こたえなんていらないさ

舞台オタクの観劇感想その他もろもろブログです。

及川光博ワンマンショー「GROOVE CIRCUS」@人見記念講堂 ツアーファイナル・7月31日の感想

書くと言いつつだいぶ遅くなってしまったのですが!
ミッチーさんワンマンショー2022・人見2デイズ2日目、ツアーファイナルの感想です!

~ここまでのあらすじ~
anagmaram.hatenablog.com
ベイベー4年目の姉の導きにより、ついに及川光博さんのワンマンショー現地にやって来ることが叶った私。
ドキドキワクワクしながら参加したその場があまりにも楽しくて、どうしてももう一度行きたい!という衝動に抗えず、
フッ軽現場オタクらしく思い切って2日目にもお邪魔することに!
さて、どうなるワンマンショー・ソロデビュー!?

※以下、記事内に登場するセトリのカンニング元です!(姉の記事)
purplekuina246.hatenablog.com




「ひとりでできるもん!」ワンマンショー、予定外のソロデビューを果たす。

土曜日は姉と連番だったわけですが、そんなこんなで急も急、いきなり飛び込んだ2日目はソロでの参加になりました。
前日同様、光るタンバリンとポンポンをちゃっかり再度貸し出してもらい、いそいそと一人で着席。
姉のアシストでお譲りいただいたのは後方のセンターブロックのお席だったのですが、大変に見やすかった……!
(あとやっぱりセンブロなので音響がだいぶ聞きやすい印象でした!)


始まる前は「なぜ私は今日もここにいるのだろうか?」と自分でもこの状況が面白くなってしまい、真ん中!という座席ならではの空気感を、存分にうきうきと味わっていました。
客入れのSEが終わり、前日よりも更に早く、より熱を持って立ち上がり出す客席。
今日はちゃんと確認するぞ!と気合いを入れて臨んでいたので、下手側からニコニコとステージに登場するミッチー団長をしっかり目撃することができました!笑
(1日目は「いつの間にかステージ上にミッチーさんがいた」だったので。リベンジできた!笑)


おもちゃ箱のようなごっちゃりした賑やかさにあふれた「The Curtain Rises」に続き、勢いよく始まる「Don't Stop Me Baby」
土曜の公演よりも、指差しだったりウインクだったり投げキスだったりが気持ち多めに見えたミッチーさん。ショーマンとしてのその姿の華やかさにのっけから目を奪われました。
やはりツアー最終日ゆえのボルテージの高さかな?と感じました。すっごくニコニコしていて、嬉しそうで!
コーレスのような作りの「Don't Stop Me Baby」イントロ、Dance! Dance! で朗らかに突き上げられる、きらめくタンバリンの海。
や、やっぱり、楽し~~~ッ!!!

実を言うと、本当のところはちょっぴり不安だったのです。
前日は手取り足取りの引率をしてもらったわけですが、今回は完全なる一人ぼっち。
「果たして私は一人でも問題なく楽しめるのだろうか……?」と、ほんのりと違う意味でのドキドキを抱えていたのですが、そんなのは全くの杞憂でした。
決まったフリを外さずに踊ることは当然できないんですが、やっぱりどうしたって、客席で音楽と共に在ることのできるこの時間が、楽しい!!!ただその一言で、もうオートマティック笑顔でした。

全景!って感じの見晴らしの良い視界いっぱいに広がる、2日目のワンマンショーの世界は、少し文脈を理解したからこそぐっと親密度を増したものに感じられました。
その真ん中で、会場じゅうを「愛」で埋め尽くすミッチーさん。正面からその愛を受け取れる気がして最高の体験だった!
後方センターの席ってお芝居を見るときも大好きな位置なんですが、全身で入り込める感覚があるのがたまらなかったです!

昨日なかった曲!?の驚き→バラードへの落涙→「血の繋がり」の実感(?)

