こたえなんていらないさ

舞台オタクの観劇感想その他もろもろブログです。

ミュージカル「エリザベート」2022年公演の感想② / ルドルフ・フランツ・ゾフィー・トート・シシィ各キャスト感想

①ってつけてたフラグちゃんと回収できるぞ!書くぞー!

エリザ2022-2023公演全体の感想として、(ダブルorトリプルの)プリンシパルキャストの皆さんについて書きました。
といいつつ、推しルキ回のみを観ていた事情により、ルキーニを除く、となっております。まりルキの感想は個別にまとめた以下の①からどうぞです。
anagmaram.hatenablog.com




ルドルフ/ 甲斐翔真さん

しょうまくんはこれまでロミジュリ2021の配信でしか観たことがなく(なんせまりおくんとWのロミオだったので)、実際に舞台姿を生で観るのはエリザが初めてでした。
「ひ弱な皇太子」だった時代から大きく成長を遂げ、健康的で堂々としていて、
熱い心を持った正義感の強いルドルフ、という印象でした。
登場すぐのシーン、父である皇帝と衝突するところの押しの強さや、独立運動でダン!と爆音で足を踏みしめる動きなどの端々に、胆力を感じました。
でも一方で真っ当におぼっちゃま育ちなところがあるゆえ、理想に向かって突っ走りやすい危うさがあるタイプ。
だからこそ、母親の拒絶を受けた瞬間に、真っ逆さまに転落していってしまう。

今まで観たことなかったなぁ!と思ったのは「僕はママの鏡だから」のアプローチです。
途中の「ママだけがパパを説得できる」の歌い方。
あそこでしょまルドは、はっとしてものすごく嬉しそうな表情を浮かべるんですよね。そうだ、その手があった!みたいな。
ママならばパパの意志を変えることができるんじゃないか!?って、あの瞬間に初めて気づくという表現、過去に観たことがなくめちゃくちゃ新鮮でした。
そしてその瞬間的な喜びの感情が、直後のシシィからの拒絶によって粉々に打ち砕かれてしまう急角度の絶望、苦しかったなぁ。。
歌は言わずもがなの安定した歌唱力で、本当に朗々たる!堂々たる!といった歌声だったなぁと思います。
闇広のラストも、これから自分は戦うんだ!という積極的な未来への意志を感じる力強さがあるのが魅力的でした。

ルドルフ/ 立石俊樹さん

としきくんはロミジュリ2021のティボルトぶり!
ビジュアル面や役作りにおいて、なんとなく共通してイメージされやすい青年皇太子としての正統派ルドルフ、といった印象を持ちました。
あのなんともいえないノーブルで甘いお顔立ち、本当にルドルフ向きですよね。
そして甘いだけではなく、そこに翳りがさしていて苦悩の色が強め。
警官に取り押さえられた「ルドルフ…ハプスブルク」のセリフの言い方なんかは、あの瞬間にもう一段階目の覚悟が決まってしまっているようで、
トートがお膳立てした死に向かって素直に吸い込まれていくようなルドルフかなぁと思いました。

歌唱に関してなんですが、公演途中で爆発的に伸びた瞬間があったように勝手ながら感じています(帝劇の折り返し後、11月前半だったと記憶)。
とくに闇広の迫力、主にボリューム面かなぁ?伝わってくる情報量が突如ガン上がりした公演があったんですよ。
たまたま同じ回を観ていた友人も全く同じ感想だったし、
「若手ってこうやっていきなり伸びるんだな!?」ってめちゃくちゃ感動したのを覚えています。
終盤に博多座で観た回でもすごく安定していたし、とても素晴らしかったと思います!
太平洋序曲への出演も控えているし、今後も大きなミュージカルで活躍されていくんだろうな!

ゾフィー/ 香寿たつきさん

2019までに観てきたエリザでも一番馴染み深かったのがタータンさんのゾフィーなので、
私のなかで「ゾフィーといえば」という印象を形作っている方です。
タータンさんは、なんといっても歌声が!大好きです!!かっこいい!
なんでそんなに歌がうまいんですか!?とびっくりしてしまう。
安心して聞いていられるので、その分こちらは好きなだけ「怖いよー!」って思って観ていられる感じ。
とにかく抜群に安定している歌唱力、「皇帝の義務」の「結構ね!」の歌い方なんかもう、それはそれはおっかなくて大好きです。

タータンさんの場合は歌の安定感がそのままゾフィーとしての存在感の大きさに結びついているといいますか、皇太后としての威厳がとても強くて、
最期までブレることなく太后として有り続ける芯の強さがとても魅力的だなぁと。
博多座で観られるつもりだったら全然そんなことなく、御園座ではからずも見納めてしまったのがショックだった~!(キャストスケジュールはちゃんと把握しましょうね!)

