刀ミュ、パライソ東京公演。なにがどうなるかわからない緊迫した時期に、3月21日に大方の予想に反して初日を予定どおりに迎え、しかしその後、3月26日に3日早い千秋楽を迎えました。
本来ならば今日が東京千秋楽。予定されていた11公演に対し、銀河劇場で公演できたのは全7回。
この先もどうなるか、本当にわからない…。
わたしは3月22日と、3月24日のソワレ、合計2回見に行きました。
考えていたのですが「幻じゃなく、公演はたしかにそこにあったんだ」という記録を残すことが、見てきた自分にできることなのかなぁと思い、まずはネタバレなしの感想を上げてみます。
*ネタバレなし、の範囲は「ストーリーの根幹には一切触れないが、受ける印象はしゃべる」という感じです。歌についても、誰がソロ、どの組み合わせで歌うとかも特に言いません。
*とはいえ「いわゆるエモバレも嫌!」という人は、当然見ないでほしいです!そのあたりは自己判断でおねがいします!
*わたしが考える「ネタバレなし」のレベル感の参考値はこちらです。
anagmaram.hatenablog.com
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まずは各刀剣男士に対する印象から!
◆日向正宗:存在が二次元
日向くん…とにかくびっくりするほど「枢やな先生の絵、そのまま」という感じで、本当に存在が二次元でした。めっちゃ好き…!
写真で見るだけでもわかるけど、零れ落ちそうな真っ青なおめめ、それを縁取る漫画のような長いまつげ…。え、実在してる?してるね?え?まじで?ってなった。
まずそもそも、あの衣装ズルイと思うんですよ!?1部の戦闘衣装の時点でもはや2部衣装みたいな華やかさ!?ケープがあかん!黒と赤を基調としたあの華やかさはあかん!ズルイ!!!
刀ミュでは、今剣以来となる待望の新規短刀なわけですが、軽々とした身のこなし、コンパクトな身長にきゅっと収まったバランスの美しい立ち姿…これだから、刀ミュ、信頼できる~!!!って叫びたくなりました。期待を裏切らない可愛さです。
そしてさらに、可愛いだけではなくって、とっても<正宗>を感じさせる造形なところも最ッ高にポイントが高かったです。話の中において、あの立ち居振る舞いは、正宗としての矜持を深く持っているからこそ…と思って、すごく胸が熱くなりました。誇り高き正宗の短刀でした。
刀ミュの中で現キャスト最年少を更新した石橋くん(99年9月生まれ!)、今後の成長がめちゃくちゃ楽しみです!
◆浦島虎徹:…いい子!!!!!!
わかってた、わかってたけど、さいこうにいい子だよ浦島くん…!ってむせび泣いた。
本当にいい子。まじでいい子。いい子すぎてどうしたらいいかわからない。
はやくあの虎徹のにいちゃん二人の間におきたい。「まぁまぁ兄ちゃんたち、わかったからさ!」って揉める二人をとりなしてほしい。つんけんするはっちが弟を溺愛しているところを見てみたい。そねさんが朗らかに浦島くんの肩を抱いて笑っている姿を見てみたい。とにかく最高です。虎徹を愛する審神者のみなさん、まじでおめでとうございます!!!くす玉を割りたい気持ち。
刀ミュに絶対に出てほしいなと思ってた刀剣男士だったんですが、本当に期待を裏切らなさすぎて最高でした!笑顔があまりにもかわいい。まっすぐで健やかで、おひさまみたいにあったかい…。どうしたって海が似合うよォ~!涙
話の中身に触れないようにするとこればっかりになってしまうんだけど、とにかく「いい子」なんです。あとかめきちも可愛い。
なんとなく、見ていてわたしは初期の清光を思い出すところがあった。なんせ、若くて健気なので…!
◆松井江:やっぱりとてつもなく美人
わたしは歌合の武蔵野が初見だった松井くんですが、本当に美人ですね。ちょっと意味がわからない。
日向くんと並んで、見れば見るほどあの衣装はずるいよなぁ…。ハイウエストでサスペンダーのパンツにピンタックが入ったブラウス、ターコイズブルーのリボンタイ、肩になびかせる濃いグリーンのマント…。いやずるい。あんなのただの王子じゃん!?
笹本くんの声、わりに低めなんですね?割り当てられている曲調もちょっと凄みがあるタイプのもので、なんていうのかな…ゴシック調なところがあり、血に塗れに行こう…と微笑む彼にとてもぴったりだと思いました。とくに歌い出しのあのSEたまらん。言わないけど!
