

しかし今回はとくに観客層が多種多様、それこそ舞台慣れしてない人もかなり多いと思われる中で、受け取り方にでかめのグラデーションが出て、その上で「非」側の意見に強めに引っ張られる人も出やすいのだとしたら、それはたぶんもうしょうがないんだろうな、と感じます。ネガティブな意見のほうが強いことはままある。


ただ、自分が期待していた・思っていたものとは違ったから、イコールそれは「良くないものだ」って決めつけるのは、流石に短慮かなぁと感じずにはいられないのも事実です(発端を見てはいませんが、仮に自分の感性に合わないことを以て「虚無」という言葉を用いるのだとしたら、それには明確に賛同しかねます)。

あとは「なんか批判が多いみたい……」っていう予断のもとに見に来るの、それが一番、シンプルにもったいないな~とも思う。
まずは自分の目で見るものを信じてみようよ、という気持ち。
周りがどう言っていたって、自分が楽しいと思ったんなら別にいいじゃない。無理に人に合わせなくたって!
他人の評価じゃなくて自分の内側に問いかけた結果を信じなよ、になる。
ただ一方で、1万円するチケットで損をしたくない、という気持ちがあるのもわかります。
そこから前評判を気にしてしまうのも当然だと思うので、そのあたりも本当に難しいところですね。


ひとつ言えるのは、せっかくのメディアミックスなので、舞台なら舞台でしかできない表現を思う存分したら良いと思うってこと。
そして本作はそれをやってのけていると思います。
さらに演出家がいる以上、そこには明確な作家性があります。それが万人に受けることは難しい。合わない場合は仕方がないです。
「原作を蔑ろにしてる、そういうことがやりたいならオリジナルでやれ!」みたいな舞台化だったら話は全然別ですけど、
そういうことではないと少なくとも私は自信を持って言えます。原作もともと読んでいた勢の感想として。
見て楽しかった派の人たちがあまりにもしょげてる印象なので、本当にびっくりしてしまったので、はっきりとそれは言っておきたかった。
じゅじゅステ、私は大好きだよ!楽しかったよ!!!次も見るね!って、書きたかったです。


合わなかった、自分は好きじゃなかった、それはそれで勿論良いんです。
みんなが同じ感想である必要なんてまったくないんだから。楽しめなかった人の気持ちを否定する気はさらさらありません。
そしてその上で、私は自分の感性でもって、胸を張ってこの舞台が大好きです。
次もあったら絶対にチケット取って見る!!!じゅじゅステさいこー!!!


そして何より、愛すべきこの作品が、千秋楽までどうか無事に走り切れますよう。
例のごとく上演中止の嵐が吹き荒れてきており、厳しすぎる環境になってきていますが、全公演完走できることを心から祈っています。