ゾフィー/ 涼風真世さん

涼風さんのゾフィー、ほんっと好き……!
とても表情豊かで、涼風さんにしかない独特の魅力があるなぁと思います。
個人的な感想ですが、時おり現れるコミカルな側面が強いところがすごく好きで!

「計画通り」の途中でヘレネを見やって「安産型だわ!」と立ち上がる動きがどことなく大げさだったり、
なんといっても「皇后の勝利」が本ッ当に面白くて大好きでした。笑
面白いって言ったら怒られるかしら……でも面白いんだもーん!
「綺麗な女なら、他にもいます!」のところ、腕全体をつかってぶん!と大きく手招きをしながら若干後ろにのけぞってる!?みたいな動きをしていたり、
博多座公演では「大臣を勝手に任命したぞ」あたりで杖をぐるぐる勢いよくぶん回してましたし、杖で周囲の伯爵たちを打ち据える瞬間にちょっと跳び上がってて。笑

かと思えば、同時に美しさゆえの怖さもあって……涼風ゾフィーがシシィと対峙するとなんかもう、女同士の戦いのひりつきがすごくて!「こ、こえ~!」ってなります。
あとは少年ルドルフに対して一番厳しく接してるのは涼風ゾフィーだなと思うんですよね。
剣の握らせ方に容赦がねえ!!タータンさんは少し恭しく捧げるような渡し方をするけど、涼風さんは「お前が剣を握らないでどうするのです?」って絶対に許してくれない感じがする。。

ゾフィー/ 剣幸さん

観られるはずだった帝劇公演が中止になり、博多座でようやくお目見えが叶いました!
剣幸さんのゾフィーは、根底に「母である」事実がしっかりと横たわっていて、
その厳しさも愛ゆえなのね……と思わされるというか、
本当は優しい人なんだろうなぁ、ちょっとなにかが違えばシシィともうまくいったんじゃないかなぁ、というような気持ちにさせられるゾフィーでした。

配信で見ていた大楽のごあいさつで、小池先生から「人のいいおばさんみたいよって言われて……」と仰っていたのには思わず笑ってしまったんですが、なるほど!?とも思いました。
確かにわかる、根っこが優しいゾフィーだな!?と。小池先生、さすが言い得て妙すぎる。笑
なので私の中で「ゾフィーの死」が一番泣けたのは剣さんでした。
歌詞のとおりに、皇帝であるフランツのことを思い、母としての自分を殺して勤め上げたのだな……とやるせなくなって。
最期は穏やかな気持ちで迎えられたのだろうか……と、トートダンサーたちの黒い翼の中に消えていく姿を見ながら自然と涙が溢れたのでした。

フランツ/ 田代万里生さん

田代さんのフランツは、本当に徹頭徹尾「皇帝」なところが特徴だなと思っています。
皇帝になる運命を背負って生まれ、その運命を疑うことなく、ひたすら真っすぐに帝王教育を受けて育ってきた人という感じ。

その在りようはどこまでも出自に沿って、ひとりの人間である前にオーストリー皇帝であるものとして完成されきっているから、
結婚式でシシィが人目を嫌がり「みんなが見つめているわ」と縋っても、彼女がなにを嫌がっているのかが理解できないし、
「ここは牢獄よ!」とまで泣いて訴えかけられても、「でも母の意見は君のためになるはずだ」って笑顔で言えてしまう。いやそこ、笑顔ちゃうんよ!?ってなっちゃう。