1部パートではどんな表情のお芝居をしているのか、もっとお顔をちゃんと見たい!って思いましたし、たぶんこれからもっと進化するだろうなと期待。
松井くんに関しても話のネタバレに突っ込んでしまうので、どうしても詳細が喋りにくいんですけど…とにかく美しいです!
◆豊前江:りいだあ…!
とりあえず何回も言ってしまうのだが「まごうことなきオスカープロモーションから来た刀剣男士」だなって思いました。いや、顔面の美の圧がやべえ!笑
本当に驚くほどに整ってる。あの目鼻立ちのくっきりっぷり、敵わねえ…という感じ。
そしてとにかくスタイルが激烈に良い!!!手足が長いので、殺陣の見栄えがすごくあります。たぶん後半にかけて体の使い方が伸びたらもっとかっこよくなる!って、見ていてワクワクしました。
あと個人的にはですが、なんといっても「声がでかい」のがなんともいえず最高に良いです…!笑
いやぁ、頼れるな~ということがビシバシ伝わってくるんですよね。なんていうのかな…存在が、物理的にりいだあ。笑
あの豊前くんに「りいだあ!」って駆け寄る篭手切くんとか、絶対ウルトラ可愛いやつじゃん!?って妄想が膨らみました。はやく4人揃ってるところ見てみたい!!!
◆大倶利伽羅:まって、かっこいい
からちゃん…からちゃん…!!!せ、成長して…!?って動揺しまくりました。
みほとせを経たからちゃんが、パライソの部隊にいる意味というのがものすごく、ものすごくありまくって…「重くなったね、君の剣。」って、石切丸さんに言われたあとのからちゃんだから…からちゃん!!!ってなります。ウェーン。
disとかではなく、シンプルにわたしの中では長年からちゃんは自分の担当外の存在だったので、強く興味を持ったことがこれまでほとんどなかったんですが、その意識をひっくり返すくらいに、パライソのからちゃんはまじでかっこいい。わたしですらそう思うんだから、元々好きな人はあんなの見たら泡を吹いて倒れてしまうんじゃないだろうか。
作品シリーズの中で確実に「刀剣男士」として成長している姿が見られるのが刀ミュの特徴だなぁと思うのですが、からちゃんはその点でも出色でした。推してる人、まじで楽しみにしていてほしい…!
◆鶴丸国永:言葉にならん…
鶴丸…については…ちょっと…ネタバレしないで喋れることが、あまりにもない。
鶴丸かっこいい国永さんはパライソでもまちがいなくかっこいいんですが、いやでも、あの、ほんとちょっと…。言えることがまじでない。つらい。
「わたしが刀ミュの鶴丸国永を好きになるのはそりゃあ必然だったよな」と、何度思い返しても打ちのめされるような感じの仕上がりになっていて、なんていうのか…ほんと、21歳になにやらしてんの?って毎回思ってるけど、それがさらに上書きされた。いや、まじで何やらしとる…?
もうどうやったら応援できるのかわかんないよ…!キャラクターとしても、役者としても、一気にあんなものを背負って…ほんとどうなってるの?!しんどすぎてはきそう。好きです。
「鶴丸かっこいい国永さんとくるむくんさんに幸あれー!!!」って、大海原に向かって涙とともに叫びたい気持ちです。本当に偉い。その努力と覚悟と実力が尊い。心の底から応援してる…がんばれ…!涙
◆全体から受ける印象について
今作は「話が重い」というのがすでに既定路線になっている感はありますが…なんていうか、そんな簡単に一言で片付けられない…なにをもってして重いのか?ということから、きちんと考えたい、軽々しく扱うことができない…。という気持ちでいます。
「静かの海のパライソ」っていうタイトルの過不足のなさが怖い。
タイトルが物語るものの大きさ、「三百年の子守唄」なみのインパクトがあるなって思いました。
ひとつ言えるのは、刀ミュはいつだって本気だということ、そしてわたしたち観客をやっぱり侮っていないということです。
表現としてこれを届けたいと願ったことを、容赦なく、手心を加えないでこちらに向かってぶん投げて来てくれることが、ありがたいなと改めて思いました。この作品は、我々観客のことを、あまりにも信頼してくれていると思います。そのことが嬉しい。
わたしは福岡で育っているので、その背景も相まって受け取るものに鋭敏になったところがありました。方言指導があった旨は明かされているので言っていいかなと思うんだけど、北部九州のことばの取り扱いがとても丁寧で、結果見ていて刺さりまくる。基本的に一切違和感がないのがすごかったな…。(方言ってほんと難しいとおもうので)
もうひとつ特徴だったのは、今までの刀ミュで一番「ミュージカル」してたなぁということです。
いや前提として「ミュージカル『刀剣乱舞』」なんだけどさ、もちろん。でも明らかに、表現手法としての「ミュージカル」に、さらにもう一段階近づいたというか。葵咲本紀でもその萌芽はありましたが、確立されたのは今作だなという印象です。
今までは「ストーリーが進行する合間に象徴するような歌が入った」ことが多かったと思うんですが、パライソでは「歌によってストーリーが進行する」域に、間違いなく達していると思います。
だからなのか、まだ2回しか見ていないのに、耳に明確に残って離れない歌が多くあって。
連綿と続いてきた刀ミュの文脈を感じさせるYOSHIZUMIさんの楽曲と、いい意味での鋭い異物感を持って突き刺さってくる和田さんの楽曲とが、お互いを引き立て合っていると感じました。そのどちらもがないと成立しない世界観でした。
たぶんこれはYOSHIZUMIさん、これは和田さん…って聞きながら予想していたんだけど、楽曲の幅が広がったことが世界観や表現の深まりにダイレクトに結びついているの、まさに本気の作品づくりだ!って感じで、もうそれだけでたぎります。どちらの楽曲も本当に好き…!