そしてすごく驚いたのが、ファイナルの2日間でもセトリが全然違ったこと!
PARANOIA「気まぐれラプソディー」(曲順間違えましたすみません!)では、なんかいい感じに乗れたぞ、ふふん!と満足していたんですが、
直後に「いや、絶対昨日はなかったよね!?」という曲がやってきたので、踊れる気になってきていた初心者はだいぶ慌てました。笑

なんかすごく重厚でどっしりしてる!と感じたこの曲、確認したら「まるごとフルーツ」だった模様。
テンポは気持ち緩めで、なんというか低音部にずどん!と重心があるような印象の曲ですよね。
完全なる初心者がダンサブルに捉えるにはやや難度の高いこのナンバーのあいだじゅう、私はどうしていたかというと、
「ミッチーさん!『グルーヴ』がわかりません!こうですか!!!」
みたいな気持ちで、なんかこう……ひたすらグネグネしました。つまり、全然かっこよくは乗れなかったw
「うわ~これをおしゃれに乗りこなせたら、かっこいいんだろうな~!!!」と思いながら、現実はもちゃもちゃ→グネグネとした楽しげな動きで、2日目にして初対面の一曲を乗り切ったのでした。笑


そしてやってきたバラード、「願い」
センターで聴くと更に没入感すごかったし、ミッチーさんが全身で歌い上げるそのエネルギーに本当に圧倒されました。

この先の道が別れていくことは決まっている、けれどそれでも「ずっと幸せでいて いつでも想っているから」と微笑んで送られるその優しさが、甘く苦しい。
お互いに音圧で遠慮なく殴り合うみたいなはじめさんのサックスとの掛け合いに、前日以上に涙が出ました。
本当に素晴らしいアクトだった。。
お隣の席のお姉さんもほぼ顔を覆うように泣いていて……すごいものを見せてもらったな、という気持ちで放心しました。ミッチーさんの魂の歌唱。


そうして圧倒されてぼんやりしている泣きっ面に、今度は耳馴染みのあるやたらとご機嫌なイントロが聞こえてきて……!?

「そんじょそこいらの恋とは ワケが違うのさ♪」
ハッまさか、もしかしてあなたは……ロディアス!!?

数年来、私の中では「メロディアス」=「お姉ちゃんが好きな曲」として認識されています。何故なら姉は、メロディアス芸人である。

最初にこの曲を知ったのは、多分姉と一緒にいったカラオケでだったと記憶しています。
「すごくいい曲なのに、歌うと低いから自分だと全然聞いてて気持ちよくないー!これじゃ曲の良さが伝わらないー!」ってその日の姉は悔しがっていました。笑

そんなこんなで親しみしかないメロディアス。このタイミングで聞けるとは全く思っていなかったのでびっくり&嬉しさで、客席で「わぁ~!」とシンプルに喜んでいたのですが(※もちろん振り付けは全然わからない)、
しかしここで、私に予期せぬ異変が起きた。


「心が壊れそうになる 現実の苦しみから 解き放ってくれるのは Baby君なんだから」
この、Bメロの歌詞にリンクした眼前の光景が、私の涙腺をぶっ壊しました。


ここを歌うミッチーさんがね、本当に心からの、ニッコニコな笑顔だったの。
笑顔で客席を見つめて歌うミッチーさんと、ニコニコ&シャラシャラ(※タンバリン)で愛を返す客席と、それを包み込む底抜けに明るいメロディと……その全てが作り出すどうしようもない多幸感に、涙が溢れて止まらなくなりました。

天井から「幸せ」の概念が輝きながら降ってくるような、キラキラした光に空間中が埋め尽くされていくような。
その愛のシャワーが本当にたまらなくて、もはや踊ることもままならず。
定番曲らしく客席はすごく楽しそうに踊っていて、サビ途中の「パンパン♪」の手拍子なんかはそれこそバッチリ揃って決まっているんだけど、
私といえばあまりに泣きすぎていて、それすら最後までできなかったです。笑


幸い、今のところ私は人生にさしたる深刻な悩みもなく元気に暮らしているけれど、
でももしも「心が壊れそうになる」現実の苦しみがやってきたら、きっとこの時間を思い出さずにいられないな。
そう思うほど、圧倒的にポジティブでラブリーな、きらめくスターの愛を全身で受け取ってしまいました。勝手に。
だってこんなの、ド正面から生きてくことを肯定しまくるぜソングだよ。
人生そのものの応援歌だよ。その真っすぐさ、どうしたって泣くんよ。……メロディアスが好きだ!!!
だって「メロディアスな君」っていう修飾の仕方、めっちゃときめかん?最高の口説き文句では!!?
ロディアス=褒め言葉としか受け取れない!ってなっています。好きぃ。。!!!

「……ところでこのリアクション、何?血筋?」になって最終的には面白くなり、とりあえず休憩で姉にメロディアス号泣を報告しました。おもしろ喜ばれた。


そのあとの「Q.I.D」→「CRAZY A GO GO!!」で一気に畳み掛ける流れはさながらジェットコースターのようで、
今泣いた烏がもう笑った!みたいなスピード感でめっちゃ楽しく踊りました!全然踊れてないけど!笑
でもCRAZY~にも最終的にはなんとなく食らいつけた気がするので、自己肯定感が上がりました!楽しかった~!!!