私の感覚では、シシィが宮廷で「ここに私の居場所はない」と感じてしまう元凶をしっかり作ってんなー!と思わされるフランツなので、
ゾフィーに向かって「あなたのせいです」と怒りをぶつけるところなんかは「いや違うやろ!あんたのせいやろ!?」って言いたくなってしまうんですよね。笑
と同時に、ものすごく妻を愛していたのね、、ということもロマンチックにめちゃくちゃ伝わってくるだけに、
「いや、あなたもうちょっと!もうちょっとうまくやれたでしょ!?」みたいな気持ちにさせられてしまう。
ナチュラルボーンハプスブルク家(※当たり前だよ)としての、シシィに向けるどうしようもなく根本的な無理解、何よりそこに全く”悪気がない”のが観ていてより辛くなる。
あくまでも私の捉え方としてですが、田代さんのフランツは、観客に対してシシィの人生の苦しみを浮き上がらせる役割を色濃く担っているような印象があります。
毎度新鮮に腹を立ててしまって申し訳なかったほどです(そうよ私はシシィに肩入れしまくるタイプの女)。

フランツ/ 佐藤隆紀さん

シュガーさんのフランツ、今回たくさん見てめっちゃ好きになりました……!
先述のとおり私はシシィに肩入れするあまり、フランツに対しては基本的に「なんてひどいことをするんだ!」と明確に怒っていた部分があるんですが、
今回のシュガンツを観ているときはその感情が全然湧いてこないことに気づいて本当にびっくりしました。
2015年に初めてエリザを観た時のフランツもシュガーさんなんだけど、その時の記憶もメモも、流石に残ってなく。。
でも私の中でフランツは、言ってしまえばずっと悪者だったんですよ~!笑
しかしそれが、あのシュガーさんの”溢れる愛”そのもの、と表現したくなる歌声のあたたかさ・奥行きの深さに触れたことで、一気に印象が変わりました。

シュガーさんの場合は、自分の中に葛藤もありつつというか、皇帝という役割を引き受ける上で致し方なくその行動に至っている、という側面が強いように思います。
シシィの気持ちも十分理解できてるんだけど、でも皇帝だからできないこともあるんだよね、あれ、もしかしてちょっと口下手なのかな、みたいな……。
ってなると、結局はどっちのフランツに対してもやっぱり「もうちょっとうまくやれたでしょ!?」にはなっちゃうんですけど笑、
シュガンツに関しては「でもフランツだって辛いよな……」って気持ちにさせられてました。

「夜のボート」、心象風景としてはあんなにも大きく腕を広げて、深い愛でシシィのことを待っているのに全く結実することがなく……本当に悲しかったなぁ!
博多座で初エリザ観劇に連れて行った母に「歌声で言ったら誰の声が一番好きだった?」と聞いてみたところ、
即答でシュガーさんだったので、声の魅力が本当にお強いなと改めて思いました。
カムバックしてのフランツだったわけですが、またぜひ次回も続投していただきたいです~!

トート/ 山崎育三郎さん

とても俺様みの強い、「俺、帝王ですが何か?」的なところがすっごくいくさぶさんらしいな!と感じさせられたトートでした。
普段の「え、僕、プリンスだけど?」な感じが、そのままトートにも生かされていると言ったらよいかな……?笑(これも怒られる!?怒らないでください!褒めてますので!笑)
劇評ではナルシズムが強いと表現されていたりもして、すごーくわかる!と思いました。
ほんとそれくらい、とにかく俺様なトート。なんというか帝王であることに多大なる自負心を抱いていそうで。
なのでそのぶん、シシィに袖にされるとめちゃくちゃ怒ってんな!?って印象で、わりと腕ずくで自分のものにしてやる!感もあり、
つまりはそれくらい熱烈にシシィに惹かれているんだなぁという印象を受けました。

あとはなんといっても、原曲キーで歌うことに自らこだわられた「最後のダンス」ですよね!
イントロを聞いた瞬間から「音がちがーう!?」とまずそこにゾクゾクさせられて。
キーが違うと当たり前ですが、印象がだいぶ変わります。より攻撃的な色合いが強まると言ったら良いかしら?
シシィに向かってぐっと距離を詰めてのシャウトには、なんか「もうそのへんで許してあげて!?」ってなるような凄みがありました。ボリュームも半端なかったよ……。

そのいくさぶさんのトートなんですが、予定していた観劇回数、ガッツリ削れてしまいまして……(手持ちチケットの帝劇中止公演が3回あり、そのうち2回がいくさぶトートだった。)
もっと色濃く記憶にとどめておきたかった!!!
私の脳内を検索しても、出力される結果が「俺様」&「原曲キー」しか出て来なくて、おい私!?ってなっているのです、、
それこそラストの表現とかさぁ、もうちょっとなんか覚えておいてよねぇ!!?