◆2部についてちょっとだけ
2部に関してはもう、そりゃあもういつだって大好きなんですけど、は~もうね、今回も改めて衣装がやばい!
鶴丸かっこいい国永さんの2部の第二形態がやばすぎて、わたしの命はなくなりました。
葵咲本紀の2部衣装、これまでの刀ミュの中でも個人的にはトップクラスに好きなんですが、あれとはまた全く違うベクトルで…「うっわ~~~そっち!?今度そっちできた!?へえ~なるほどね~~…たすからなーーーーい!!!」ってなって、第一形態から脱いだ瞬間、まじで天を仰ぎましたね。いや無理。かっこよすぎてむり。何考えてる?かっこいいが?ってキレた。あと第三形態も「どうしてそうなるの!!??」ってキレた。かっこいいです…。
2部の曲調に関しては、なんだか全体的にオシャに寄ってました!なんともいえずおしゃれだった。刀ミュくん、今を生きとるやん!?って思った。と言いつつ、お得意の「なんかこれちょっと懐かしい」モードの曲もあったりして…結論としては、相変わらずバラエティに富みつつ、クオリティがたけえ!だから好きだぞこのやろ~!でした。
あと多分、客席降りができないから、という理由だったと思われるとある演出に「!??!??!」ってなって、劇場中にものすごい空気が流れてました。
悲鳴はもちろん我慢せざるを得ない状況なのでみんなで我慢するんですが、無言だけれどもその空間に漂っている審神者のみなさんの動揺が凄まじかった。あれはあかん。解禁できるときに言うね…。
本来の演出ができないから、かわりに東京公演はこれでいきましょう!っていうコンセンサスでやった演出だったと思うんだけど、1ミリも予想してないものを食らって、観測範囲に泣いてる人いました。わたしは初見が立ち見だったので後ろを気にしなくてもよいというのもあり、物理的にペンラとうちわをもったまま頭を抱えました。すごい目にあった。
映像に残ることはない…のだろうか…。東京公演の間にカメラが入っているという話は聞かなかったきがしていて。記録用の粗いものでもなんでもいいので、将来のために映像に残しておいてほしいやつでした。まじで。とはいえ、もしかしたら公演中、ずっと降りはできないかもしれないから、、降りパートにあたる演出は今後の公演においても流動的になりそうかなと感じました。
◆さいごに
今回の東京公演、あまりにも困難な状況での上演でした。
わたしは正直、上演はまずないだろうと思ってました。でも、できる限りの対策を打って、カンパニーは作品を懸命に届けてくれた。
明日が見えないような状況の中、全てを完璧に守り抜くことは難しい。
何が正解だったのか、今の状態で間違いのないことを言える人など、この世に誰もいないでしょう。
エンタメを愛する、舞台作品を愛するわたしたちにできることが何なのか、正直わたしもわかりません。
だけれど、最大限の努力を持って、役者を守りお客を守り、100%真摯に作品を届けようと努力してくれたことを、絶対に忘れたくないし、わたしはそのことに心から感謝しています。
musical-toukenranbu.jp
わたしたちにとっての”日常”が戻るまで、どれくらい時間がかかるのかはわからないけれど、舞台によって心を動かされ、生きる活力をもらう人間が確かに存在するのだということを、改めて言葉に残しておきたいです。
ミュージカル『刀剣乱舞』~静かの海のパライソ~東京公演を上演してくださって、本当にありがとうございました。
5月の凱旋公演でまた会えることを、心から祈っています。