可愛さ全振りで登場するMC、お祭り騒ぎのような2部

休憩明けのミッチーさんの登場曲、土曜日はキャンディ・キャンディだったのが、この日は一休さんだった~!
曲にあわせてけっこう長い時間、ステージ上をかみしも行ったり来たりしてるミッチーさん、あまりにもso cuteでした。
右足だけ膝のところできゅっと曲げて上げて静止する、やや内股気味のあの可愛らしいポーズは一体何だったんです!?かんわいかったな!!?

いやあの、なにがすごいって、あれミッチーさんご自身で「可愛い」ってわかっててやってるよね!?
なんかもう本当に「すげえな……」ってなるんですよ。すごいお人だ!!!可愛い!!!

その後の「愛と哲学の小部屋」コーナーでは、前日にご挨拶していた姉の友人の初心者ベイベーさんがおもっきし読まれる事件が発生し、客席で「もしかしてッ!?」ってなれたのもすごく楽しかった!
昨日が楽しくて今日も来ちゃった!っていう初心者からのひとことに対し、返す刀で「…好きっ。」っていうのは、、ちょっと、ミッチーさん、超よくないよね!!!(褒めてる)
聞きながら「ウ、ウワー!!!助からないやつ!これ絶対助からないやつだ!!!」ってめちゃくちゃ興奮しました。だって落とし方が的確すぎる。プロのお仕事、お見事でございました!!!


その後のアンコール前までの2部の曲は、全体的に賑やかっ!って感じですごく楽しかったです。なんというか、お祭り騒ぎ感あって!

「死んでもいい」が始まる前、客席へ「いいかい!(ポンポンで)一面の!ラベンダー畑を作るんだ!」って呼びかけるミッチーさん、めっちゃ気合いが入ってたなぁ。
ステージ上から見たらやっぱりすごく綺麗な光景なんだろうなぁと。実際、当日も客席をたくさん褒めてくださっていたような記憶が!
ポンポンの海の一部になってたゆたうの、本ッ当に楽しいです!!!もう顔じゅうで笑顔になっちゃう。
その甲斐あって「死んでもいい」の後半どこかで、ミッチーさんから視線をいただけた気がほんのりとしたので嬉しかったです!(←本日もポジティブ)

続いての「コングラッチュレーション!!」は、振り付けがYoutubeに上がったとのことだったので、やっぱり見ておけばよかったなァ~と2日目にして思いました!
サビ最後らへん(たぶん)の右手のキメが、なかなか合わせられない!と悔しがりだす自分に気づく。
こうして人は、及川光博ワンマンショーの深みにハマっていくんですね。ニッコリ。
最後の「ポン酢・ポンザー・ポンゼストは、土曜日はミッチーさんin下手だった阿波踊り部分が、この日はセンターだったため再び目の前で腰を落とした阿波踊りを見られて嬉しかったです。お前はどこに重点を置いているんだ?笑

アンコール、そしてエンディングへ

アンコール一曲目のバラード「君の中へ」
このナンバーは、照明と音楽がシンクロした空間の美しさがすごく心に残りました。

発散と収束を繰り返すようなライトの動き、センターで見ていたせいもあると思うんですが、いい意味でゾワッとしました。
中心からぐわっと光が広がっていくサビ。遠くまで伸び切ったところで静止した輪っかの光は、曲の終わりに向けて、ゆっくりとまた中央に集まっていく。
その光の集まる場所にいるのは、他でもないミッチーさん。
光をあつめて音を纏うスター、その真実性
音楽・空間・そこに流れる時間そのものすべてを掌握し、ひとつの芸術として客席に届けるミッチーさんの、アーティストとしてのこだわりを感じたような一曲でした。


そしてアンコールでは、その場にいた誰しもにとって、本当に衝撃だったに違いないお知らせがありました。
「理枝ベイベーからお知らせ!」と声を張ったミッチーさん、その紹介で理枝さん本人が語ったのは、ワンマンショーツアーからのご卒業でした。
今、とんでもないことが起きているのだということだけは、混乱した私の頭でも理解できました。
本当に長い間ツアーに参加され、ミッチーさんのステージを隣で支えてこられたその事実は、完全に伝聞ではありますが存じ上げてはいるところだったので、
初めて来たこのワンマンショーがその姿を見られる最後になってしまうのかという衝撃と、私なんかがここにいて、これを聞いていていいのかという申し訳なさと……色んな感情が頭の中を駆け巡りました。