エリザ始まってすぐのだいぶ序盤に固めて観てしまったゆえ、私の側に全くといっていいほどに余裕がなかったんですよ。。
悔やまれるがこればっかりは仕方ない。。
次回もきっと演じてくださると思うので!またその時に俺様いくさまトートに会えるのを楽しみにしています!

トート/ 古川雄大さん

ゆんトート、2019の時とだいぶ印象が変わられて!ました!
2019はとにかく、恋心の表現のビビッドさに心を鷲掴みにされておりました。
ロミオだった人のトートだわ!ってなるというか、なんかほんとうにロマンチックなんですよね。恋心が!
2019年に大興奮して感想を書き残していました。
anagmaram.hatenablog.com

今回もその恋心は健在だった……のですが、なんかこう、どえらい偏執的な方向に進化していらっしゃって……?
「めっっっっちゃしつこ!え、しつこいな!?」ってなる感じの、シシィ、なんかちょっとやばい人に好かれちゃったかも感があるっていうか、端的に言うと「逃げて?」ってなるっていうか。笑
自分の中で思いこんでます感がすごいんよ。
「だって俺が見つけて好きだって思ったんだもん!それはもう運命でしょ!?(※人の話聞いてない)」みたいな。
なんともいえない「こーいーしちゃったんだ♪」な雰囲気があってね……(怒らないでください)でもやっぱり、私はゆんトートのそこが好きなんだよな!

今回も相変わらず「愛と死の輪舞」でしっかりと泣かされました。
あそこで謎に涙がこみ上げてくるのは2019のゆんトートで初めて経験したんですが、
あのハッとした感じ、愛を見つけてしまった!と喜びに打ち震えているような、初恋の発見といいますか……あの恋心の色鮮やかさが、たまらなく好きなんです。かつてよりしつこくはあったけど。笑
ゆんトートについて書こうとすると結局はそこが一番に来てしまうなぁ。よほど好きなんだろうなぁ。

ラストの「愛のテーマ」はね、、歌が始まった時点でもう既に、その先に待ち受けているシシィとの永遠の別れを覚悟しているようで、その表情に涙が出ます。。
現世の呪縛を解き放つように、黒いドレスを脱ぎ捨てるシシィ。彼女のほうから自分のもとに歩み寄ってきて、万感をたたえて抱きついてきたその瞬間、
本当に心底愛おしそうな表情で目を伏せて、心を込めた甘やかな抱擁を返すのです。
シシィが絶命したあとの暗転直前の瞬間は、虚空に投げ出されたような、でも全てわかっていたことだと受け入れているようでもある表情をしていて。
うううう!思い出したら悲しくなってきた……。
そして何より、名古屋・大阪はひとり全通トートというとんでもない偉業をやってのけていました。本当に凄すぎます!!お疲れ様でした!!!

トート/ 井上芳雄さん

芳雄閣下に拝謁するためには黄泉の国in博多座に飛ばねばならず、そしてその拝謁の権利がまぁ!なんとも入手困難でしたこと!?
わたくし地元が福岡ですので、芳雄さんはまごうことなき地元の大スターなんですけれども……
博多座で観る井上芳雄、良すぎ!?」ってなりました。
いやそれほんとどういう感情?笑
まじめな記事のはずなのにこらえきれず文字をデカくしてしまいました。それくらい衝撃だったんですよ。

いやーーー本当に良かった。井上芳雄トートin 博多座、地元民としては体験として最高に素晴らしかった……

芳雄さん、よくテレビ番組でもミュージカル歌唱を披露してくださいますけど、その時点で毎度「歌がうめーな!」ってなってるんだけど、でも
劇場で観るほうが100倍歌がうまいよね!?
ちょっとどうなってんの!?って気持ちになりました。
最後のダンス、ほんとさぁ、あのさぁ!??だった。「この曲ナニ?私が知ってる最後のダンスと同じ曲です???」みたいな。
いや、でもいちおう過去に観てるはずなのに……。ちゃぴさんがインスタで言ってたけど、どえらい進化なさってましたよね確実に???
そりゃあ井上芳雄だもの、歌で魅了せずにどうします?ではありますけれども、でもちょっとすごすぎて「えええーー???」ってなった。博多座の優れた音響で観たのもいい意味で良くなかった!(謎の混乱)
なんかもうね、芳雄サラウンドって感じ。「これはそういう仕組み?機構で音が出てるのかな???」みたいなアホの会話を観劇後の姉としてました。


そんでね!芳雄トートの何が好きって、ルキーニをご寵愛くださるところです!!!
ルキーニへ示す興味や感情、3人の中で圧倒的に多めで本当にびっくりしたよ!

いくさぶトートには過去にルキーニを通っているからこその「お前は俺の言うことを聞いて当然だろう」的なしもべ扱いムーブ
ゆんトートにはどこか共犯者っぽいちらりとした目配せがあるとそれぞれ思っているんですが、
芳雄トートは……ご寵愛をくださった……という衝撃で、推しがエリザでルキーニ!であるところのわたくし、もう頭の中が衝撃でぐちゃぐちゃになりました。

だって最初の「私を燃やす愛」の時点でさぁ、「ただひとつの過ちは 皇后への愛だ」を歌いながら、ルキーニの頬~顎のあたりに手の甲を滑らせて!??す、すべ!!?うぇ!!?
1月25日マチネで初めて芳雄トート×まりおルキーニの組み合わせでこの場面を観たとき、\ウギャアアアア/って心の中で歓喜の悲鳴を上げていました。
というのも、まりおくんのルキーニのアプローチがですね!?「僕の中でトートへの感情は崇拝に近い」って本人がインタビューで仰ってましてね!?
崇拝強めルキーニに、ご寵愛強めトートをかけあわせたら……そんなの、最高に決まってるじゃんッ!!?だったのよ。
「私が一番見たかった組み合わせ、これじゃん!!?」の巨大感情がまさかの公演最終盤で襲ってくるとおもわず、ちょっと泡を吹きました。。良すぎた……


他に印象的だったのは、「愛と死の輪舞」でシシィを見つけた後の感情が、目に馴染んだゆんトートとは全く違ったところ。
自分で自分を許せないような、俺は何をしているんだ?と自問自答しているような、それでも誇りを以て「返してやろうその命を」と宣言しているその様子。
心ならずもひとりの少女に惹かれてしまった自分に対する怒りと戸惑いがないまぜになったような感情を抱いている複雑さ、観ていて心臓がギュン!ってしました。す、好きだな。。
その複雑性は、ラストの「愛のテーマ」での、シシィを簡単には”抱きしめ返さない(せない)”という、まさかすぎる表現にもつながっていて。
観ててほんと「嘘ぉ!?そんな!そんな……!」になった。切なすぎ!辛!!!
ふたりの別れが一番悲しく感じたのは芳雄トートだったかもしれないな、と今振り返ってて改めて感じました。

え~~~~さみしいな、今すぐもっかい観たいな、困ったな!!?
芳雄さん、まだトートやってくれますよねぇ!?
前楽カテコの「せんせえ!!僕、さいごですかァ!?」の食い下がりが本ッ当に死ぬほど面白かったので、絶対にまだ見られると信じております!笑

エリザベート(シシィ)/ 花總まりさん

本当によくぞここまで。長きに渡り、難役をつとめてくださったことかと、とにかく畏敬の念しか湧いてきません。
お花様のシシィには、もう絶対に彼女にしかなし得ない、完成され磨き上げられた芸術としての凄みがありました。
そこに在るだけで、何の説明もなくエリザベートという人そのものなんだなと、観ている側は当然のように感じてしまう。
佇まいがもうそのまま「物語になる」というか。

その様子はもう、説得力とかいう次元を超えていて、あれは一体どうやったらたどり着ける領域なのだろう?という気持ちにさせられました。
毎公演、本当に命を削って舞台の上に立っていることが伝わってきて。
瞬間瞬間に嘘がなく、全身全霊で本気で向かっている気迫が凄まじくて、ものすごいものを見せてもらっているな、という感覚でした。
そうしてご自身の中でエリザベートという「戦い」を生き抜いている様が、まさにシシィとシンクロしていたのかなと。

配信で観ていた大楽のご挨拶、本当に長い間ありがとうございました、と言葉を詰まらせて、
「私のエリザベート、さよなら~」と、背負ってきたものを宙にふわっと解き放つような動きを儀式的になさっていて。
あぁこれで本当に最後だったんだ、花總まりエリザベートは本当に終わってしまったのだな……と、信じられないような、呆然としたような思いになりました。
私の現地見納めは1月30日マチネ、花總シシィと井上トートの組み合わせラスト回だったんですが、
カーテンコールのお二人がまさに”戦友"といった趣のハグを自然に交わされる様子に、涙が止まりませんでした。