声を震わせてご挨拶を終えた理枝さん。でもその後の曲フリでは、「乗れよ」っていうミッチーさんのアテレコに合わせて、すっごい柄悪くバイクにまたがる動きを颯爽とやりきっていて、本当にかっこよかった。
ラストの「Shinin' Star」は全然踊れなかったんだけど、だけどこれが色んな意味での最後なんだって、訳がわからないなりに一生懸命、音楽とひとつになりました。


全ての曲が終わり、最後にエンディングとして歌入りの音源が流れる「Don't forget me」。
もともと、どうしたって泣いてしまう曲だと思うんですけど、
ミッチーさんが歌詞をひとりでつぶやくかたちでシンガロングするように、なぞっていったあの時間。

「ねえ、」って客席に語りかけるような一言ののちに、
「忘れないでいて。」って、ふっと零すような柔らかな笑みを添えておっしゃった、あの瞬間。

人見記念講堂でのこのファイナルを。この2022年のワンマンショーの日々を。
そしてそれだけじゃなく、
これまで理枝さんと一緒に過ごした時間のことを、忘れないでねって、ミッチーさんはそう言っているんだなと思い……堪えきれずに泣きました。
今どんふぉげを流しながらここを書いてたんですが、改めて泣きました……

そこには愛だけがあるし、きっとこの先も残るんだなって、そんなことを思いました。

及川光博ワンマンショー」とは何なのか

以下は、ミッチーさんのワンマンショーの何がこんなに響くのだろう?心揺さぶるのだろう?と考え、たぐり寄せてまとめた個人的な感覚です。


根本的になるべく”いい人”でいること、まっとうであること、出来得る限りポジティブでいること。
そのような姿勢や物事は、もしかしたら小馬鹿にされたり蔑ろにされたり、生きているとそういう時もあるかもしれないなって思うんですが、
でもそうして人として「善くあろうとする」その心持ちを、ミッチーさんからはごく自然に、正面から肯定してもらったような気がします。

何も「いい人でいなさい」って意味じゃなくて、出来ないこともあるしダメダメな時もそりゃあたくさんあるけど、でも根底で善くありたいって希求するその心こそが大事なんだよって、その立ち姿から語りかけられた感じがしています。


そして、生きていることは、本質的には絶対に「死」と結びついている。
人見一日目のMCで、ミッチーさんが「みんな、死ぬんですよ」「僕たちは、死に向かって歩いていく」ってごく当たり前のように仰っていたのを聞いた時、
それが紛れもない事実だとわかるからこそ、そんなこと言わんといてー!って気持ちでぎゅーって眉間にシワが寄ったし、ちょっと涙が滲みました。

今は今しかなくて、同じ時間は二度と来ない。
観劇オタクであるところの私は、いつだってその一回性にこそ命を燃やして生きています。
きらめきに溢れるこの幸せな時間は、過ぎ去ってしまえば二度と戻ってこない。でもだからこそかけがえがなく、愛おしい。舞台に通っていると、日々そんなことを思います。
ミッチーさんの、死生観に裏打ちされたゆえの人生を肯定するパワーと姿勢は、そんな私にとって、ものすごく刺さって抜けない何かだったのでした。


時間は巻き戻せないから、手元にある今この時を大切に見つめて、自分にできる範囲の「いい人」で生きていこう。
その人生がより楽しくなるように、音楽とダンスを添えて。そして何よりも、笑顔を忘れないでね!

ミッチーさんの光り輝くスター性から、そんな言葉を受け取れたような気がします。
忘れられない、私のワンマンショーデビュー、2デイズになりました。



ここまで一気に書き上げて改めて思ったのは、本当に本当に、2日間ともに心から楽しかった!ということ。
今年も年末にゆくくるが開催されたら連れて行ってね~!と姉とは約束済みです。
なんなら来年のツアー地方も行きたいまである。私がすでに異種掛け持ち多忙すぎ舞台オタクでなければ……!(だからこそ何かとくっつけていけないか?って考えるのが、本当に私の悪いところだよ。笑)


エンタメに、生きることに真摯に心を砕くその姿に、たくさんの元気と幸せをもらいました。
次にまたミッチーさんにお目にかかれる日を、心から楽しみにしています!
\いつまでも夢見テンダネス♪/(←言わずにおれなかったこのワンフレーズを添えて、終わります!笑)

夕闇に沈み始めた人見記念講堂