日本におけるエリザベートの始まりを担われた唯一無二の存在。
2020年の全公演中止を経てからの今回のリベンジは「お引き受けできるギリギリのタイミングだと判断した」ともはっきりと言葉にされていて、
観ることに間に合ってよかったと心から思いました。
本当に長い間、素晴らしい時間を届けてくださり、ありがとうございました。

エリザベート(シシィ)/ 愛希れいかさん

ちゃぴさんのシシィ、大大大大大好き!です!本当に!!!
2019年に観たときよりも一回りもふた回りも大きくなられていたような印象でした。
平たく言ってしまえばそれは「自信」なのかもしれないのですが、
エリザベートというタイトルロールとして舞台の中央に立つのは私である」という力強さといいますか、
その役の重責全てを背負い、なおかつそこから高みを目指してみせるのだ、といった覚悟とか気合とか……そういうものが色濃く滲む舞台姿で、それがシシィの造形にぴったりで、本当にかっこよかったです。

友人が「ここまで気が強くて成功しているシシィは初めて見た」と言っていたのが印象的だったんですが、
その気の強さが決して鼻につく感じにはならないのも特徴なのかなと個人的には思いました。
確かにルキーニの言うように、シシィは「ものすごいエゴイスト」なのかもしれず、意志が強すぎるあまりに周囲を振り回す側面も強い人物造形だとは思うのですが、
でも観ていてこちらが嫌な気持ちになることは特になくて。
彼女に向かって心が自然と寄り添っていってしまう求心力があるように感じました。


そしてなんといっても、歌が!素晴らしすぎました。
「私だけに」を高らかに歌い上げる、あの歌唱力の充実っぷり。
何度聞いても心が震え、もう一度聞きたい!と心が渇望してしまう魅力に溢れていました。
くずおれた体勢から始まる「嫌よ 人目に晒されるなど」のフレーズで、キッと鋭く正面を見据える眼差しが怒りに燃えていて
そこから「自由に生きるの」にかけて顔じゅうに笑顔を広げていく流れ。あの力強い万能感と無敵感。
もうほんっとうにかっこよかった。
最後の高音を渾身のロングトーンで思いっきりぶちかましてくれることによって得られる、あのカタルシスたるや!
「私が踊る時」なんかも超超かっこよくて、めっっちゃくちゃ堂々としていて、
観ている間じゅう頭の中を「好き!!!」の感情が駆け巡るシシィでした。大好きです。。
力強さがあると共にどこまでも瑞々しく、舞台上での息づき方がとても色鮮やかで、冒頭に書いたとおり自然とこちらの感情が惹きつけられる引力に満ちていました。

あとはそう、ダンスが得意でいらっしゃるずば抜けた身体能力が生かされまくった各種の体の使い方が素晴らしかったです!!!
「愛と死の輪舞」でくっと糸をで引かれたように動き出すところや、「最後のダンス」で操り人形のように舞う動き、
歌のない場面で、体を使ってああまで見事な表現ができるのかと。しかも輪っかのドレス着てるのに!
あれは本当にちゃぴさんにしか実現できないものだなと思います。毎公演観るのがとても楽しみな場面でした。


出自的にも大先輩のレジェンドと相対し続けるだけで独特の筆舌に尽くしがたいプレッシャーがあるだろう中で、
自分だけのエリザベートを確固たるものとして魅力的に確立させたちゃぴさん、本当に本当に素敵でした。
絶対にまた会いたい!ので、次回のエリザもちゃぴシシィで観られることを祈っています!





……ぶじに記事②は1万字超えたな!笑
このあと記事③があるとしたらそれはもうおまけというか、
「ひとりのオタクが、いかにしてエリザベートというお化け演目と2年半向き合い続けたかドキュメント」になると思います。
そこまで書けたらようやく私のエリザの旅も終われるのかな。。みたいな気持ちがあるので自分の中のけじめ的に書くかもしれません。とりあえず感想はおしまい!

2022-23パンフレットと、帝劇公演期間に日比谷シャンテでゲットした”星のドレス”のコースター